「不能犯」猫好きな不能犯とはちょっと違うけど、雰囲気は宇相吹になっていた松坂さんでした。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「不能犯」を観てきました。

 

ストーリーは、

都会のど真ん中で連続変死事件が発生し、現場では必ず黒スーツの男が目撃されていた。その男・宇相吹正はSNSで「電話ボックスの男」と噂される人物で、とある電話ボックスに殺人の依頼を書いた紙を貼ると実行してくれるのだという。彼に狙われた者は確実に死亡するが、その死因は病死や自殺、事故など、いずれも殺人が立証できないものだった。警察はようやく宇相吹の身柄を確保して任意聴取を始める。宇相吹の能力にベテラン捜査官たちも翻弄される中、女性刑事・多田だけが彼にコントロールされないことが判明し・・・。

というお話です。

 

 

変死事件が続けて発生し、その現場には、いつも黒いスーツの男が目撃されている。世の中では「電話ボックスの男」という噂がまことしやかに流れており、電話ボックスに殺したい人間の名前と連絡先を貼っておくと、殺してくれると言う。その男こそ、黒いスーツの男・宇相吹正。

 

警察は、その人物を探し、任意同行で事情を聞くが、どの事件も死因は心臓発作などで、他殺ではあり得ない。殺したということが立証出来なければ逮捕は出来ないので、宇相吹を罪に問う事は出来ない。彼は、取り調べをした夜目刑事に不思議な暗示をかけて警察署を去って行った。

 

 

夜目刑事は、少し前、痴漢をしたという少年を捕まえて尋問したが、彼はやって無いと訴えて自殺をしてしまったという事件があった。夜目刑事は、少年が自殺したのは自分のせいだと思い、責任を感じていた。不安定な彼女に暗示をかけた宇相吹は、彼女を殺す事に成功。その殺人依頼は、ある警察内部の人物からの依頼だった。今回も他殺では無く、自殺というやり方で殺人を成功させた宇相吹。そんな彼を追い始める多田刑事。

 

多田刑事は宇相吹と対峙するが、彼女だけは宇相吹の暗示にかからないようで、そんな彼女に対して「僕を殺せるのはあなただけ。」と宇相吹は話す。そしてまたも新しい事件が起きていく。後は、映画を観て下さいね。

 

 

私、この原作漫画は全て読んでいるのですが、松坂さん、宇相吹っぽかったです。原作では、もう少し冷たくてキツい男なのですが、松坂さんも、可愛い雰囲気を消して宇相吹に似せていたので、良かったと思います。出来れば、猫を抱いていて欲しかったけどね。宇相吹は、超猫好きです。(笑)

 

多田刑事が女性に変わり、沢尻さんが演じていました。これはこれで、良かったと思います。沢尻さんも、男っぽいサバサバした雰囲気で演じていて良いかなと思いましたが、原作だと多田は新人刑事の男性で、もっとバカを絵に描いたような男なので、それよりもちょっと偉そうになっていたかな。でも、良かったと思います。この役は、最期まで正義を貫いてくれないと、宇相吹にやられてしまうので。自分を偽った時点で暗示が掛かるようになっちゃうんです。沢尻さんの多田は正義を貫いてくれそうに見えました。

 

 

原作だと1巻目に当る部分がほとんど描かれていたかな。映画ではテロ事件が起きるのですが、その事件だけは映画オリジナルだったかな。原作には無かったと思います。このオリジナル部分も、面白く出来ていたと思いますよ。でも、もう少し、テロ事件の犯人が、何にこだわりを持っていて、何がしたかったというのを強烈にアピールしてくれた方が、最期の方に盛り上がったかな。

 

 

この映画、面白いのですが、全体的に平坦で、盛り上がりに欠けるんです。原作が短編の集まりなので、それをそのままやってしまうと、1本の映画として、ここがクライマックスという感じが無くなってしまうのは当たり前なので、このテロ事件を入れてきたと思うのですが、イマイチ、盛り上がりに欠けるんです。もっと犯人との戦いがあって、宇相吹をそれに絡ませれば良かったんじゃないかな。だから、夫婦とご近所の事件とか、姉妹の事件とか、どちらかを削って、このテロ事件を大きくすれば、もっと面白かったと思います。

 

 

多田刑事を女にして、部下に百々瀬で、警察はペアで動くという形を取ったと思いますが、この百々瀬をもう少し上手く使った方が良かったんじゃないかな。勿体無いと思いました。真剣佑さんなら、もっとアクションとかをやらせて、精神面では多田刑事が宇相吹と対峙し、行動面では百々瀬をテロ犯と戦わせる形を取って、最期はテロ犯対宇相吹にしてくれたら盛り上がったっぽいんだけどなぁ。うーん、勿体無い。宇相吹はアクションをするような動くタイプではないので、それはテロ犯と百々瀬に任せて、それを操る感じで宇相吹、そして宇相吹を追う形で多田にして欲しかった。

 

 

全体的に平坦ではあったものの、不能犯の原作が好きな私からすると、結構、良かったという感想でした。私は、この映画、お薦めしたいと思います。超お薦めとは言えないけど、楽しめると思いますよ。でも、まぁ、ストーリー的には、平坦です。盛り上がりに欠けます。もっと宇相吹の可愛い部分も出して欲しかったなぁ。猫に餌をやっている姿とか、ベンチで寝ている姿とか、大家に怒られている姿とか、実は、宇相吹、日常は結構、普通の男です。

 

ニヤッと笑う恐ろしい宇相吹=松坂さんを楽しみにしてください。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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