第30回東京国際映画祭の13作目、「隣人たち」を観てきました。
ストーリーは、
イスラエルのユダヤ人であるナフタリは、自宅の離れを書斎に改装すべく職人を雇う。やってきた男はアラブ系のファヘドだった。リベラルを自認するナフタリはファヘドに仕事を任せる。しかし近所で少女暴行事件が起こると、隣人たちは一斉にファヘドに疑いの目を向け始める。リベラルなナフタリは、「アラブ人嫌悪は我々に強く刷り込まれていて本能的ですらあるが、問題はそれに降参するのか戦うのかだ」と語る。しかし、事態がどんどん悪い方に転がり、ナフタリも苦境に陥る。
というお話です。
イスラエルに住むナフタリは、自宅離れの小屋の老朽化に困っており、修理が出来る人間を紹介してもらう。やってきた男は、アラブ系パレスチナ人のファヘド。宗教間の問題はあるが、ナフタリは話せばわかり合えると信じている。しかし、工事にやってきたファヘドは、どーも胡散臭く、本当に工事が出来る職人なのか怪しい。自分ではリベラルだと思っているナフタリだが、周りの影響で、やはり大手を振って信用する事は出来ていないのです。
リフォームの材料を買って、家に帰る途中、何故か町の中が騒がしい事に気が付きます。気になって聞いてみると、材料屋が援助をしている家族の娘が強姦されたらしいとのこと。犯人はまだ捕まっていないと言います。この町は、ユダヤ系のパレスチナ人が住んでいるので、その中に入ってきたイスラム系パレスチナ人のファヘドは、いるだけで目に付いてしまいます。そして、その強姦も、ファヘドの仕業なのではないかと疑われ始め、町の男たちが集まり始めます。
ナフタリは、リフォームをしながら一緒に居る感じでは、悪い奴では無いと思っているのですが、どうしても周りの言葉に流されて、彼を疑い始めてしまいます。疑う心と信じる心、二つの気持ちに左右されて、本当はどうなのか、どうしたら真実が解るのか、悩みます。そんなナフタリの考えなど構いもせずに、隣人たちの勢いは強くなり、とうとうファヘドを引き渡せと言い出す始末。その上、銃まで持ち出しています。
焦るナフタリは、何を信じて、どう行動するのか。後は、映画を観て下さいね。
この映画は、自分一人が白だと信じていても、周りの人間が黒だと言って迫ってきた時に、何処までそれを突き通せるかっていうお話です。これ、凄く難しいですよね。私も、これ、解るなぁ~!ダチョウ倶楽部の「俺やる!俺やる!俺も!どうぞどうぞどうぞ~!」ってギャグですよ。別にやりたくなくても、みんながやりたいって手を挙げたら、自分も挙げたくなっちゃって、挙げたら、みんなに手を引かれてしまうってやつ。まぁ、今回は、手を引いてくれないんですけどね。
ナフタリは、本当に良くいる普通のお父さんです。町でも、それなりにみんなと付き合って、普通の夫婦なんです。ただ、家のリフォームをしたくて、たまたま雇った男が、イスラム系の男だったって事だけなんですよ。だけど、大事になってしまいます。
でね、このファヘドなんですけど、こいつがもう少し、しっかりした男なら良かったんだけど、イスラムのお祈りをしながら寝ていたり、お茶の時間が長いとか、それでも職人としての腕が良ければいいけど、こいつ、使えないんですよぉ。もし、私の現場に来たら、私に”帰れ”と言い放たれるタイプです。お前、出来ないんだったら、勉強したとか偉そうに言うなよ。そういう事言うから、問題が大きくなるんじゃん。
と、文句を言ってしまいましたが、そんな悪い事が重なり、その上、強姦事件なんて起こったから、町中大騒ぎになってしまうというお話なんです。面白そうでしょ。笑っちゃいました。
この映画、日本公開してくれるかなぁ。結構、これ、面白いと思います。大人のコメディ映画って感じですかね。コメディなんだけど、シビアな問題を含んでいて、考えさせられるので、お腹を抱えて笑うと言うのではなく、考えながら笑うという感じです。私は、これ日本公開して欲しいなぁ。ぜひ、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんでくださいね。
「隣人たち」http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=131
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