「娼年」を観てきました。
ストーリーは、
大学での生活も退屈し、バイトに明け暮れ無気力な毎日を送っているリョウ。ホストクラブで働く中学の同級生シンヤがリョウのバイト先のバーに連れてきたホストクラブの客、御堂静香。彼女は秘密の会員制ボーイズクラブ「パッション」のオーナーで、恋愛や女性に興味がないというリョウに「情熱の試験」を受けさせ、リョウは静香の店で働くこととなる。「娼夫」という仕事に最初は戸惑うリョウだったが、女性たちひとりひとりが秘めている欲望の奥深さに気づき、そこにやりがいを見つけていく。
というお話です。
有名大学経済学部に入ったものの、目指すようなモノも無く、興味惹かれるモノも見つからず、大学をサボってバーテンのバイトに明け暮れる毎日を送っていたリョウ。ある日、リョウのバイト先のバーに、年上の美しい女性が現れる。その店で待ち合わせだからと言い、座った彼女に見とれていると、リョウの同級生のシンヤが現れる。シンヤはホストをやっており、同伴で彼女と待ち合わせをしていたようだ。彼女の名は、御堂静香。シンヤと店を出て行くが、コースターの下に名刺が挟まっており、閉店後に会いましょうということだった。
店が終り、外へ出ると、静香が待っていて、車でマンションへ連れて来られる。”女性なんて詰まらない。SEXなんて詰まらない。”と言っていたシンヤに、女性を喜ばせられないからそんな事言っているんじゃないかと怒らせ、その部屋にいた咲良とSEXをして、満足させられるのかしらと話す。やってみましょうと言うリョウは、咲良と情熱的なSEXをするのだが、静香はそれ程評価しない。しかし、咲良がリョウを助けて、それなりの価値が付いた。実は、静香は、会員制のボーイズクラブを経営していて、そのクラブでリョウを採用するかのテストだったのだ。ギリギリ合格点を貰えたリョウを静香は勧誘し、不安がるリョウに同僚となるアズマが、「キミは人気が出るよ。だって普通だから。」というので、ボーイズクラブ入会してみる事にする。
最初の女性は、カフェでお茶をするだけだった。こんな事でイイのかと思っていたら、相手が気に入ってくれたらしく、直ぐに次の予約が入った。リョウはお客様に付く度に良い印象を与え、人気が出てくる。それにつれて、リョウも、それぞれの女性が、それぞれに苦しみや哀しみ、喜びを持っている事に気が付き、彼女たちを癒しながら、解放して行く事に、やり甲斐を感じて行くのだった。そして自分が必要とされることに喜びも感じて行くのだった。
しかし、リョウが本当に求めているのは、亡くなった彼の母親の面影であり、彼は、その気持ちを静香に求めて行くのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画ですが、私は、2年程前に舞台化されたものを観に行きました。舞台の方は、キャストも違い、やはり”生”と言う事もあり、映画とは比べ物にならないほど、官能的で、ドキドキするものでした。舞台の方は、不思議と嫌らしいとか、汚らしいという感じは受けず、何をしていても、どんな音が聞こえていても、上品で、それが人間の営みであることを感じさせるものでした。マジで、皆さん、舞台でバッサリ脱いでいましたからね。その迫力は素晴らしいものであり、演じている松坂さんや、女優さんたちのオーラも凄かったので、嫌らしいという気持ちが上がってこなかったのかも知れませんね。
映画の方ですが、ごめんなさい、比べてはいけないと思いながらも、同じものを見せられる訳ですから、どうしても比べてしまい、舞台が良かったなぁと思ってしまいました。でも、もし、映画を先に観ていたら、満足していたかも知れません。だって、映画もスゴかったですもん。
このお話、無気力な大学生のリョウが、自分の生き甲斐の様なものを見つけて、前を向いて歩き始めるという内容なので、結構、簡単なお話なのです。でも、仕事が娼夫というものであり、母親を求めるトラウマを持っていてと、結構、屈折している男の子なんです。難しい役だったと思うのですが、松坂さん、ピッタリに演じていましたね。良かったです。とってもエロエロでした。いや、美しかったです。
これは言っちゃいけないんだろうけど、静香さん役、舞台では高岡早紀さんで、それがとっても合っていたので、今回、真飛さんも素晴らしく美しいのですが、エロさが少ないんですよねぇ。舞台の方では、女としての静香がリョウを動かしていたけど、この映画での静香は、母親のイメージの女性だったんでしょうね。とても優しくて、包み込むような温かさを与えてくれる女性。そんな風に見えました。
他の女性の方々は、それぞれ、良かったと思いますが、咲良役だけ、やっぱり、佐津川さんの方が良かったなぁ。彼女の幼そうに見えて、実は、全てを理解しているという天使的な女性というイメージがとても合っていたんです。舞台では、静香の娘が咲良なのですが、映画では、そこら辺、全く描かれていませんでしたね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。でも、観ていると、ちょっと恥ずかしくなるかも知れません。本当にラブシーンが濃厚なんです。音も凄いからね。だから、あまりカップルの方にはお薦めしたくないなぁ。だって、気まずいでしょ。部屋で二人で観ているなら別だけど、映画館だからねぇ。男性にも観て頂いて、女性は結構、変態だったり、SEXを望んでいたりする事もあるんだよって事を知って欲しいです。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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