「羊の木」の完成披露試写会に行ってきました。Ameba Meisterのサイトで当選いたしまして、行かせて頂きました。
ストーリーは、
寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。
というお話です。
過疎化の進む港町・魚深に6人の男女が移住してくる。上司からその6人を迎えに行き、住む場所に案内し、仕事を紹介するように言われた市の職員・月末。どんな素性の人達なのか尋ねると、全員が刑務所から出て来たと言う。6人の受け入れは、国家の極秘プロジェクトだと言われ、彼らは刑務所から出れる代わりに10年間、この町で生活をする事と決められているらしい。そして彼らの素性を知るのは、市長と上司、そして月末だけなのだと知る。
そんな彼らの世話係を言いつけられた月末は、彼らをそれぞれの家と職場に案内し、彼らを見守る事になる。何も知らなければ、普通に生活出来たのだが、殺人の前科があると知ってしまうと、どうしても信用して良いのか悩んでしまう。
6人と時期を同じくして、月末の同級生の文も東京から帰ってきて、久しぶりにバンドの練習をやろうという話になる。ギターの練習をする文と月末の前に、6人に一人・宮越が現れ、自分もギターをやってみたいと言い、練習に来るようになる。宮越と文との距離が縮まって行き、月末は文に片思いをしていた為、嫉妬を覚えるようになる。
そんな日々の中、魚深の名物である奇祭「のろろ祭り」が始まろうとしていた。その町の名物である”のろろ”様の像は、あまり見てはいけないと言われていて、祭りの時のみ、人の前に現れると言われているようだ。新しく移住してきた6人も祭りに参加し、その祭りの記事が新聞に載るのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白かったです。凄く考えさせられる深い映画でした。最初に、刑務所から出て来た6人を受け容れ、世話を任された月末の戸惑った顔で判ると思うのですが、やっぱり刑務所から出て来た人が同じ町内に住むと言う事を、知らなければ良いけど、知ってしまうと凄く不安になりますよね。そりゃ、それぞれに色々な理由があるとは思うけど、でも、誰もが不安にはなると思います。そんな人間の心理が、とても良く描かれているんです。
町の人々は刑務所帰りとは知らないけど、月末は知っていて、一人、不安な顔をしていて、それから、段々と、それぞれの個人が関わっていき、色々知って行くと、見方が変わって行くんです。関わって行けば行くほど、不安が解消され、信じられると感じる人も居れば、関われば関わるほど、不安が湧いてきて怖くなって行く人も居る。それは、刑務所帰りだろうが何だろうが、一緒ですよね。
一度、道を踏み外してしまったら、その後、信じて貰うのはとても大変だと思います。オオカミ少年のお話と一緒で、信じて貰えなくなるのは当たり前なんだけど、でも、それを必死で回復する努力をすれば、信用は勝ち取れるんですよ。そんな彼らを受け容れる方は、最初は不安なんです。でもね、触れ合っていれば、この人は信用に値する人なんだって、感じて行くと思うんです。
そんな不安な町で殺人事件が起きるんですけど、そりゃ、6人の誰かじゃないかって疑いますよね。だって、それまでは殺人事件なんて無かったんですから。でも、起こったって言う事は、新しく来た人なんじゃないかって疑ってしまうのは当たり前。まして、受刑者たちなんですから。疑いながらも、それを表だって言えない月末の葛藤が、何とも上手いと思いました。
錦戸さんが月末を演じているのですが、情けなさそうな市の職員を上手く演じていたと思います。そして、謎の6人は、とっても濃いキャストで、誰もが疑わしくて面白かったですよ。一癖も二癖もあるような役者ばかりが集まっていて、本当に良かったです。吉田監督、やっぱりこういう心理劇、上手いですね。誰もが凄く疑わしいんですもん。本当に最後の最後まで解らなくて、楽しめました。
でもね、やっぱり一言。錦戸さん上手かったけど、彼のせいで、凄い深い心理劇の映画なのに、映画を観ている最中、ファンの子がずーっと”キャー!”とか”カワイイ!”とか叫んでいるんですよ。こういう子がいるから、映画にジャニーズに出て欲しくないんです。せっかく、役者として、これから良くなって行くのではないかと思っても、こういう子と一緒に映画を観させられたら、本当にゲンナリします。本当に、ジャニーズの子には映画に出て欲しくないと思ってしまいます。錦戸くんも勿体無いよね。こういうファンのせいで、周りに良く思われないんだから。
”羊の木”それは、西洋に伝わる伝説の木であり、昔は綿花は、羊の生る木から取られていると思われていて、無垢な人が信じる事を言うらしいんです。何も知らないからこそ良くて、知ってしまうと夢は壊れてしまう。でも、もしかしたら信じる事こそが、相手を正しい道に戻す事に繋がるのかも知れません。
山上たつひこ先生といがらしみきお先生と言うと、どうしても”がきデカ”と”ぼのぼの”しか思い浮かばず、不思議な感じがしました。
私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。とても面白くて、考えさせられる、良い映画だと思いました。サスペンス要素も強く出ていて、ハラハラドキドキして観ていました。でも、一つ文句を言うと、主演がジャニーズの錦戸さんだと言う事です。彼のせいで、もしかしたら、映画館の中が五月蠅いかも知れません。そんな場合は、個々に文句を言うか、映画館の人に言って貰うか、又は、事務所の方に文句を言ってください。ファンの奇声を止める事も出来ないようなら、映画に出るべきではありません。とても迷惑です。でも映画は良かったので、ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
それからもう一つ、完成披露試写会、酷かったです。五月蠅いのはもちろんでしたが、試写状が25万円などで取引をされていた様ですし、会場に前日から並んでいたという話もあり、開場ギリギリになって指定席に引換となりました。アメブロさんが宅急便で送ってくださり、その試写状と当選者宛ての手紙を持って行ったのですが、封筒を持って来いと言われ、宅急便の送り状などは持っていない為、その旨と案内書類を見せたのですが、次回は持ってきてと言われ、とても気分が悪かったです。
それは、主催者側が住所を解るようにと最初に言っておくべきでしょ。何の指示も無いのに、行ってみたら訳の解らない事を言われ、迷惑でした。そんな酷い状態になったのは、主催者側が最初にキチンとした対応をしていなかったからだと思うのですが、違いますか?当選者が解るように、最初から対応をすべきなんです。それを怠ったことを客のせいにするのは間違っているでしょ。私が上司なら、ジャニーズ対応を甘く見ていた担当を次回は外しますが。それに無料の試写状が高額で取引されるなんて、もうそろそろ対応を考えたらどうですか。古物商の免許を持っていなければいくら以上は取引は出来ないと決めたら良いんです。こんなものを売って儲けるような”下衆”な事が出来ないようにして欲しい。そろそろ真剣に考えるべきでは無いですか?
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