「ぼくの名前はズッキーニ」を観てきました。
ストーリーは、
アルコール依存症の母親と2人きりで暮らす9歳の少年ズッキーニ。ある日、ズッキーニの過失によって母親が死んでしまう。親切な警察官に保護されて孤児院で暮らすことになった彼は、新たな環境の中で自分の居場所を見つけるべく悪戦苦闘する。
というお話です。
アルコール依存症の母親に育てられていた９歳の少年ズッキーニ。ある日、母親が飲んだビールの空き缶を詰んで遊んでいたら崩してしまい、その大きな音に母親が怒り、ズッキーニにお仕置きをしようと小屋裏のズッキーニの部屋への階段を上ってくるのですが、怖くなったズッキーニは、小屋裏の入口の扉をバンッと閉じてしまいます。その勢いで母親は階段から落ちて、そのまま亡くなってしまったのだと思います。
ズッキーニは、警察官のレイモンに連れられて孤児院に着きます。ズッキーニは、これからここで暮らすことになるのです。優しそうな先生に連れられて部屋へ案内され、他の子供たちは興味深そうに彼を覗き込んでいます。
段々と孤児院に馴染んで行くズッキーニ。そこにいる子供たちは、どの子も複雑な家庭環境から抜け出してきた子供ばかりで、それぞれが心に傷を負っています。それでも力強く生きる力を持って行く子供たち。そんな彼らの所に、また新しい友人が入ってきます。女の子の名前はカミーユ。ズッキーニは、一目でカミーユを気に入って、友達になりたいと思います。
仲良くなって行くズッキーニとカミーユ、そして子供たち。しかし、カミーユの叔母が、彼女を引き取って補助金を受取ろうと、彼女を迎えに来ます。叔母に引き取られたら酷い目に合うことが分かっているカミーユは、何とか叔母から離れようとするのですが、大人たちの世界の法律に縛られて、逃げ出せそうにありません。どうしようという時、孤児院仲間のシモンがあるモノをカミーユに渡して・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、素晴らしかったです。実は、最初、字幕版で観たのですが、イマイチ、その感覚が伝わってこず、再度、吹替版で観たら、字幕を観る作業を省いた分、子供たちの仕草は視線を観る事が出来て、凄く感動が伝わってきました。
大人たちは、ズッキーニが、母親を自分が殺したことを良く判っていないだろうという感じで話をしているのですが、ズッキーニは、自分が母親を殺してしまった事を良く判っているんです。不慮の事故とは言え、母親を殺してしまったズッキーニは、酷く心に傷を負っていて、苦しんでいるんです。
でもね、孤児院で、シモンやアメッド、ジュジュブ、アリス、ベアトリスと出会い、他の子供たちの境遇も知って、苦しんでいるのは自分だけじゃないんだと言う事を知ります。そして、友人たちにも優しくなれるんです。大人の気の使い方って、子供の目から見たら、白々しいんでしょうね。本当は、「うるせーな、全部解ってんだよ。」って言いたいのを、子供側が気を使って知らない振りをしてくれている事って、沢山あるんだろうなぁ。
そんな子供の気遣いが描かれながらも、とっても子供らしい、スキー場での楽しい遊びなども描かれており、子供は知識が少ないだけで、既に人間として生きているんだと言う事を、良く描いているなと思いました。
本当は、両親と幸せに暮らしたかった子供たちが、手に入れられなかった幸せを、ちょっとしたところで垣間見る場面での視線の動きなども、良く作られていました。人形アニメなのに、良くあんな表現が出来たなぁと感心しました。
何か、とっても良かったので、またも感想が良かった以外に出てこないんですよ。だって、全てが良かったんですもん。ズッキーニも可愛いけど、シモンがお気に入りでした。とってもシャイで、素敵な男の子です。彼にも幸せになって欲しいなぁと思いました。
私は、この映画、超！超！お薦めしたいと思います。子供から大人まで、観て楽しめると思いました。あー、でも子供には難しいかなぁ。いやいや、きっと子供にも理解出来ると思います。大人が思っている以上に子供は解かっていますから。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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