「レッド・スパロー」を観てきました。
ストーリーは、
事故でバレリーナになる道を絶たれたドミニカは、ロシア政府が極秘裏に組織した諜報機関の一員となり、自らの肉体を使った誘惑や心理操作などを駆使して情報を盗み出す女スパイ「スパロー」になるための訓練を受ける。やがて組織の中で頭角を現したドミニカは、ロシアの機密情報を探っていたCIA捜査官ナッシュに近づくというミッションを与えられる。接近したドミニカとナッシュは互いに惹かれあいながらも、それぞれのキャリアや忠誠心、国家の安全をかけてだまし合いを繰り広げていく。
というお話です。
ロシアのボリショイバレエ団でプリマドンナとしてトップを飾っていたドミニカだったが、彼女を妬んだ後輩の女性に仕組まれて、左足に大怪我を負ってしまう。ダンサーとしての生命を絶たれたドミニカは、それまでボリショイ劇団に住むところも、病気の母親の治療費も出してもらっていたのだが、それが全て無くなってしまう。そんな時、叔父のワーニャが訪ねてくる。ワーニャはドミニカに、ある仕事をしてくれたら援助をしてやると言われ、仕方なく、その仕事を受けることにする。
あるロシアの高官を誘惑し、こっそりスマホを交換してくるように言われるのだが、そんな簡単に出来る訳も無く、ドミニカは男に襲われてしまう。その時、いきなり後ろから男の首を絞める黒ずくめの人物が現れ、高官を殺してしまう。ロシアの高官を殺す指示を出したのはワーニャだが、その現場を見てしまったドミニカも、始末することになるのだが、ワーニャの口利きで、ドミニカをスパイ養成学校に送り込むことになる。
スパローと呼ばれるスパイは、相手の欲望を読み、それを使って思い通りに相手を操作するという、恐ろしい人間たちだった。ドミニカは、その非情な訓練をクリアし、スパイとしてアメリカに情報を売っているらしい人間を見つけ出すようにとの指令を受ける。ウイーンに飛び、そこで、アメリカ人のスパイに接触する。
CIAのネイトは、ドミニカと接触し、お互いにスパイだと判っている事を話し、ロシアだと自由が無いだろうから、アメリカに協力することを要請する。そしてドミニカは、母親も一緒にアメリカに亡命させてくれるなら、考えてみても良いと返答する。そして、まず、アメリカ側の情報をロシアに売る約束をしたアメリカ高官の秘書との取引情報を洩らし、ロシアに本当の情報が渡らないように操作をするのですが、それがロシア側に分かってしまい・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、良く出来ていたと思いました。面白いです。このドミニカという女性が、最後の最後まで、本当の意図を解らせないところが、何ともイイんです。楽しめました。最初は、直ぐに叔父の言いなりになるのかなと思ったら、段々と変わってきて、アメリカのネイトと行動をするようになると、もう、心からアメリカの為に動いているように見せるんです。
このコロコロ変わる心が、全く読めないんです。私も、観ていて、本当のところは分かりませんでした。最初からアメリカを騙す積りだったのか、それとも、自分を不幸にしたロシアに嫌気がさして、本当に亡命するつもりだったのか。私の考えは、途中でアメリカに行こうという気持ちも無くは無かったのかなと思いました。でも、叔父の母氏を聞き、ロシアの高官の話も聞いて、自分が一番安全で、一番得をする方法を選んだのだなと思いました。それが何なのか、映画を観て、確認してくださいね。
それにしても、何度も何度も、あっちの国、こっちの国と、気持ちがコロコロ変わっているように見えて、不思議でした。でも、もし、最後の最後の結末を解っていて行動していたのなら、本当に恐ろしい女性です。これ程、狡猾に動くことが出来るなら、そりゃ、伝説のスパイって言われるよ。マジで、ロシアもアメリカも、観ているこちらも、ドミニカの考えは読めなかったですもん。
ドミニカ役のジェニファー・ローレンスですが、プリマドンナとしては、ちょっと体がガッツリしすぎのようでした。もう少し細くないと、ちょっとバレリーナに見えないのよ。でも、スパイとして戦うなら、あれくらいの身体じゃないと無理なので、スパイの方に合わせたのかな。バレエのパートナーが重くて持ち上げられないです。
私の好きな、ジャーロット・ランプリングとジェレミー・アイアンズが出演していて、良かったです。やっぱり、この辺りの大御所が並ぶと、ビシッと締まりますね。ロシア側の恐さが増しました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。私は、超!と付けたいんだけど、これも賛否別れそうだなぁ。何処までも騙し合いなので、解らなくなる人が出てきそうで、そういう人は、途中で付いて行けなくなっちゃうかなと思いました。でも、解ると、本当に面白いです。彼女がレッド・スパローと呼ばれる理由が、最後の最後で判ります。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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