「祈りの幕が下りる時」愛する人を護る為なら自分の人生などどうなっても良い。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「祈りの幕が下りる時」を観てきました。

 

ストーリーは、

東京都葛飾区小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。アパートの住人も姿を消し、住人と押谷の接点は見つからず、滋賀県在住の押谷が東京で殺された理由もわからず捜査は難航する。捜査を進める中で加賀は、押谷が中学の同級生で演出家の浅居博美をたずねて東京にやってきたことを突き止めるが・・・。

というお話です。

 

 

東京の小さなアパートで首を絞められた女性の死体が見つかった。既に腐敗しており、名前は押谷道子。同級生を訪ねて来て、ここで殺されたらしい。その部屋には原発で働いている男性が住んでいたらしいが、既に姿は無い。その事件とは別に、河川敷でホームレスらしき男の焼死体が見つかった。男の名は越川睦夫。最初は別々の事件だったのだが、松宮が加賀に相談し、ヒントを貰い、二つの事件の繋がりが見えてくる。

 

 

加賀は、警視庁の松宮の事件にはかかわっていなかったのだが、日本橋署も捜査に参加することになる。そして加賀の知り合いの女性舞台演出家・浅居博美が、押谷が最後に会ったとされる人物だという事が分かり、調査をして行くうちに、加賀の母親の名前が上がってくる。何故、加賀の母親が関係しているのか。

 

加賀の母親は、加賀が中学生の頃に家を出て行き、その後、行方が分からなかった。今から17年前に母親は亡くなり、働いていた飲み屋のママから連絡があり、加賀は母親の遺骨と遺品を貰いに行ったのだ。そんな母親が付き合っていた男性が越川だったらしい。母親の遺品からも越川の痕跡が出て来て、越川という男を調べ始める。

 

 

一方、演出家の浅居は、越川とのつながりは無いものの、押谷の件で疑われるが、彼女は死亡推定時刻に明治座から一切外に出ていないという事が証明されている。死んだ2人の関係は、そして事件の真相は・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、面白かったです。東野作品は映画化しやすいのかなぁ。とっても分かり易くて、ミステリーが深いので、観ていて楽しいんです。良く出来ていたなぁ。加賀が日本橋に勤めていた理由も、父親を看取らなかった理由も、今までの”新参者”で不思議に思えていたことが、全部、スッキリ、謎が解明されて、あー、そうだったんだねぇ、と落ち着いた気持ちになりました。

 

 

加賀の冒頓とした姿の中にあった悲しみも、こんな過去があったからだという事で理解が出来たし、彼が人の心を読む天才と言われるのも、そうやって人を観察して、知りたいことを探していたという事が分かるので、なんか、ちょっと感動でした。今までの加賀の行動が、全て、今回の謎に行きつくんです。うーん、考えさせられました。

 

演出家の浅居も、壮絶な過去を持つ女性であり、そんな彼女と加賀が繋がったのが、こういう経緯だったのかぁと、ここでも感動しました。いやぁ、ネタバレ出来ないから書けないけど、彼女の思いの全てが、ある人に向かっていたんだなという事が分かる部分でした。こんな過去を過ごしたなら、そりゃ、全てをかけて、自分が出来ることをしたいと思ったのだと思います。大切な人の事を思って、その人の思っていたことを知りたいと考えて行動したのかなと思いました。

 

 

この映画って、自分が大切に思う人の為なら、自分はどうなってもいいんだと言う考えで行動している人がキーになっているんです。それ程に強い愛を抱いていたからこそ、こんな事件が起きてしまったと思います。解りますよね、だって、愛する人が苦しんでいる姿を見るより、自分が我慢をした方が何倍も耐えられますもん。自分さえ我慢をすれば、愛する人が幸せになれると思ったら、何でも出来ちゃう。本当にそう思っていたのだと思います。とても理解出来ました。

 

 

そして、加賀の母親の真実も解って、こちらも感動でした。加賀は母親が出て行ったのは父親のせいだと、ずっと攻めていましたが、それも、真実が解り、心のこだわりの様なものも溶けたと思いました。もう、加賀の父親も亡くなってしまっているけど、これで安心して天国で眠ることが出来たのでしょうね。

 

最後に、少し文句ですが、映画の最初の方、字幕で解説が出るのですが、駆け足でどんどん事件の説明をしてしまっていて、ちょっと違和感がありました。普通、映画では、あの説明はしないでしょ。字幕ではなく、誰かに説明させるとか、説明を内容に組み込むと思うのですが、字幕でって、驚きました。まぁ、直ぐに慣れましたが、あれ、洋画とかで字幕映画に慣れていない人は、読み切れなかったんじゃないかな。結構、しっかり字幕で説明してましたから。ちょっと、どうかなと思いました。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。私は、長く観てきた”新参者”が、やっとスッキリ出来たという事で、大手を振ってお薦めしたいです。ただ一つ、最初の字幕での説明に違和感を感じましたが、内容が面白かったので、満足しています。これも初日に観たのですが、映画館は一杯でした。このシリーズは人気ですもんね。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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