「きっと、いい日が待っている」を観てきました。
ストーリーは、
1967年。労働者階級の家庭に生まれた13歳の兄エリックと10歳の弟エルマーは、病気の母親から引き離されて養護施設に預けられる。そこでは、しつけとは名ばかりの体罰が横行していた。さらにエリックたちは新しい環境になじめず、上級生たちによるイジメの標的になってしまう。そんな過酷な日常から抜け出すべく、兄弟は施設からの逃亡を図る。
というお話です。
1967年、デンマークのコペンハーゲン。労働者階級の母子家庭に生まれた13歳のエリックと10歳のエルマーは、母親の目が行き届かないのを良い事に万引きをしたりと、悪い事をし邦題だった。警察に何度も捕まり、その度に母親は謝りに行き、管理をしてくれと言われるばかり。父親は、2人がまだ小さい頃に自殺をしており、この時代に母親だけの働きでは食べるのが精いっぱいだった。
無理な働きにより、母親は身体を壊してしまう。そして、母親の弟もフリーターで、決まった住所も無い人間だった。行政は、エリックとエルマーの二人を養護施設に収容し、母親の病気が治ったら迎えに来させると言う事で手続きをしてしまう。
コペンハーゲンの養護施設に入った二人は、厳しい躾けというか戒律の様なものに縛られ、食事もろくに与えられず、強制的に労働をさせられ、夜には男性職員が小さな子供にわいせつな行為をさせるという、あまりにも酷い施設の状況に驚くばかり。しかし、一言でも口答えをしようものなら、平手打ちが飛んできて、酷くなるとリンチをされてしまう。段々と感情を消していく二人の兄弟。
二人は、何度も逃亡を図るのですが、その度に捕まり、酷いリンチをうけてしまいます。その養護施設から抜け出すには、15歳になり、施設から出されて一人立ちする書類を貰うしかありません。その書類を貰う間では、考えるのを止めて、従うしかないと覚悟をします。そんな中、一人の女性教師がエルマーの声に耳を傾けるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画は、コペンハーゲンの養護施設で実際に行われていたとされる事を基に作られています。昔は、養護施設と言う名の元に、酷い強制労働をさせられていたようです。その時代は、子供たちは告発する事も出来ず、ただ、命令に従って我慢して口を噤むしか無かったそうです。そして、今、現在、その子供たちが大人になって、養護施設でのことを告発して、国に謝罪を求めているそうなんです。そりゃ、そうよね。いくら何でも、リンチされて病院送りにされるとか、あってはいけない事でしょ。あまりの酷さに驚きました。
エリックとエルマーの兄弟の目を通して、この施設の事が描かれて行くのですが、もー、とにかく酷いんですよ。校長が、まるでナチスの高官みたいなんです。言う事を聞かないと直ぐに引っ叩いて、罰を与えていくんです。小さな子供にも容赦無しで、ちょっとキ〇ガイっぽかったです。その他の職員たちも酷い人間ばかりで、校長の機嫌を取る事ばかり考えているんです。
寮長がキモいオッサンで、年少の少年を一人づつ部屋に呼んで、性的虐待をするんです。もう、言葉では言い表せないほど酷かったです。泣き叫ぶ声と、終わった後に少年が洗面で身体に付いた血を洗っているんです。何が行われたか、直ぐに解るでしょ。もう、マジで殺してやりたいと思いました。子供に対してそんな事をするなんて、絶対に許せません。怒りが込み上げました。
そんな日常の中で、兄弟は、何とか出て行ける日を待ち望みながら、耐えて耐えているんです。こんな事がずーっと行われていたなんて、酷いでしょ。でも、きっと、日本だって、その時代は酷かったんじゃないかな。表には出てこないけど、同じだと思うんです。まさか、現代はそんな事は無いと思いたいけど、大丈夫でしょうね。
辛い辛い話だけど、そんな中にも、宇宙飛行士になるという夢を最後までエルマーは持ち続けていて、その夢がみんなを救うことになるんです。なんだか、感動でした。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。こんな事が本当にあったのだというお話ですが、ちゃんと救いがあるお話です。そして、こんな事が起らないようにという教訓になる映画なので、皆さんに観て欲しい。子供たちも可愛いので、良いと思いますよ。そう言えば、校長役のラースさん、マッツ・ミケルセンの弟さんでした。言われてみれば、確かに似ていたかも。ぜひ、観てみて下さい。私は横浜の「ジャック&ベティ」という映画館で観たのですが、もうDVDになっているようです。
ぜひ、楽しんでくださいね。
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