「かぞくへ」結婚はお互いの思いだけでは無く、その家族とも生きる事になると言う事を理解して欲しい。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「かぞくへ」を観てきました。

 

ストーリーは、

家族の温かさを知らず養護施設で育った旭は、同棲中の佳織と結婚を目前に控えていた。そんな中、旭は親友の洋人によかれと思って紹介した仕事で、洋人を詐欺の被害に遭わせてしまう。唯一無二の親友であり、養護施設で家族同然に育ってきた洋人と、認知症が進む祖母のために結婚式を急ぐ婚約者の佳織。かけがいのない大切な2人の間で悩み苦しむ旭は次第に追いつめられていき・・・。

というお話です。

 

 

ボクシングジムでコーチをしている旭は、同棲中の佳織と結婚の準備を始めていた。半年後くらいに結婚を考えており、式場の打合せなどを始めているところだった。旭は、家族がおらずに養護施設で育ち、養護施設で一緒だった洋人が唯一の家族と呼べる人間だった。

 

旭は、ボクシングジムで知り合った喜多という男がレストランを何店舗か経営していて、今度近くに1店舗開くらしいと聞き、そこに漁師の洋人の魚を卸させて貰えないか相談をすると、一度、会わせて欲しいという話になる。洋人の役に立てると思い、旭は二人を会わせて、契約をさせるが、数ヶ月後、魚を卸しても料金が払われないと洋人から相談を受ける事になる。

 

 

旭は、自分が紹介した人に騙されたと知り、その責任を痛感し、何とか負債を助けたいと思うのだが、結婚を控えており、自由になるお金が無い。仕方なく、佳織に結婚式を延期してもらえないか相談をするのだが、佳織は、旭が騙した訳では無いし可哀想だけど結婚式を止めてお金を工面するほどの事ではないと言い、彼女の祖母が元気なうちに結婚式を見せたいので急いでいると言ってあったでしょと話す。

 

 

旭は、佳織の言う事も解るし、でも洋人を助けたいとも思い、板ばさみになってしまう。少しでもお金を工面しようと、ジムの仕事以外に、夜中にガードマンの仕事もする事にして、どんどんボロボロになって行く。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、良かったです。この状況、凄くよく解るんですよ。結婚を前に、彼女と心がどんどん離れて行ってしまうんです。可哀想でした。でもねぇ、うん、解かるのよ。女性の考え方も。誰もが、自分を中心にして考えるから、こうなっちゃうのよねぇ。仕方ないとは思いながらも、悩ましい内容でした。

 

 

ハッキリ言って、旭が、ちょっと情けなさ過ぎるかな。佳織を見ていると、どう考えても、旭と合わないでしょ。最初の方の場面で、二人が結婚式に呼ぶ人の話をしていて、旭が、家族は居なくて洋人が家族で、洋人と奥さんで二人だけ呼ぶと言っているのですが、この部分で、洋人が旭にとって、どれだけ重要な人か感じていなくちゃいけないのに、佳織は、ダマされたのは旭の責任じゃないから関係無いというような事を言うんです。

 

これ、反対の立場だったら、佳織が祖母が元気な内に結婚式をと言うのに、別に結婚に祖母は関係無いから遅くなってもイイだろって言っているのと一緒ですよね。旭にとって、洋人が家族なのに、それが解っていないんです。だから、二人は合わないよなぁと思ってしまいました。何とか結婚しても、母親は反対をしているし、上手く行かないと思うんだけどなぁ。

 

 

人の感覚の違いって、どんな関係にもあって、感覚が遠い人とは、結婚でも仕事でも、一緒にやるのは難しいと思います。どうして、この二人が知り合ったのかは描かれていませんが、どう見ていても、合わないよねぇ。別に、旭が養護施設で育ったから、愛を知らないからという訳ではありません。旭は、十分に愛を知っています。佳織の方が、愛を解っていないんです。好きな人が困っていたら、一緒に困ってあげるのが愛でしょ。自分の都合を優先させるのではなく、まず、相手の話を聞くのが先だと思いますよ。

 

若い頃は解らないんだよね。愛の先に結婚があるのに、結婚があって愛があると思っている。結婚しても愛なんて生まれませんよ。愛しているから結婚するんです。私も、最初の結婚に失敗した時、これと同じだったと思う。相手は好きだったけど、相手を受容れるだけの愛を持たずに結婚したと思うんです。だから何かあった時に許せない。そういう事なんですよね。この映画を観て、改めて思いました。

 

 

家族って、いつもベタベタ一緒にいる事では無く、遠くに離れていても、何かあった時は全身全霊で助けに行くものだし、たとえ連絡を取っていなくても、一目会えば解り合えるものだと思うんです。それが、たとえ血の繋がりが無いとしてもね。そこの愛が存在するのが家族なんですよねぇ。

 

洋人が旭に手渡したスピーチ原稿の字の汚さに、何とも、泣けてきました。必死で書いたんだろうなぁという気持ちが伝わってきて、家族ってそういうもんだよって思いました。いやぁ、マジで良かった。良い映画でした。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画、東京国際映画祭で上映されたのですが、その時は観れなかったので、やっと横浜シネマリンで観る事が出来ました。でも、短期間だったので、もう終わってしまいます。これ、DVDが出るかな。出たら、家で観て欲しい。感動すると思います。家族や夫婦で観て欲しいなぁ。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

P.S : 東京でのアンコール上映が決まったそうです。ぜひ、観に行ってみて下さい。渋谷ユーロスペースです。4/14~

 

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