「人生はシネマティック!」映画は実際の話を美しく描き替えるけど制作側の現実は美しいだけではない。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「人生はシネマティック!」を観てきました。

 

ストーリーは、

1940年のロンドンでカトリンはコピーライターの秘書として働いていた。人手不足のため、彼女が代わりに書いたコピーが情報省映画局の特別顧問バックリーの目に留まり、ダンケルクでドイツ軍の包囲から兵士を救出した姉妹の感動秘話を映画化する脚本チームに加わることとなった。戦争で疲弊した国民を勇気づけるための映画だったが、製作が開始され、ベテラン俳優のわがまま、政府と軍による検閲や横やりなどトラブルが続出。そのたびにカトリンたちの脚本は二転三転してしまう。なんとか撮影は大詰めを迎えるが、最後に最大級のトラブルが待ち受けていた。

というお話です。

 

 

第二次世界大戦中、ロンドンでコピーライターの手伝いをしていたカトリンは、たまたま、自分が書いたコピーが情報省の目に留まり、映画の脚本を作るのに協力して欲しいという話をされる。仕事を探していたカトリンに良いお給料を払ってくれると言うので、カトリンは直ぐにその話に飛びつき、情報省映画局に勤める事となる。

 

 

映画局のバックリーは、ダンケルクの救出作戦に参加した姉妹の感動秘話を映画化するので、取材をするようにとカトリンに指示をし、カトリンは姉妹の所に話を聞きに行きます。すると、伝わっている話とは違い、姉妹は船で向かったものの、途中で故障をしてしまい、他の船が助けてきた人々を分けて乗せて、他の船に引いて貰い戻ってきたと言うんです。感動秘話では無い事を知ったカトリンですが、映画ならフィクション部分があっても良いだろうということで、感動秘話に作り変え、バックリーと脚本を創り上げます。

 

 

撮影が開始されるが、政府や軍からの検閲、文句、そして俳優からの意見も多く、脚本は何度も書き直され、撮影も長引いてしまう。そんな中、カトリンの事実婚の夫は、彼女が撮影現場に詰めて家に帰らないのをイイことに、他の女性を家に連れ込んでしまう。その現場を見てしまったカトリンは・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、面白かったです。昨年の感動作「ダンケルク」をイギリスで見ていた人々のお話で、それをプロパガンダに利用しようとする政府と、映画としてマトモなモノを作りたいと思う製作者側との考え方の違いや、その努力などを上手く描いていると思いました。

 

 

ダンケルクは、確かに沢山の兵士をイギリスから助けに行ったのだと思うし、大々的な作戦だったのだと思いますが、そんなに良い話ばかりでは無かったと思うんですけどね。でも、政府が夢のような作戦だったと作り上げて行ったのでしょう。国民を盛り上げる為に上手く作ったのだと思います。実際は、とても残酷な現場だったんだろうなぁと思うと、ちょっと恐ろしいと思いました。

 

 

そんな悲惨な戦争の中にあって、必死で生きる女性・カトリンを描いています。この時代に、男性と対等に働き、言いたいことを言い、どんなに苦しい時でも、その仕事の手を休めないという彼女の姿勢は、今の私たちも見習わなければいけない事だよなぁと思いました。今でも、男性に意見をすると、黙っていろと言わんばかりの顔をする人も居るのに、この戦時中に、カッコいいなと思いました彼女はやり方が上手いんですよ。ただ、面と向かって文句を言うのではなく、柔らかく、何となく囁くように話すので、そんな彼女の言葉を、上の男性が取り上げるんです。こんな風に、良い部分を取り上げてくれる頭の良い上司がいれば、いつの時代も女性は活躍出来るのよね。

 

 

ハッキリ言って、そんなにハッピーエンドだよって感じの終わり方では無いのですが、でも、良かったなぁ。映画の仕事をしている最中も、イギリスには、空襲があり、沢山の犠牲者があったことも描かれています。昨日までは、元気に働いていた隣人が、突然、瓦礫の下敷きになっていたりという、悲しい現実もあって、そんな中でも、映画への情熱を捨てないカトリンとバックリーの姿は、素敵でした。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。あの「ダンケルク」を題材に、全く違う面から描いているところが、面白いと思いました。出来れば「ダンケルク」も観て、知っていると、楽しめると思います。もう、これ公開は終わっちゃっているのかな。ジャック&ベティという横浜の映画館で一般の公開より遅れて公開したので、もうすぐDVDが出るんじゃないかと思います。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

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