「密偵」日本統治下の朝鮮では、日本に付いても朝鮮に付いても良い思いは出来なかったんだろうなぁ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「密偵」を観てきました。

 

ストーリーは、

日本が統治する1920年代の朝鮮半島。武装独立運動団体「義烈団」監視の特命を受けた元朝鮮人の日本警察イ・ジョンチュルは、義烈団のリーダーであるキム・ウジンに接近する。誰が密偵かもわからないほど、さまざまな情報が錯綜する中、義烈団は日本統治下の主要施設を破壊する目的で京城に爆弾を持ち込む計画を秘密裏に進めていた。義烈団と日本警察のかく乱作戦が展開し、義烈団を追う日本警察は上海へと向かう。そして、計画通りに爆弾を積んだ列車が京城を目指して走り出していた。

というお話です。

 

 

日清戦争により、1895年に下関条約が交わされ清国から独立国となった朝鮮は、日本指導の下、統制を進め、1910年に日韓併合となり、日本統治下となる。

 

日本統治下の1920年代、日本統治を良しと思わない武装独立運動団体「義烈団」の活動が激しくなり、イ・ジョンチュルは監視の特命を受ける。ジョンチュルは元朝鮮人であったが、日本警察に雇われ、朝鮮総督府警務局部長ヒガシに気に入られて、重要な任務を任されることが多かった。

 

 

「義烈団」が京城にある日本施設を爆破する為の爆弾を持ち込む計画を立てている情報が入り、上海から京城入りした義烈団のリーダーであるキム・ウジンにジョンチュルは近づき、探り始める。お互いに相手の正体を知りながら、何も無いように振る舞い、お互いに探り合う。キム・ウジンは、義烈団の団長チョン・チェサンからの依頼で朝鮮人のジョンチュルをこちら側に引き入れようと計画をしていたのだ。

 

 

しかし、二人とは別に、義烈団に入り込んでいるスパイから情報が洩れて、キム・ウジンは上海に移動する事となる。ジョンチュルも上海へ移動し、爆弾を京城へ持ち込むのを阻止しようとするのだが、義烈団側に入ったスパイの情報と、警察内部の小競り合いによる情報隠蔽が交錯し、ジョンチュルは、自分がヒガシ部長に上手く使われているだけで信用されている訳では無い事を知り、義烈団への協力をしてしまう。

 

一度だけの協力だとしていたジョンチュルだったが、あまりにも酷い警察のやり方と、キム・ウジンの思いの強さを知り、彼を突き放す事が出来なくなるのだが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、面白かったですよ。1転2転と、何度も罠が逆転して行くので、面白いんです。日本が悪者にされていて、気分が悪くなるかと思ったけど、そんな事無かったです。めちゃくちゃな描き方をされている訳では無く、それぞれの立場での動きをしているので、確かに、朝鮮人側から見ると悪者に見えるけど、統治する日本側としたら、こうなるだろうなぁと思えるように描かれていて、悪者だけど悪人では無いと思えました。

 

 

ソン・ガンホさん演じるジョンチュルは、朝鮮人だけど日本警察に勤めていて、良い働きをしているので、結構、良い地位にいるようでした。でも、やっぱり朝鮮人と言う事で、日本人の多い現場ではあまり良く思われない様で苦労をしているようでした。その上、同胞を捕まえる事となるので、朝鮮人からも罵倒されることがあり、精神的にはとても辛い立場だったのではないかと思われます。

 

 

そんな中でも、日本人のヒガシ部長に信頼されているということが彼の心の支えだったと思うのですが、それが見せかけだった事が解ってしまい、やりきれなくなったと思います。そりゃ、裏切りたくもなるだろうと思いました。まぁ、でも、お互いの立場を思えば、仕方のない事なんでしょうけどね。だって、こんな動乱の時代に、誰も信頼なんて出来ないでしょ。いつ足元をすくわれるか分からないんですから。

 

そんな時代の中で、雇用関係とか、同胞とか、そんな事は関係無く、彼らを友人として助ける事を、ジョンチュルは選んだのかなと思いました。相手を信頼し、損得など関係無く、ただ助けたいという思いを貫いたように見えました。

 

 

私は、この作品、超!お薦めしたいと思います。ちょっと日本人は辛いけど、でも、良い映画です。ソン・ガンホさん、やっぱり上手いですね。他にも、コン・ユさん、イ・ビョンホンさん、そして、日本人として鶴見辰吾さんが出演していらして、マジで上手いです。鶴見さん、本当に適役でした。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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