第30回東京国際映画祭の18作目、「スパーリング・パートナー」を観てきました。
ストーリーは、
とうに盛りを過ぎたドサ廻りの2流プロボクサーが、欧州チャンピオンの練習相手に立候補する。愛する家族と、自身の引き際のために…。
というお話です。
ボクサーのスティーブ・ランドリーは、負け数がとても多いが、今だ、引退する気は無い。40歳を過ぎ、リングでは、かなり衰えが目立ってしまいます。妻子からパパとして尊敬されていたいスティーブは、タレク・エンバレクのスパーリング・パートナーを務める事を決意します。彼のスパーリング・パートナーとなれば、一目に付くことも増えるし、家族にも喜んでもらえるようになります。
スパーリング・パートナーと言っても、簡単になれる訳では無く、タレクが気に入らなければ、直ぐに変えられてしまう事も。しかし、スティーブは、タレクのパートナーを順調に勤め、彼の癖なども見抜いて、注意するようになります。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、内容としては、そんなに深いモノではありません。単純なので、とても分かり易く、ボクシングモノなので、カッコいいです。まずね、スティーブは、負けてばかりなんだけど、それでも、続けて行くことが出来るくらいは強いんです。普通なら、ある程度負けが込んだら、身体もボロボロで引退しろって言われるけど、それが、続けられたのだから、結構、強いのだと思います。でもね、勝てないの。
で、チャンピオンのタレクのスパーリング・パートナーになるんだけど、最初は、タレクもイヤな奴なのよ。だけどね、スパーリングを続けて行くと、スティーブの助言が、タレクに響くようになって行くんです。何度も戦って、負けてきているスティーブだからこそ出来る助言って、あるんだろうと思います。そして、そのお礼では無いけど、スティーブの試合を組んでくれるんですよ。ステキな友情でしょ。
やっぱり、ボクシング映画って、良いわ。私は、漫画の”あしたのジョー”以上に良いモノは無いと思ってはいるけど、でも、実写としては、この映画、良かったなぁ。ボクシングが、男としてのスポーツと言うだけじゃなくて、家族に尊敬して貰える父親になる為のステージだという感じに描かれていて、素晴らしいと思いました。やっぱり、父親って、何でも良いから、尊敬出来る人であって欲しいと思うんです。子供たちにとって、良い目標であってくれないと、未来が開けませんもん。
とにかく、カッコ良かったなぁ。ボクシングって、殴り合いで野蛮そうに思うけど、見ていると、本当に惹き込まれて、一緒に戦っているような気持ちになって、”行けぇ~!”って叫びたくなるのよね。殴られても殴られても立ち上がる、あー、やっぱり、私はあしたのジョーで育ってきたから、どうしても、こういう話に惹かれてしまう。
私は、この映画、すっごくお薦めしたいと思います。負けても、負けても、大好きなボクシングを止めないスティーブの気持ちを、受け取ってきて欲しいと思います。現代の様に、直ぐに諦めてしまうのがカッコいい的な考え方は間違っていると思うんだよねぇ。やっぱり、しつこいと言われようと、くらいついて行く姿が、心を打つのよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「スパーリング・パートナー」
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=25
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