第30回東京国際映画祭の20作目、「ナポリ、輝くの陰で」を観てきました。
ストーリーは、
治安の悪さで揺れるナポリ。ぬいぐるみの露天商で家族を養う男は、娘の歌の才能に希望を見出し、歌手として売り出そうと懸命になるが。
というお話です。
ナポリで、ぬいぐるみの露天商を家族で営んでいるロザリオ一家。何人かの子供の中で、娘のシャロンが容姿も良く、歌がとてもうまいので、娘の才能を開花すべく、歌の訓練をさせ始める。そして、良い歌を人から買い、娘に歌わせて、レコーディングをして、売り出そうと行動し始める。
レコーディングに連れて行くのだが、あまり声の調子が良く無く、喉の調子を良くしてから、再度来るように言われ、仕方なく連れ帰り、シャロンにこうしろああしろと、約束をするのだが、まだ子供のシャロンは、父親の言う通りなんてやりたくない。
シャロンは、普通の女の子の様に、学校へ行き、友達と遊びたいと思っており、友達を呼んでボールで遊んでいると、父親に怒られ、友達も追い返されてしまう。父親の要求はエスカレートして、露天商の仕事とは別の場所に部屋を借り、父親と娘で、歌のレッスンをして、身体の調子を整え、規則的な生活をさせようとする。
しかし、母親とも話され、父親に無理な規則を作られて、遊ぶ暇もなく、何も楽しい事が無くなってしまったシャロンは・・・。後は、映画を観て下さいね。
典型的なステージパパのお話です。日本の子役の父親や母親って、本当にこんな感じだと思いますよ。いや、日本は、もっと酷いかも。だけど、日本だと、もっと小さい頃から教育されちゃうから、親に反発する事も無いんだと思うんです。だって、そういう生活が無理矢理インプリンティングされちゃっている訳だから、外で友達と遊びたいとか、友達を作りたいとか、そんな事、感じないんじゃないのかな。TV局とかで、大人に混じって仕事をする事が、彼らにとっての毎日になってしまっているから、このシャロンのようにはならないのだと思います。
シャロンは、突然、父親に色々な教育をされて、歌を歌わされ、ステージでコメントを話し、外に出れなくなって行くのですから、そりゃ、不満が溜まりますよね。もう、いつ爆発するんだろうと思っていましたよ。そりゃ、観ていて、可哀想でしたよ。
このシャロンと父親は、本当の親子だそうです。親子で娘が歌の上手い子を探して、見つけた人に演じて貰ったそうです。シャロンは、凄くかわいい子でした。歌も上手かったです。ま、実際に歌を歌っている子だから、上手いのは当たり前ですね。
お父さん、ウザかったわぁ。こんなんが父親だったら、そりゃ、ウザって、反発もしたくなるわよね。顔もデカいし、なんか、ブツブツしているし、私、娘だったら、やだやだやだって、大騒ぎしちゃうかも。不思議だったのが、母親が全くシャロンを助けてくれようとしないのよ。シャロンが稼いでくれれば、生活が良くなると思ったのかも知れないけど、でも、娘が嫌がっているなら、助けてやるのが母親ってもんじゃないの?酷いなぁと思っちゃった。
私は、この映画、まぁ、お薦めしても良いかなと思います。凄く面白いという映画では無いんだけど、ステージパパ(ママ)が、どの国でも、こんな風になっちゃうんだなっていうのが、良く描かれていて、皆さん、気を付けようねって感じの警告に見えました。子供の嫌がる事を親がやったらダメでしょ。良く考えて欲しいと思いました。もし、観る機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ナポリ、輝きの影で」
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=3