「ポンチョに夜明けの風はらませて」を観てきました。
ストーリーは、
男子高校生の又八、ジン、ジャンボの3人組は、将来に希望を持てないまま平凡な日々を過ごす一方で、「変わりたい」という漠然とした願望を抱えていた。仲間の中田と企てた卒業式乗っ取りライブを目前にしたある日、3人はジャンボの父親の車に乗って高校最後の旅に出る。一癖も二癖もある人々との出会いを通して少しずつ成長しながら、何かに導かれるようにそれぞれの生き方を発見していく3人だったが・・・。
というお話です。
高校生の又八、ジン、ジャンボの3人は、とても仲が良い幼馴染ですが、将来に希望も無く暮らしています。もうすぐ卒業式なので、式を乗っ取って、ライブでもやってやろうと相談をしているのですが、口だけで練習もせず、ヤル気もありません。そんな中、ジンは大学受験の合格発表からの帰り、又八とジャンボが車で校門の前で待っていました。又八とジャンボは、一流大学にジンが入れば官僚になってお金にも女にも困らないと大喜びですが、ジンが一言、”オレ、落ちた”と言い、言葉も出なくなります。
ボンヤリと自宅へ帰る途中、コンビニで不良に絡まれている女性を見つけ、助けようか相談をしていると、突然、女がこちらの車に乗り込み、車を出せと脅します。仕方なく車を出すと、不良が追ってきて、車をボッコボコにしてしまいます。気が付くと、見知らぬ川沿いに車ごと放置され、女は大喜びしています。
拾った女性は、グラビアアイドルをしているらしいのですが、音楽がやりたくて芸能界に入ったのにやらせて貰えないからとマネージャーに反撃に出たようでした。騒ぎながら3人の男と一人の女で楽しみ、町まで辿り着き、もう一人、風俗の女を拾って、男女も関係無く、青春を楽しみ、河原で野宿をし、騒ぎまわります。
そして、朝、ボロボロの車を置いて、女二人が消え、3人は、家路に着きます。その頃、卒業式では・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、私、これ、ほとんどネタバレしていて、ラストまで解説してありますが、この映画、言葉で伝えるような映画じゃないんですよ。若い頃って、何をやったら良いのか分からないし、何が出来るのかも分からない。何が面白いのかも知らないので、ただ、目の前にあるものをぶち壊したいと思ってもがくと言う事ってあると思うんです。それを、映像として描いているような映画でした。
何が面白いって事も無いのですが、あー、若い頃ってこんな風だったなぁと懐かしく観れる映画でした。今になって思うと、こんな高校生たち、邪魔だし、五月蠅いし、本当にバカだなと思うし、何も解ってないと思ってしまうのですが、その頃の自分だって、知識が無かったから、こんなバカな奴らと一緒だったんですよね。若い頃に、今、思っているような事に気が付いていれば、もっと良い人生が送れただろうと思うし、無駄な回り道もせず、一番、自分がやりたい事を見つけて突っ走れたと思うのですが、若い頃は気が付かないんですよねぇ。
もちろん、きっと、親とか教師とか先輩は、良いアドバイスをくれていたのだと思うのですが、その頃は、”はぁ?うるせぇんだよ。”としか思わず、ヘラヘラ遊んでいたのだから仕方がない。何で、あんな下らない事が面白かったんだろうと思っちゃうけど、面白かったんだろうなぁ。
そんなバカな姿が目一杯描かれていて、観ながら、懐かしさと、自分のアホさ加減と、年を取った事を実感させられました。本当に若い頃に戻れたらと思いました。今の心のまま、あの時代の年代に戻れたら、もっと先を考えながら行動するんだけどなぁ。
演じている俳優さんたちは、若手の上手い方ばかりです。太賀さん、中村蒼さん、矢本悠馬さん、佐津川愛美さんと、これから絶対に観たい俳優さんたちばかりです。
この映画、お薦めしたいと思います。でも、好き嫌いがあるかな。青春真っ只中の群像劇で、お腹から笑えるだけの映画という訳では無いので、単館系の映画が好きな方には観て楽しんでいただけるかなと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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ポンチョに夜明けの風はらませて (祥伝社文庫)
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