舞台「すべての四月のために」を観てきました。
ストーリーは、
一九四四年、春。
朝鮮半島の南西岸にある港町、木浦。
そこから小舟に乗って数時間行ったところに、ぽつんと浮かぶ小さな島。その島にある、たった1軒の理髪店。営むのは、安田洪吉と英順の夫婦。そして夫婦には四人の娘がいる。
脚が不自由な長女の冬子は店を手伝い、次女の秋子は教師として学校に勤めている。三女の夏子は人気歌手になることを夢見て活動し、四女の春子は教師を目指していたものの、今は定職につかずぶらぶらしている。
そしてこの日、安田理髪店では冬子の幼馴染萬石と秋子の結婚式が行われていた。萬石には冬子の足を追ったという負目があり、式当日だというのに秋子の胸中は穏やかではない。それでも宴は進み、二人を祝う為に集まった、夏子の元亭主で付き人の春根、憲兵の大雲たちは酒を酌み交わし、一家と共に盛り上がっていた。
だが、そこに突然、隻脚の将校・篠田と二等兵の高田が現れる。そして一家は、今日から安田理髪店が軍の管轄下に置かれる事を告げられる。軍管轄化となってもこれまでと変わらず、明るく生きぬこうとする一家。だが、そんな彼らにも時代のうねりが容赦なく、押し寄せようとしていた。
というお話です。
内容は、戦時下の朝鮮半島で、４人の娘がどうやって生きたのかというものです。話は、面白楽しく暮らしているように見えて、いつも戦争の影がチラつき、暗い影を落としているんです。そんな中で、４人姉妹の次女・秋子が結婚するのですが、その相手が、長女・冬子が好きなんだけど、長女と結婚出来ないから次女と結婚するんです。不思議でしょ。
冬子は足が悪いんだけど、子供の頃、木から落ちて足を折ったみたいで、萬石（次女の夫）は、その時に助けてあげられなかったことを悔やんでいるんです。幼馴染だし、長女に何度も結婚を申し込んだんだけど断られて、自分を好きでいてくれた次女の秋子と結婚する事になります。秋子は、萬石が冬子が好きな事を知っていて、いつも不安と嫉妬を胸に持っていて、ドロドロしているんですよ。
そこへ、日本の将校・篠田が現れて、段々と冬子と惹かれあい、秋子は、篠田に付いて来る憲兵と浮気をしてしまう。冬子は良いとしても、秋子はダメでしょ。うーん・・・。
夏子は、歌が上手くて、日本軍の基地で歌手として歌っていて、春子は、職も無くふらふらしています。嫌だなぁと思ったのが、春子が、ある理由で悪い事をして憲兵に追われて銃で撃たれるのですが、この後、母親の英順がとても韓国人らしい動きをするんです。これ、日本人はやらないと思うんですよね。自分の娘が、人が犠牲になるような事件に加担していて、結局、警察に撃たれちゃうんだけど、警察（この時代は憲兵）に対して、半狂乱で叫びながら殺してやると言うんです。悲しいのは解るけど、貴方の娘が人の命を奪ったんだから、詫びるのが先じゃないの？警察に詫びろとは言わないけど、犠牲者がいるんだよ。
自分の娘が可愛いのは誰しも同じだけど、だからって人の子を殺して良いという理由にはならない。良く、ニュースでも韓国人の人が大騒ぎして叫んで泣いている場面があるけど、みっともないと思わないのかなといつも思っています。わざわざ人にその姿を見せるのが韓国の文化のようだけど、日本人から見ると不愉快極まりないんです。慎み深く、悲しみは人に見せず、耐える事が美しいとする日本人が、私は好きです。なので、この部分は、下品だなぁとちょっと思いました。
もう一つ、内容とは関係無いのですが、鄭さんの演出で、御自分でも書かれていたのですが、笑いを３回かぶせるんです。吉本出身だからどうしても３回とおっしゃっているのですが、私、この３回、ダメでした。ウザく感じちゃいました。毎回、３回やられるので、もう、ヤメテよぉ～って思っちゃった。ゴメンナサイ。
それぞれの俳優さんですが、森田さんは、もう、慣れたもので上手いですね。他の方も良いのですが、申し訳ないけど、臼田あさ美さん、あまり舞台慣れしていないのかな。棒読みに聞こえてしまって、私はダメでした。映画などでは、とても良い演技をされる女優さんなのに、舞台では、必死で大声を出しているようで、感情がこもって無いように見えてしまうんです。残念でした。小柳友さん、マジで上手くなりましたねぇ。良かったです。
私は、この舞台、お薦めしても良いかな。私には、ちょっと不満もありましたが、楽しく観れたし、戦時下の朝鮮はこんな感じだったのかという事も知ることが出来たので、良かったと思います。でも、森田さんは、やっぱり「鉈切り丸」が一番良かったなぁ。あれがまた観たいです。
この舞台、もし、チケットが取れるようなら、ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「すべての四月のために」
http://www.parco-play.com/web/program/subeteno/
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鉈切り丸
5,500円
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