「ベロニカとの記憶」を観てきました。
ストーリーは、
60歳を過ぎ、ひとり静かに引退生活を送るトニーのもとに、ある日、見知らぬ弁護士から手紙が届く。それによれば、40年前に別れた当時の恋人ベロニカの母親だという女性が、トニーに日記を遺しているという。思いもよらない遺品から、トニーは長い間忘れていた青春時代の記憶が呼び覚まされていき、若くして自殺した親友や初恋にまつわる真実をひも解いていく。
というお話です。
60歳を過ぎて、ひとりでカメラ屋を営むトニー。妻とは離婚をし、娘はシングルマザーになると言って、現在妊娠中。静かな隠居生活を過ごしているある日、見知らぬ弁護士から手紙が届きます。開いてみると、40年前に別れた恋人ベロニカの母親が亡くなり、遺言でトニーに遺した物があるとの連絡でした。別れた恋人の母親から、何か残される覚えのなかったトニーは、何だろうと封筒の中を見ますが、その連絡が入っているだけで、何も同封されていません。仕方なく、その弁護士に連絡をすると、残された物は、トニーの友人・エイドリアンの日記だと言い、その遺品は、娘のベロニカが管理しているとのことで、連絡は出来るのだが、ベロニカに渡せと強要する事は出来ないと話します。
懐かしいベロニカ。トニーは昔の事を思い返し、トニーがベロニカと付き合い始めた時、既にクラスメイトのエイドリアンがベロニカと付き合っているという噂を聞き、自分が、その事に動揺したことを思い出します。そして、エイドリアンが自殺した事も・・・。
トニーは気になって、ベロニカに連絡を取り、エイドリアンの日記を渡して欲しいと話しますが、燃やしてしまったから渡す事は出来ないと言い、古い手紙をトニーに渡して、その場から去ってしまいます。渡された手紙を読んでみると、それは、昔、自分がエイドリアンとベロニカに嫉妬して送った、彼らを罵倒する手紙だった事に気が付きます。トニーは噂を聞いて、ベロニカに二股を掛けられたと思い込み、その酷い手紙を送ったのでした。
懐かしくも辛い手紙を観てしまったトニーは、ベロニカにどうしても会って話しをしたいと思い、まるでストーカーのように彼女の暮らしている家を突き止め、彼女の生活を垣間見ます。すると、エイドリアンという障害を持った若い男性の面倒を見ている事を知り、彼女とエイドリアンの息子なのだろうと思い、考えを巡らすのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、凄く観たかったのですが、予定が合わずに、上映が終わるギリギリになってしまいました。でも、観れて良かった。良い映画でした。単館系だし、あまり評価は良くないようですが、これ、ある程度経験を積んだ方々には、結構、グッとくる内容だと思いますよ。
学生の頃に付き合っていたベロニカが友人と思っていたエイドリアンと二人で自分を裏切っていると疑ってしまったトニーは、その二人に宛てて、酷い恨みの手紙を書いてしまって、それが、彼らの人生を捻じ曲げてしまったのではないかというお話なんです。
付き合っているころ、ベロニカの家に招待されて遊びに行くと、彼女の家族とも仲良くなって、お母様がとっても若くて素敵な方で、お母様もちょっと気になっちゃうかなって感じなんです。そんな幸せな時間を過ごしていたら、学校に行くと、ベロニカとエイドリアンが付き合っているという噂を聞くんですよ。何故なら、エイドリアンもベロニカの家に出入りをしていたからなんです。嫉妬に駆られたトニーは、ベロニカと別れ、二人に向けて酷い手紙を書くんです。
まぁ、手紙を書くことは今どき無いだろうけど、自分と二股かけて友人と付き合っていた彼女と友人に対して、つい、嫌がらせのメールをしてしまったり、意地悪な言葉を言ってしまったりって、きっとあると思うんです。そんな、ちょっとした出来事が、40年も経ってから、自分に戻ってくるんです。でね、それが、実は、ちゃんと彼女と話し合いをしなかったから、凄い勘違いだったことに気が付くんです。
女性の立場から言うと、突然、彼氏から友人と二股かけているんだろうと疑われ、一方的に別れを告げられて、酷い手紙を送られたって感じなんです。酷いでしょ。で、彼の友人も、友人を裏切った奴だと思われて、そのまま、ショックを受けて、ある出来事もあり、自殺をしてしまうんです。なんか、酷いでしょ。
誰が悪いって、誰も悪くないんだけど、コミュニケーション不足が生んだ歪みだとしか思えないんです。きっと、会って、言葉で話せば、誤解も解けたはずなんだけど、誰も、それをしようとしなかったということが、真実を知るのに40年も時間がかかってしまったのだと思いました。それにしても、酷いよね。友達、自殺しちゃっているし。ま、それはトニーのせいじゃないと思うけど。
ベロニカも、自分の口から色々な出来事を言えば良かったのに、何も言わずに、酷い手紙を返すだけなんです。おいおい、なんで分かり合おうとしないんだよって感じでした。ちゃんと説明すれば、時が戻ることは無いけど、お互いに嫌な気持ちのまま時を重ねていくことは無くなるのになぁと思いました。
とっても大人の、何とも言えぬ悲しいお話で、結構、グッと来ました。若いころのエイドリアンが、メガネ男子でイケメンなのよ。そんな彼にトニーが嫉妬したのも分からないでは無いなと思います。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。あまり若い方には解らないかもしれませんが、この雰囲気と、彼らの思いは、とても伝わってくると思います。ぜひ、観てみてくださいね。
ぜひ、楽しんでくださいね。
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