「素敵なダイナマイトスキャンダル」を観てきました。
ストーリーは、
母・富子が隣家の息子とダイナマイトで心中した末井青年。18歳で田舎を飛び出し、昼は工場勤務、夜はデザイン学校という生活から、看板会社への就職、そしてエロ雑誌の世界へと足を踏み入れる。表紙デザイン、レイアウト、取材、撮影、漫画と、あらゆる業務をこなしながら、編集長として「立て!男のエキサイト・マガジン」をキャッチフレーズに雑誌「NEW SELF」を創刊。カメラマンの荒木ら精鋭たちがメンバーとして集い、雑誌は軌道に乗るが、わいせつ文書販売容疑で発禁となってしまう。
というお話です。
1950年代半ば、小学校1年生だった末井昭の家には、結核で入院していた母親が帰ってきており、周りから結核がうつるのではないかと怖がられ、ご近所から孤立していた。そんな母親の所に隣家の息子が、父親の不在を狙い足繁く通っており、子供ながらに何かあると思っていた。ある日、学校から家に帰ると、鉱山で働く父親が保管していたダイナマイトを持ち出し、母親が隣家の息子と心中をしたと知らされる。
それから何年か経ち、18歳で家を飛び出した末井は、デザインを勉強したいと思い、昼は工場勤務をし、夜にデザイン学校に通っていた。そして風俗店の看板を描く仕事を貰い始め、色々な仲間と出会い、何故か、雑誌の世界に入って行く。エロ雑誌の編集へと入るが、何から何まで自分でやらなければならず、気が付いたら編集長へと登り詰めていた。「NEW SELF」という雑誌を創刊し、その時代の寵児であるがごとく、エロ雑誌旋風を巻き起こし、警察の検閲を受けながらも、衝撃的な雑誌を発刊しつづけた。
しかし、そんな時代は終り、わいせつ文書販売容疑で雑誌は発禁となってしまい、新しく「ウィークエンドスーパー」という雑誌を創刊、カメラマンの荒木と出会い、今度は「写真時代」という雑誌を創刊する。ダッチワイフの制作者からのクレームがあったり、やはり写真が過激すぎて警察から発禁を受けてしまう。
エロ雑誌の時代は終り、「パチンコ必勝ガイド」を創刊、そして作家として時代を泳ぎ始め・・・。後は、映画を観て下さいね。
伝説?の編集者・末井昭さんの自伝映画です。と言っても、今も元気に働いていらっしゃる方なんですけどね。なんか、昭和を目一杯泳ぎ回っていた男性という感じで、驚きました。本当にこんな事をして来たのかなって言うくらい、衝撃的で、驚くような事をしてきた人なんです。現代だと、あり得ないくらい酷い事をしているのですが、昭和のこの時代には、こんなエロ雑誌を販売しても許された時代だったんでしょうね。いま、こんな感じで撮影をしていたり、本を発刊していたら、本当に逮捕だと思います。
凄く不思議に思ったのは、 雑誌でこんなエロい事をしていると検閲されて、発禁されて、逮捕されるのに、ネットで目一杯移っちゃっている画像を出しても、平気だったりして、何だろうって思います。確かに、欲求が堪り過ぎると色々な犯罪に繋がるから、ある程度のガス抜きは必要だと思うけど、ネット上のエロ関係は怖いです。だって、知らない内にどこかをクリックしちゃってて、変な画像が出て、画面が固まったりすることがあったりして、驚いちゃいます。
この末井さん、お母さんの事、ショックだったでしょうね。映画で見ていても強烈でした。まさか、ダイナマイトを使って自殺するとは、今時は、アルカイダの人とかがジハードでしているけど、この時代に凄い人だと思いました。それも心中って・・・。お父さん、可哀想でしたもん。このお父さん役を村上さんが演じていらして、可哀想だけどちょっと笑っちゃいました。この映画、笑っちゃうんですよねぇ。
風俗店の看板屋をしている時は、奥さんと一緒に頑張っていて、面白い看板が多かったです。こういう看板って、末井さんのような方が描いていらしたんですね。誰かが描いているとは思っていたけど、ちゃんとデザインを勉強した凄い人が描いていたと知り、ちょっと驚きました。確かに、目を引くような看板が多いけど、ちゃんと視覚効果とか考えていたんだなぁ。
凄くエッチな事をしているんだけど、それがあっけらかんとしていて、全て笑ってしまうんです。下品なんだけど、それが笑いになっちゃって、段々と、それ芸術じゃんって思わせられちゃうところが、面白かったなぁ。映画の中の脱がされる女性たちだけでなく、観ているこちらも、芸術じゃないって解りながらも、つい騙されて芸術かもなんて思っちゃうところが、笑えました。
末井さんを演じている柄本佑さん、本当に上手いですよね。舞台でも彼を観ていますが、大好きです。何度観ても楽しいし、何度でも観たくなる役者さんだと思います。この作品、他に出演してらっしゃる役者さんも素晴らしくて、文句の付けようがありません。最高でした。松重さん、良かったなぁ。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。本当に、私は大好きな映画です。最近、お気に入りの映画が多いなぁ。特に、この映画は大好きですね。また観たいです。ぜひ、観に行ってみて下さい。でも、R15だったかな。女性も凄く楽しめますよ。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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