「ナチュラルウーマン」の試写会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーとして歌うトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていた。しかし、オルランドは自身の誕生日の夜、自宅のベッドで意識が薄れたまま亡くなってしまう。最愛のオルランドの死により思いがけないトラブルに巻き込まれ、容赦ない差別や偏見を受けるマリーナは、女性として生きていく権利を胸に前を向いて歩くことを決意する。
というお話です。
ウェイトレスをしながらナイトクラブの歌手として歌っているマリーナ。彼女は、実はトランスジェンダーで、昔の名前はダニエルと言い、現在はマリーナとして生きています。今は、恋人のオルランドと一緒に暮らしており、幸せな毎日を送っていたのですが、ある日、オルランドは、自分の誕生日の夜、自宅のベッドで意識を失くしてしまいます。マリーナは、直ぐにオルランドを病院に連れて行くのですが、意識は戻らず、そのまま亡くなってしまいます。
悲しみに打ちひしがれるマリーナですが、悲しんでいる間も無く、オルランドの関係者が現れ、部屋を返せとか、何も盗むなとか、酷い事を言われます。オルランドの弟は勝手に家に入り部屋の内部を荒らしたりし、オルランドの妻は、マリーナに”気持ち悪い、変態”と酷い言葉を浴びせて、葬式には来るなと言います。
酷い仕打ちを受けても、それでもオルランドを愛していたマリーナは、最期の別れをしたいと葬儀に訪れるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、アカデミー賞外国語賞にノミネートされているとのことです。確かに、とっても美しいトランスジェンダーのお話で、酷い差別的な事をされるのですが、観ている途中で、あれ?と思ったのは、これ、マリーナが元々女でも、同じだったんじゃないかなと思うんです。だって、不倫ですよ。妻子がある男性と付き合って、挙句の果てに一緒に暮していて、で、ベッドで死んだって、そりゃ、奥さんは怒りますよ。離婚していなかった訳だし、愛人に権利を主張されても、何言ってんだってなるわよね。
このオルランドとマリーナは、1年くらい付き合っていたのかな。奥さんが、「1年前にオルランドから話を聞いた時は、変態と思ったわ」と話していたので、1年前に奥さんにトランスジェンダーの人と暮すと言って、家を出たんでしょうね。私は、奥さん目線にどうしてもなってしまうのですが、相手がトランスジェンダーだろうが何だろうが、妻子を捨てて、他の人の所に行くというのは裏切りで、その相手の女?が何か言って来ても取り合う気は無いですよ。人のモノを取ったんだから、それなりの罰を受けろと言ってやります。
だから、この映画、トランスジェンダーと言う事で話題になっているけど、内容のお話は、ごく普通の不倫で、妻と愛人が争っているというだけなんです。ただ、そこに、トランスジェンダーへの偏見が入ってきて、彼女が酷い言われ方をしたりして、苦しんだりという事なんです。
でも、まぁ、彼女も新しい一歩を踏み出して、自分として生きて行くことになります。トランスジェンダーだからって、何も変わらないですよ。女になったら女で、男になったら男で生きて行けば良い。別に、偏見がある奴には言わせておけば良いんです。その内、そんな事を言っている奴の方が、差別されるようになって行く。知識が無い人間として差別されるんです。
私の友人も、男から女になって(手術して)、もう5年以上経ったかしら。普通の女性として生きていますよ。ただ、ホルモン剤をずーっと接種しているので、精神的に不安定ではあるようです。身体は、全てタイで手術をしてきたので、本当に女なんですよ。私は、彼女が男だった時からずーっと知っていますが、別に男から女に変わろうが、何も変わりません。彼女は彼女で、私とギャーギャーじゃれているのは昔といっしょなの。でね、彼女は男だった時の事を言われると嫌がるんだけど、男だった時もアンタなんだから昔の自分を嫌がるなって、私は言っています。私にとっては、どちらもその人なんですもん。
この映画のマリーナも、男の名前を言われると嫌な顔をして、拒否をしているように見えたけど、昔の男の自分も好きになってあげられるようになったら、本当の女としての人生を手に入れられるのでしょうね。自分を好きにならなくちゃ、新しい人生なんて歩けません。ちゃんと自分を好きになって欲しいなと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。とても良い映画ですが、トランスジェンダーの特別な映画と思って行かない方が良いかも知れません。普通の不倫しちゃった後のゴタゴタ映画です。でも、その相手がトランスジェンダーだったってことだけ。そう思って観ないと、妻子がマリーナを虐めているように見えてしまって、考えが偏ってしまいます。あくまで、妻子ある男性と付き合っていたら亡くなってしまい、愛人は立場が無いと言う事です。愛していたから仕方ないけど、妻子だって彼を思っていたと思いますよ。そこら辺を間違えないで観て下さいね。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。公開は、2月24日です。