「風の色」を観てきました。
ストーリーは、
東京で暮らす青年・涼は、亡くなった恋人ゆりとの思い出の品々を思いがけず手にしたことをきっかけに、マジシャンになることを決意する。ある日、自分と生き写しの人間がいることに気づいた涼は、生前のゆりの不思議な言葉に導かれるように北海道へ向かう。その旅の途中で、涼はゆりと瓜二つの女性・亜矢と出会う。亜矢もまた、2年前の事故で行方不明になった恋人で涼にそっくりな天才マジシャン・隆との再会を願っていた。
というお話です。
東京で暮らす青年・涼は、ゆりという女性と付き合っていたが、ある時から連絡が来なくなり、心配をしていると、彼女の叔母という女性から電話があり、ゆりが亡くなった事を知らされます。驚いた涼でしたが、なす術も無く、放心状態であるバーに入ると、そこはマジックバーでした。不思議なマジシャンのマジックに魅せられ、自分もマジックを始めてみようとし、働きながら、そのバーのマジック教室に通うようになります。
マジックに向いていたらしい涼は、どんどん上達していきます。ある日、マジシャンで自分に瓜二つの男性が居る事をしります。マスターに聞くと、村山隆というマジシャンは、箱抜けのマジックに失敗して亡くなったと言います。自分にそっくりの隆を観て、昔、ゆりがもう一人の自分が北の地で流氷を見ていると話したことを思い出します。何となく懐かしくなった涼は、北海道へ流氷を観に行こうと出かけると、そこでゆりにそっくりの女性・最上亜矢と出会います。
亜矢は、隆の恋人だったらしく、涼を隆と間違えたらしい。涼も、ゆりそっくりの亜矢に惹かれていく。距離が縮まり、恋人同士のようになる二人だが、亜矢は涼に隆を重ねているようで、涼はちょっと居心地が悪い。そして一夜を過ごした朝、亜矢の背中にゆりと同じ刺青が入っている事に気が付き・・・。後は、映画を観て下さいね。
うーん、私は、ちょっとダメでしたねぇ。恋人のドッペルゲンガーが現れてという雰囲気は面白そうなんですけど、どーも、展開が捏ねすぎていて、まして彼女が病気であるということで話を逃がしてしまっているというか、誤魔化しているように見えてしまって、ちょっと残念でした。
ツッコミどころも多いですよね。なんで東京に出てきてそっくりの人に出会うのかとか、あり得ないっしょって思っちゃった。それに、凄く酷い話だと思ったんです。だって、恋人が亡くなって、他の場所に引っ越して、前の彼に似た人が居たから、彼の代わりにすればいいやって感じでしょ。代わりにされた人の気持ちなんて何も考えていないじゃないですか。とんでねー女だなと思ったら、病気だと言って逃げるし、酷い話なんですよ。私が関係者だったら、絶対に許せないから別れさせるけどね。
マジシャンという職業に就かせる事で、スリ替えや消すことが簡単に出来るイメージを与えて、ストーリーとのリンクを図っているんだと思うのですが、それが嫌らしく感じられるというか、クドい気がしてしまい、観ていてスッキリしないんですよねぇ。何処まで行っても、ドロドロ程では無いけど、濁った水のような感じがしてしまって、気持ちよく観終われませんでした。
一人二役の古川さんは、良かったです。マジシャンという役として、表情を変えずに色々なマジックを行うのが上手いと思いました。彼、頭が小さくて、見栄えがしますよね。舞台「イニシュマン島のビリー」で彼が主演をしたのですが、その時は足が悪い役だったので、そんなに大きく見えず、こじんまりしたように見えたのですが、今回はマジシャンっぽく、スッとしていて、カッコ良く、魔王のようでした。その時々の役に合わせて、上手いですよねぇ。
ゆり&亜矢役の藤井さんですが、イマイチ、良く分かりませんでした。表情があまり顔に出ないし、頬がプックリしているからなのか、映る角度によって、凄く太って見えるんです。顎が無いみたいに見えてしまって、儚げで今にも壊れそうなゆりのイメージと、ちょっと違っていて、残念でした。
マスター役の竹中さん、好きだなぁ。やっぱり、何やっても面白いなぁ、この人。もっと観たい役者さんです。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなぁと思います。積極的には薦めませんが、観る方によっては、切ないラブストーリーなので気に入って貰えるかも知れませんし、古川くんの顔がキレイだからねぇ。それ目当てでも良いかも知れません。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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