「花筐(ハナガタミ)」を観てきました。
ストーリーは、
1941年、春。佐賀県唐津市の叔母のもとに身を寄せている17歳の俊彦は、アポロ神のような鵜飼、虚無僧のような吉良、お調子者の阿蘇ら個性豊かな学友たちと共に「勇気を試す冒険」に興じる日々を送っていた。肺病を患う従妹・美那に思いを寄せる俊彦だったが、その一方で女友達のあきねや千歳と青春を謳歌している。そんな彼らの日常は、いつしか恐ろしい戦争の渦に飲み込まれていき・・・。
というお話です。
1941年、春。17歳の俊彦は、佐賀県唐津市の叔母の家の離れに住んでいた。アムステルダムに住む両親の元を離れ、日本に戻ってきたのだ。高校に通ってはいるが、既に戦争の気配は学校にも蔓延しており、暗い影を落としていた。クラスメイトの鵜飼は健康な身体を持て余すほどに行動的で、吉良は文学的な事を小難しく唱えては無口になって周りを見つめていた。いつも咳をしている阿蘇はイイ奴だがあまり物事を考えていないようだ。そんな仲間と青春を謳歌していた。
ある日、肺病を患う従弟の美那を励ますべく、俊彦の友達たちが集まり、ごっこ遊びをするようになる。そんな彼らを見て、叔母は明るくしようとパーティーでも開きましょうと提案する。美味しい食事を食べたり、ダンスをしたり、楽しい時間を過ごすのだが、美那の肺病は末期を向かえており、戦争が直ぐそこまで迫って来ていた。
鵜飼は、健康な身体で欲しいモノを全て手に入れようとするが、戦争の影からは逃れられない。吉良は足が悪く、赤紙が来ることは無いが、その不自由な自分に苛立ちを覚え、鵜飼を目の敵にしていた。そして、彼らの命は戦争の渦に飲み込まれてゆく。後は、映画を観て下さいね。
うーん、私、こういう戦争映画、本当に苦手で、青春群像劇と言われても、そんなにピンと来なくて、難しくて、良く読み解けないんです。確かに、戦争が迫っている時代に、青春を謳歌するべき17歳くらいの少年少女が、息苦しくなる社会の中で、自分のやりたい事を押し殺さなければならず、今にも爆発しそうになるという姿は理解出来ます。そんな時代で無ければ、未来を夢見て、何をやりたい、こんな仕事をしたい、こんな女性と出会いたい、沢山の希望が満ち溢れていたのだと思います。そんな夢や希望を打ち砕かれて行く彼らの姿は、とても苦しく、哀しく見えました。
素直に内容だけ観れば良いのですが、高校生役をオッサンたちが演じていたり、ちょっと違和感を感じてしまって、いけないと思いながらも、笑ってしまったんです。だって、吉良役を長塚さんで、叔母役を常盤さんですよ。夫婦で、若い常盤さんが随分年上の叔母役って、どうしても現実を知っていると笑ってしまって・・・。ゴメンナサイ。
でも、この戦時中って、学生はこんな感じだったんでしょうね。すっとぼけていて、笑っちゃうんですけど、そういう時代だから。あ、でも、建物は素晴らしいものでした。ステンドグラスの室内ドアとか、良く出来ていたなぁ。美術が素晴らしいと思いました。
出演されている役者さんは、ほとんどがトップクラスの方ばかりだし、若い役者さんも、上手い方に引っ張られて、良かったと思います。やっぱり長塚さんも常盤さんも上手いなぁ。満島さん、窪塚さん、柄本さん、も若手ながら目を引く方ばかりだし。本当に良かったです。
そうそう”唐津くんち”というのを、この映画で、初めて見ました。金魚の山車とかあるんですね。面白かったです。一度、行って、見てみたいなぁと思いました。(私、金魚かと思っていたら、鯛だったそうです。教えて下さった方、本当にありがとうございます。やっぱり、本物を見てみたいです。)
私は、この映画、お薦めしたいと思います。私は、この映画の言いたい事が、全て解かった訳ではありませんが、何となく自分の解釈をして、満足いたしました。きっと、文学作品などに慣れている方は、もっとこの映画が理解出来るのかなと思います。私には、ちょっと難しくて、良い感想が書けていませんが、ごめんなさい。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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