「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」を観てきました。
ストーリーは、
郊外の豪邸で暮らす心臓外科医スティーブンは、美しい妻や可愛い子どもたちに囲まれ順風満帆な人生を歩んでいるように見えた。しかし謎の少年マーティンを自宅に招き入れたことをきっかけに、子どもたちが突然歩けなくなったり目から血を流したりと、奇妙な出来事が続発する。やがてスティーブンは、容赦ない選択を迫られ・・・。
というお話です。
心臓外科医のスティーブンは、眼科医である美しい妻と、娘と息子を持ち、幸せな生活を送っていた。ある理由で、家族とは別の、マーティンという少年と頻繁に会っており、マーティンは病院にまで会いに来るようになってしまいます。仕方なく、マーティンを家に招き、家族にも紹介し、医者を目指しているという少年だからと話します。
マーティンは、長女のキムを仲良くなり、段々と親密になっていきます。弟のボブも、マーティンを気に入り、仲良くなります。しかし、マーティンが家族に入り込むにつれ、家族に異変が起こり始めます。そして、突然、ボブが歩けなくなります。身体のどの部分も悪い所は無く、精神的な問題しか残っていないのですが、どんな治療をしても治りません。
諦めかけたその時、マーティンが”誰かが罰を受けないと。”と呟きます。その後、直ぐに、今度は姉のキムも歩けなくなり、2人ともベッドに寝たままになってしまいます。スティーブンは、二人が歩けなくなったのはマーティンのせいだと思い、マーティンを問い詰めますが、何の答えも得られず、二人の麻痺は治りません。そしてマーティンは、更に、1人死んだら、1人が同じ罰を受けなければとスティーブンに話します。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
これ、オカルトホラーと言っていいのかな。最初は、普通のヒューマンドラマかなぁと思って観ていたら、段々と怖くなっていって、何が何だか、分からなくなってくるんです。最初は、オッサンが、少年と会って、高価な時計をプレゼントしたりしているから、もしかして隠れゲイ?と思ったけど、そんな予想は全く違っていて、何だか、もう、”アンタ、一体何者なんだよっ!”って首根っこ掴んで言いたくなるほど怖くなって行くんです。でもね、マーティンは、見た目は、何もしていないんですよ。普通の少年なんです。いや、普通じゃないか・・・。
マーティンが変な少年で、スティーブンにくっついてくるのは、まぁ、ある理由があるのですが、それはネタバレになっちゃうので、映画を観て下さいね。その理由によって、マーティンは、自分で手を下してはいない(と思う)んだけど、スティーブンが自滅して行くというか、追い詰められて、恐ろしい方向に行ってしまうんです。どう考えても、精神的な強迫観念だと思うのですが、どうしてもそれが解けないんです。私は思い込みだと思うので、それなら、それこそ催眠療法とかで解決しそうな気がするのだけど、何故か、何もせずに、流されるまま、結末に行ってしまうんですよねぇ。いやぁ、怖かった・・・。
スティーブンも、アナも、強そうな医者なんです。よくこの二人、夫婦出来ているなぁと思うくらい、どちらも譲らなそうなのですが、そんな二人だからこそ、マーティンの精神的な仕掛けにハマって、抜けられなくなったのかも知れませんね。どちらかがヒヨって、誰かに助けを求めれば、何となく、解決するような気がしたんですけど、医者としての相談はしているけど、家庭でこんな事が起って、困っているという相談を誰にもしないんです。おかしな現象が起ったら、誰かに相談するとか、セキュリティを頼むとか、何かしないとね。
もし、この不思議な出来事が、神とか悪魔の仕業だとするなら、そりゃ、お得意の神父様とかに頼まないと助からないですよ。まぁ、無駄だと思うけど。それにしても、凄い世界が描かれていました。ただ、映像を見ているだけだったら、子供が病気になって、心配している両親と、友達としか思えないんだけど、話している内容と目線を探って行くと、もう、マジでオカルトホラーになるんです。良く出来ていたなぁ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。オカルトホラーと言って良いと思います。スプラッターとか、悪魔が出てくるとか、そういうホラーではありません。精神を追い詰めて、混乱させて、打ちのめすような内容でした。単館系の追い詰められていくような映画が大丈夫な方は、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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