舞台「髑髏城の七人 月(上弦の月)」を観てきました。やっと4作目です。
ストーリーは、
時は戦国、天正十年六月。天下統一を目前にした織田信長が本能寺で命を落とした数日後、燃え盛る安土城の天守閣で、異形の南蛮鎧-「天魔の鎧」を手にする男がいた。
信長の野望を継がんとするその男は頬に不適な笑みを浮かべる。
「地を這う奸賊どもよ。髑髏城で待っている」
八年後、天正一八年。天下統一の夢は今や、豊臣秀吉が成し遂げようとしていた。残るは関東を制圧するのみ。しかしそこでは、黒づくめの甲冑に身を包んだ、関東髑髏党の鉄機兵たちが暴虐の限りを尽くしていた。
その地に、番傘を手にした一人の男が現れる。弱き者が流す地の雨や涙雨に、傘を差し出そうとするその男、名を「捨之介」。
この地に来たのは、関東髑髏党の野望の前に立ちはだかる為だ。
そして髑髏党を憎む男がもう一人。関東一の色里「無界の里」の主人、「無界屋蘭兵衛」。そこは鉄機兵の暴虐から人々を守るための救いの里だった。
二人の前に突然、関東髑髏党の党首が姿を見せる。その男こそ、あの「天魔の鎧」を手にした男、「天魔王」だった。
そして二人と志を同じくする者たちが「無界の里」に終結する。弱きを助け強きをくじく関八州荒武者隊の長「兵庫」。築城の名手、熊木衆の末裔「霧丸」。そして無界の里で一番の花魁「極楽太夫」。さらには諸国流浪のやせ牢人「狸穴二郎衛門」。彼らとともに「捨之介」と「蘭兵衛」は、打倒「天魔王」を誓った。
憑きの光をさえぎる黒雲が立ち込める関東平野。そこに漆黒の城、髑髏上が浮かび上がる。ある夜、何者かが密かにそこを訊ねた。「蘭兵衛」だ。そして「天魔王」は「蘭兵衛」を穏やかに迎えた。
総勢二十万の兵による、秀吉の関東征伐が今にも始まらんとする時、関東平野に再びあいまみえた三人の男たち。黒雲の向こうに見え隠れする、「天魔王」「蘭兵衛」「捨之介」の正体とは?
というお話です。毎度、パンフレットに書いてあるあらすじを写しているのですが、毎回、違うのよ。同じお話のハズなのに、やっぱり違うのよね。観ていても違うから、一応、書いています。
今回は、今までの髑髏上とは、結構、違っていました。まず、一番大きい違いは、天魔王の心の内部を良く描いていると言う事かな。だから、今までよりも天魔王の出番が多いです。そして、信長に愛されなかった悔しさが、彼から滲み出ている感じがしました。本当は”人(ジン)の男”である自分が一番愛されるはずだと思っていたのに、信長が愛したのは”蘭丸”だったのが許せなかったんでしょうね。可哀想でした。
そして沙霧が霧丸という男性になっていました。だから、最後の「捨之介」と手を合わせる部分が、どーもBL状態になっておりまして、オバサン、気になっちゃったなぁ。まぁ、イイんだけどね。あまりにも二人が美しいので、どーも、不思議な気持ちがしてしまって・・・。
他は、ほとんど同じなのですが、今回、兵庫の須賀くん、上手いですねぇ。驚くほど元気で、舞台を引っ張って行っているのが兵庫のような感じになっていました。というか、兵庫に凄く惹かれてしまうのよ。彼は、本当に上手く育ちましたね。これからも楽しみです。
舞台が初めての福士さん、上手かったです。驚きました。初めてだと、もっと声が出て無くて、聞き取りにくいかと思っていたのですが、声も良く出ていたし、聞き取りにくい部分はほどんどありませんでした。これで続けて行けば、完璧になると思います。もう少しと思ったのは殺陣かな。早乙女さんが上手過ぎるので、どうしても比べてしまい、流れるような殺陣を望んでしまいます。まだ、切って、切っての合間がちょっとダレますかね。あのダレが無くなれば美しいかも知れません。これからですね。
三浦さんの蘭兵衛、美しかったですが、こちらも殺陣が問題かな。福士さんと同じです。三浦さん、声はとても良いんですね。柔らかくて透る声が蘭兵衛らしくて良かったです。もっと舞台に出て下さると嬉しいなぁ。彼の声は、イプセンの作品とかチェーホフの作品とかに合いそうです。
他の方々は、もう言わずもがなでしょ。早乙女さん、高田さん、渡辺さん、粟根さんが後ろをしっかり支えて下さっていたので、舞台慣れしていない役者の方々も安定出来ていたのだと思います。髑髏城は何度もやってらっしゃいますもんね。あー、でも高田さんの贋鉄斎役が好きだったなぁ。今回は太夫役だけどねぇ。(笑)
実は、今回、舞台の1列目正面でした。でもね、このステージアラウンドだと、1列目じゃない方が良いかなと思いました。ステージが少し丸くなっているから、左右の端が見えにくいのよ。それにね、回る時の揺れを凄く感じるの。だって一番外周だから。酔うんですよ。前回に観た後ろブロックの最前列くらいが一番良いのかも知れません。客席の真ん中ら辺ですね。そうすると、回る揺れもほとんど感じないし、舞台も全体が見えると思います。
でも、一番前で、目の前に福士さんと三浦さんと早乙女さんと須賀くんが動いてくれるので、もう、嬉しくて涙ぐんでしまいました。うんうん、一度はこれくらい近くで観るのも良いよね。でも、舞台としては、もっと後ろで観たいなと思いました。
私は、この舞台、お薦めしたいと思います。今回も楽しめました。もう髑髏城を観るのも5舞台目なのですが、毎回、どこかしら違っているので、本当に何度観ても楽しめます。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
公演時間です。
P.S : そろそろ最後の髑髏城”修羅天魔”の予告が出始めています。私も、既にチケットは取りました。最後の髑髏は、天海さんと古田さんです。お楽しみに。
髑髏城の七人 月 http://www.tbs.co.jp/stagearound/tsukidokuro/
修羅天魔 http://www.tbs.co.jp/stagearound/shuratenma/