【TIFF2017】「イスマエルの亡霊たち」(ワールド・フォーカス部門) | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

第30回東京国際映画祭の16作目、「イスマエルの亡霊たち」を観てきました。

 

ストーリーは、

若き外交官のイヴァンは世界中を飛び回るが、その意味を理解していない。イヴァンの物語を映画にするイスマエルは、自分の人生の意味を理解していない。死んだと思っていた妻が20年ぶりに帰ってきたのだから。イスマエルは動揺し、執筆する脚本も混乱していくが、それでも物語の断片をひとつにしようともがく…。

というお話です。

 

 

映画監督のイスマエルは、今、脚本を書いている。若き外交官のイヴァンの話だ。イヴァンは、新聞広告で外務省の求人を見て応募し、何故か、何の経歴も無いのに採用された。外交官となったイヴァンは世界中を飛び回り、色々な出来事に巻き込まれて行く。

 

イスマエルは、このイヴァンの脚本を書きながら、以前、パーティーで出会った女性・シルヴィアと付き合い始め、安らぎを覚えて行く。海辺の別荘で脚本を書こうと、彼女を連れて別荘に出かけ、有意義に過ごしていると、突然、目の前に、20年前に失踪した妻・カルロッタが現れる。驚き、同様するイスマエル。彼の妻・カルロッタが現れた事で、居場所がなくなったシルヴィアは、その場を立ち去ってしまう。

 

 

イスマエルの妻・カルロッタは、有名な映画監督・アンリ・ブルームの娘であり、彼女が20年前に失踪した為、イスマエルは、彼女の父親の面倒をずっと見てきたのだ。彼女は死んだものとして8年前に手続きをしたイスマエルは、やっと忘れられると思っていたのに、突然、目の前に現れ、貴方の妻だと言い放つ。

 

イスマエルは、自分も動揺するが、カルロッタが帰ってきたことを父親の監督にどう伝えるべきか悩んでしまう。監督は高齢で、既にボケてきているので、ショックを与えるとどうなってしまうか分からない。イスマエルは、カルロッタに妻だと言われても、既にその気はないと話し、別荘で別れることにする。

 

 

映画会社は、イスマエルの脚本を待っていたが、待ちきれずにプロデューサーが押しかけ、イスマエルに書くことを強要する。そして・・・。後は、映画観て下さいね。

 

アルノー・デブレシャン監督の新作です。マチュー演じるイスマエルの周りにいる人々と、彼が作る映画に出てくる人物たちが、交互に入り乱れて、イスマエルが亡霊に悩まされずに、新しい人生を歩き出すまでを描き出しています。

 

 

とにかく、このイスマエルの奥さんのカルロッタって奴が酷いのよ。20歳の時に結婚して、23歳で突然失踪をして、20年後に戻ってくるんです。あり得ないでしょ。何してたんだって聞くと、色々、転々として、インド人と一緒に暮らしていたけど亡くなったから帰ってきたとか言いやがるんですよ、この女!

 

マリオン・コティヤールが演じているから、確かに美しくて魅力的なんだけど、だからって、これは酷いでしょ。イスマエルと彼女の父親は、ずーっと探していて、警察に頼んだり、探偵を雇ったり、あらゆることをしたけど、見つからなかったので、8年前に死んだとみなす手続きをしたらしいんです。それなのに、帰ってきて、貴方の妻ですよって、平気な顔をして言うのよ。このヤロ~って思うよね。

 

 

でね、シルヴィアは、直ぐに身を引いてしまうんです。彼女は、身障者の弟を抱える天文学者だったかな。弟の面倒を見る為、今まで、結婚をせず、何故か、付き合うと既婚者だったりして、苦しんできたんです。だから、イスマエルの妻が帰ってきたと知って、直ぐに出て行ってしまいます。気持ちは解るけど、どう考えてもカルロッタの方が間違っているよね。

 

イスマエルは、ずーっと20年間、カルロッタが失踪した為に、彼女の事を忘れられず、前に進めなかったんです。イイ女と付き合う事はあっても、結婚もせず、カルロッタの父親の世話をしてきたんですよ。同じ監督業だと言う事もあって、尊敬もしていたけれど、でも、彼女に縛り付けられていたんですよね。やっと心の解放がされて、生き返るイスマエルは、きっと、良いお父さんになったんじゃないかな。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。素晴らしい名優が揃って出演しているし、おいおいっていう展開は、ちょっと笑えます。もう、20年も経って、忘れた頃に帰ってくんなよってところが、笑っちゃいました。全く悪びれもせずに、”ただいまぁ~”みたいに帰ってくるんですよ。笑えるでしょ。とっても楽しく観れました。これは、きっと日本公開してくれるんじゃないかなぁ。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「イスマエルの亡霊たち」

http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=115