「リズと青い鳥」女性の習性が描かれているので男性には解りずらいかも。”百合”と間違わないでね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「リズと青い鳥」の試写会に行ってきました。TSUTAYAの限定試写会でした。

 

ストーリーは、

北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれと、フルートを担当する傘木希美は、ともに3年生となり、最後となるコンクールを控えていた。コンクールの自由曲に選ばれた「リズと青い鳥」にはオーボエとフルートが掛け合うソロパートがあったが、親友同士の2人の掛け合いはなぜかうまくかみ合わず・・・。

というお話です。

 

 

”響け!ユーフォニアム”というアニメのスピンオフのお話らしいのですが、そのユーフォニアムというのを観ていないので、どう関わっているのか、全く解りませんでしたが、この映画単独として観てきました。

 

北宇治高等学校吹奏楽部でオーボエを担当する鎧塚みぞれは、フルートを担当する傘木希美と仲が良く、夏休みの朝練も一緒に登校していました。 二人も3年生になり、そろそろ進路の事を考え始める時期。みぞれは、卒業して希美と分かれてしまうのが寂しくて、彼女の進路を気にしていました。

 

 

実は、みぞれは、高校に入った時、希美が吹奏楽部に入ると言ったのと聞き、彼女と一緒に居たい為に吹奏楽部に入ったのでした。自分が希望した訳では無かったのですが、吹奏楽でオーボエを担当し、腕を上げて行ったみぞれ。でも、希美や周りのレベルに合わせる為に無理をしていました。

 

進路の話をしていたら、希美は音大を望んでいる事を知り、自分の進路を悩み始めるみぞれ。望んで吹奏楽を始めた訳では無いが、一生懸命取り組んできて、それなりの成果を上げて来ていたみぞれでしたが、また希美の後を追って音大を希望するのも気が引ける。だけど、オーボエを続けて行きたいという気持ちもある。悩むみぞれの気持ちが、オーボエの音に現れてしまい、他のパートの後輩が心配してみぞれに我慢しているのではないかと声を掛けます。

 

 

みぞれは、実はオーボエのレベルが誰よりも上がっており、希美のフルートと合わせるのが苦痛になっていたんです。でも、自分を誘ってくれたのは希美だし、彼女と一緒に居たいという気持ちが先に立ち、もっと伸びていく才能を押さえていたんです。

 

みぞれの思いと同じように、希美もみぞれの事に気が付いて、お互いに凄く好きで、一緒に居たいと思っているのに、このままでは未来が見えないという状況を良くないと思い・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

このお話、女子には解るんだけど、男子には解るのかなぁ。きっと、”百合”とか言われちゃうんだろうなぁ。女子って、一度仲良くなると、ずーっと一緒に居たくなる、群れたくなる習性があるんです。男性との恋愛とは違う、何と言うか、同族庇護の気持ちというか、そこに母性的なものが出てきちゃって、私の○○ちゃんは、誰にもあげたくないっていう気持ちが出てくるんです。だから、他の人と仲良くしていると、嫉妬が大きくなり、それが虐めに繋がって行ったりすることがあるんです。でもね、それって、恋愛じゃないのよ。難しいでしょ。女子にしか、この感覚は無いだろうなぁ。

 

 

でね、このみぞれちゃんと希美ちゃんも、そんな共生と言って良いような状態なんです。お互いに手放したくない、一緒にいたいと思っているんです。だけどね、高校まではそれでも良かったけど、それより先は、自分の未来を決めることになるから、一緒にいたいだけでは続かないんです。お互いに、相手を尊重して、分かれてでも良い未来を手に入れられる道を探しましょうという気持ちを持たなくてはいけません。そんな、この時しか感じられない感情を、この映画で描いているんです。

 

 

「リズと青い鳥」という絵本を読みながら、その二人に自分達を重ね合わせて、みぞれと希美は、色々な事を感じて、知って行くんです。そして、絵本の最後に倣う事でことで、お互いを尊重し、自分の未来を見つけるという事にたどり着くんです。17歳くらいで未来を決めろって言われても、難しいと思うけど、でも、一度はそこで選択をしなくちゃね。人生には、沢山の選択が必要になるけど、仲の良い友達との別れを選ぶのは、簡単には出来ないと思います。でもね、誰もが、それを経験して、自分がやるべきことを見つけて行くんです。

 

とっても美しくて、柔らかい絵と音楽で奏でていくアニメーションで、観ていて、気持ちが伝わってくるんです。自分にも、こんな時代があったよなぁと思いだして、懐かしい感じがして、良かったです。でもね、前半戦は、動きが遅くて、ちょっと眠くなりました。繊細に描いているのは解かるんだけど、さすがに、ちょっと疲れました。

 

 

何度も言うけど、これ、男子には解らないんじゃないかなぁ。この微妙な女性の心理って、男性には無いと思うんです。ほら良く学校で女子グループがあって、突然に一人の女子が虐めの標的になったりすることがあるでしょ。一人だけ男と付き合い始めたり、新しい友達を作ったりすると、裏切り者だと思ってハブるんです。仲良しグループは、絶対にいつも一緒にいることが前提なんですよ。それと同じで、自分と仲の良い女の子が、レベルが高すぎて自分と釣り合わないと感じた時点で、それも裏切りと思ってしまうんです。だから、お互いに褒め合ったりして、レベルのすり合わせをしているんですよねぇ。

 

 

こんな難しい女性の習性を、よく美しく描いてくれたと思います。ちょっと間違えると、凄い嫉妬が絡んで、醜くなりますからね。良かったです。

 

最期に一つだけ。映画の中で、絵本の話が描かれているのですが、その絵本のリズという女の子の声が、あまりにも下手で、嫌になりました。やはり声優を使って欲しかった。とても聞きにくいです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。雰囲気も良くて、観ていて気持ちの良い作品ですが、動きが遅いので、途中で眠くなるかなぁ。それに、女性間の思いを解っていないと、訳の解らない”百合”とかいう考えになってしまうので、この映画の本質が理解出来ないかも知れません。でも、理解出来た時、女性同士がお互いを認め合い、尊重し合って、より高いレベルを目指そうねって言う気持ちが解ってくると思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

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