「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」を観てきました。
ストーリーは、
第2次世界大戦初期、ナチスドイツによってフランスが陥落寸前にまで追い込まれ、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍が北フランスの港町ダンケルクの浜辺で窮地に陥る中、就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手にヨーロッパ中の運命が委ねられることに。ヒトラーとの和平交渉か徹底抗戦か、究極の選択を迫られるチャーチルだったが・・・。
というお話です。
1940年5月、第二次世界大戦初期。ヒトラー率いるナチスドイツの勢力が強まり、フランスはパリを占領され陥落間近、イギリスも侵略の脅威にさらされていた。時のチェンバレン首相は状況の事態を招いた責任を問われ、不信任され、次の首相を選ばなければならない。外相のハリファックスが適任とされていたが、彼はこれを断り、国民からの支持はあるが、政界では嫌われていたウィンストン・チャーチルに白羽の矢が立つ。
朝から酒を飲み、葉巻を吸う彼は、緩慢な動きだが、頭の切れる男であり、とてもウィットに富んでいた。首相になったチャーチルだったが、既にナチスドイツはフランスをほとんど制圧しており、もう少しでイギリスに侵攻してくると言う状況。連合軍は、北フランスのダンケルクに追い詰められ、包囲されていた。助け出すには、海から助けるしかない。しかし、30万人もの兵士を助けられるほどの船などイギリスには残っていない。
何とかしてダンケルクの兵士を助ける時間を稼ぐため、仕方なく、もう一つの港であるカレーにいる兵士たちにナチスドイツを惹きつけておく命令を下す。この命令を出した時点で、カレーの兵士たちは、ダンケルクの為に犠牲になってしまう事は解っていたが、30万人の兵士を助ける為には、カレーの兵士に犠牲になってもらうしかない。苦渋の決断をしたチャーチルだったが、ダンケルクの兵士を助ける為に計画した民間の船舶を使って助けるという”ダイナモ作戦”は始動していなかった。
時を見計らい、ドイツの隙をついてダイナモ作戦でダンケルクの兵士を助けたチャーチルだったが、このままではイギリスはドイツに攻め込まれてしまう。ハリファックスや前首相のチェンバレンは、イタリアのムッソリーニに仲介を頼み、ドイツとの交渉を行うべきだと訴え、チャーチルは決断を迫られる。ドイツの属国になるのか、それとも最後まで戦うのか。その時、英国王ジョージ6世がチャーチルを訪れ、話をする事に。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
このウィンストン・チャーチルさん、見た目は凄い恐そうなんだけど、カッコいい人なんですよね。第二次世界大戦中は、ほとんどこの人が首相を務めて、イギリスへの侵攻を妨げたんです。マジで凄い人だなぁって思っていたけど、映画になって、演じられたチャーチルを観ると、人間的にとても魅力的な人だったんだなぁと改めて思いました。ちゃんと、周りの声を聞いているの。上に立つと、大体の人が下の人間の声を聞かなくなるけど、チャーチルは、ちゃんと国民の声を聞こうとするんです。素晴らしいでしょ。上の声、下の声も聴いて、状況を把握してからの決断って、当たり前のことなんだけど、政治家って、それが出来ない人が多いのよね。
でね、真面目な人なのかと思うと、朝っぱらからウイスキーを飲んで、ランチにはシャンペンを飲んで、もう、飲んでいない時が無いというくらいなんです。今なら、アル中ですねって診断されると思うなぁ。でも、お酒でも飲んでないとやってられなかったのかも知れませんね。だって、その一言で、国が生きるか滅びるかって時なんですもん。凄いストレスだと思います。
見た目は、ずんぐりむっくりの、まるでハンプティダンプティなんです。後ろ姿は笑ってしまうほど可愛いんだけど、前を向くと、何か、ブルドッグみたいでちょっと怖いの。でもね、中身は良い人だから、周りの人には好かれていたようです。他の政治家からは嫌われていたみたいだけどね。(笑)
そうそう、英国王ジョージ6世が出てくるのですが、「英国王のスピーチ」の時のように、ちょっとドモりがあるように演じられていて、良かったですよ。この映画に合わせて観て欲しいな。あと、「ダンケルク」も、観てみると、兵士側から見た状況が解るので、面白いと思います。
チャーチルの奥さん役のクリスティン・スコット・トーマスさん、美しかったです。上品で、苦しむチャーチルの尻を叩いて立ち上がらせる、強い女性を演じていました。この女優さん、私、大好きなんです。もっと映画に出て欲しいけど、舞台をされているようですね。素晴らしい女優さんです。チャーチルの秘書役のリリー・ジェームズさんも良かったです。最初はチャーチルを怖がっているんだけど、段々と打ち解けて、彼を応援するようになって行くんです。良かったなぁ。
映画では、ドイツと訣別の道を選択するまでが描かれていますが、この後、フランス自由軍も入れての連合軍で戦い、ドイツを下して、日本が負けて、第二次世界大戦は終結します。チャーチルさんは、戦後、第二次世界大戦の本を書いて(全6巻)、ノーベル文学賞を貰いますが、本当はノーベル平和賞が欲しかったといって、ちょっとガッカリしたそうです。
チャーチルさんは、戦後、首相を退任しますが、6年後に再度、首相となり、1951年から1955年まで内閣を率います。でも、77歳で首相になったので、最期の方は、もうよぼよぼしていたみたい。自分で退任したのですが、良い人生だったんじゃないかな。
素晴らしい映画でした。私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。すっごく面白いです。でも、歴史を知っていないと、その時の状況がどれ程酷いか、危ない状況だったのかと言うことが解らないので、ちょっと面白さが半減するかも知れません。でも、チャーチルさんを観ているだけでも、十分に楽しめますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
チャーチルさんの後ろ姿、可愛いでしょ。
・ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男|映画情報のぴあ映画生活
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