「ビジランテ」を観てきました。
ストーリーは、
高校時代に行方をくらました長男の一郎、市議会議員を務める次男の二郎、デリヘルの雇われ店長をしている三男の三郎。三兄弟はまったく世界の異なるそれぞれの道を生きてきた。兄弟の父親が亡くなり、失踪していた一郎が30年ぶりに突然帰ってきたことにより、三兄弟の運命が交じり合い、欲望や野心、プライドがぶつかり合う中で、三兄弟を取り巻く事態は凄惨な方向へと動いていく。
というお話です。
ある田舎町で、寒い中、河を渡る3人の少年を男性が追っている。3人は兄弟であり、追っているのは父親。子供たちに暴力を振るう父親に、息子がキレて、ナイフで刺したらしい。結局、捕まってしまうが、ナイフはある場所に隠し、3人の内、誰が刺したのかは解らない。そして長男は耐えきれずに、その日の内に家を出て行ってしまう。長男の一郎は高校生だった。残ったのは、二郎と三郎。
時は経ち、二郎は父親の後を継ぎ、市会議員となっていた。父親が突然に亡くなり、葬式には町の有力者が集まってくる。二郎は三郎にも連絡し、顔を出すように言うのだが、三郎はデリヘルの雇われ店長であり、家に帰りたくない様子だった。
町では、ショッピングモールの計画が進んでおり、3人の兄弟が相続する土地も計画に入っているとの事で、市議会のドンが二郎に、土地だけは二郎が相続するようにして、ショッピングモールの計画に問題が起こらないようにするよう、言い含められていた。そんな時、突然、長男の一郎が町に戻ってきて、公正証書を取り出し、ショッピングモールにかかる土地は自分が相続する権利があると主張する。公正証書は正式なモノであり、手出しが出来ない。
二郎は市議会のドンに役に立たないと言われ、良い役職からもハズされる危機に陥ってしまう。ショッピングモール計画を進める議会のドンたちは、裏の力を使い、一郎に権利を放棄するように、色々な方面から圧力をかけ始め、三郎も巻き込まれてしまい、店の女の子たちを人質に取られてしまう。そして一郎は、借金をしている横浜のやくざが追ってきて、ボロボロにされてしまう。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
ビジランテの意味は、自警団だそうで、この町を守る為の自警団は、本当は誰なのかという事を言っているのかなと思いました。
まず、町で自警団というのを作っていて、夜の見回りをしたりして、夜に騒いでいる中国人たちに注意をしたりしているのですが、確かに、それも町を守る為だけど、でも、守る為だと言って、中国人を、ただ排除すれば良いというのもどこか間違っているように思えました。
議員の偉い人達は、町の為にショッピングモールを作ると言っているけど、全部自分たちの為でしょ。これも町を守る事にならない。そしてモールをただ反対している人達だって、このまま町が過疎化してしまうのを止められない。
一郎は故郷に戻ってきて、祖父が必死で手に入れた土地を手放してはいけないと言って、それを守る為に戦うのですが、結局は、全然、家の為になっていない。三郎は、自分の仲間を守る為に一郎に権利を手放せと言うけれど、それも結局は誰の為にもなっていない。
二郎は、自分の家族を守る為に、自分の市議会議員という地位を手放したくないけれど、一郎も三郎も協力してくれず、結局、このままダメになるかと思ったら、そこで救世主がっ!そう、やっぱり女は強いですね。この映画の中で、唯一、全てを守る為に力を使い、手に入れて行くのは女なんですよ。男は、どいつもこいつもダメダメで、やっぱり守ると言ったら、女なんですよねぇ。そういうもんですよ。
ハッキリ言って、女は自分を護る為、家族を護る為なら、何でも出来るんです。護ると決めたら、決して揺るぎません。それがどんなに悪い事でも、誰かを傷つける事でも、目的の為には手段を選ばない、それが女なんです。気を付けて下さいね。表向きは男が守っているように見えていても、全てを包んでいるのは女なんです。敵にならないようにしてくださいね。
とにかく、後味が悪い映画ですが、これ、面白いと思いました。残酷だし、あまりにも現実に近いので、ちょっと怖いですが、でも、面白いです。私は、とても好きな映画です。でもね、あまり一般の方々には、どうかなぁ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。特に、単館系のハードな映画が好きな方には良いと思いますが、あまり女性向けとは言えないかな。男の無様な姿が見れるのと、女のドロドロした部分が見えるので、後味が悪いです。ハッピーにはなれません。でもね、映画としては、凄く面白いんですよ。賛否が分かれる映画だと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S : ”ビジランテ”というのが、どうしても”ビオランテ”に見えてしまい、「ゴジラvsビオランテ」が観たくなってしまいました。最初、この映画、怪獣映画かと思っちゃった。(笑)
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