【TIFF2017】「グレイン」(コンペティション部門)遺伝子組換えはやっぱり怖いよ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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第30回東京国際映画祭の5作目、「グレイン」を観てきました。

 

ストーリーは、

いつとも知れない近未来。種子遺伝学者であるエロールは、移民の侵入を防ぐ磁気壁が囲む都市に暮らしている。その都市の農地が原因不明の遺伝子不全に見舞われ、エロールは同僚研究者アクマンの噂を耳にする。アクマンは遺伝子改良に関する重要な論文を書いていたが、失踪していた。エロールはアクマンを探す旅に出る。

というお話です。

 

 

近未来、遺伝子による選別が行われ、優良遺伝子を持つ者のみは汚染の無い地域に住み、劣等遺伝子を持つ者は汚染地域に放置されることとなった。種子遺伝子学者のエロールは、食糧の確保のため、遺伝子操作をした植物を作っていたのだが、2~3世代目になると、必ず遺伝子に異変が現れる。

 

何度試しても、遺伝子変異が現れてしまうため、頭を抱えていると、何年か前に、アクマンという遺伝子学者がM遺伝子が足りないという理論を提唱したのだが、誰も取り合わず、自宅の家事により、妻を亡くし、娘に怪我をさせてから、消えてしまったという。エロールは、アクマンを探して、その理論の説明をして貰おうと、アクマンを探し始めるが、汚染地域に出て行ったらしいことを突き止める。

 

 

隔離地域から外には、簡単に出る事は出来ないが、ある裏のルートで抜ける道があり、エロールは外に出る事に成功する。汚染地域で、沢山の人々の死体を横目に、アクマンを探し回ると、泉近くで出会う事が出来る。もう帰れと言われるエロールだったが、どうしても真実を知りたいと思い、アクマンに過酷な旅になると言われても、付いて行く決意をする。

 

アクマンについて旅を始めると、驚くことばかりだが、汚染地域にも、もしかしたら自浄作用により生き物が発生しているのかも知れない事に気が付き始める。そして・・・。

後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、今の社会環境を見ながら、未来はもしかしたらこうなってしまうのかもという事を描いていて、とても考えさせられるものでした。今、既に遺伝子組換え植物を使った食品などが増えていますよね。何も気にせずに食べてしまっていますが、もしかしたら、その組換えによって、私たち自身の遺伝子も変異して行ってしまうかも知れない。そんな事が絶対に無いとは言い切れないでしょ。

 

種子遺伝子学者のエロールは、組換え遺伝子植物が3世代まで持たない原因は、机上での実験や計算では決して分からないだろうことが解っているんです。だからこそ、アクマンにあって、なんで成功しないと言い切ったのか。何を知ったからそう言ったのかを聞かなければと思って、探すんです。

 

 

ヒトゲノムの中の核ゲノムって、大体30億塩基対あって、それとミトコンドリアからなっていて、その中に線状染色体があるんです。人や動物、植物を比べてみると、人が多いんじゃなくて、植物の方が多かったり、人はウニと同じ位のDNAだったりするらしい。そんな複雑なものを、人間の手で組換えてやろうだなんて、神への冒涜でしょ。きっと、気が遠くなるほどの年月、その遺伝子は入れ替わり組換わり、今の最良のバランスで人間や動物、植物になり得たのだと思います。それを壊そうだなんて、そりゃ、神に怒られるか、見放されますよね。

 

そんな事を暗示する映画でしたが、神は、きっと最後の希望を残していて、その遺伝子の中に自浄作用が出来るようなプログラムを組んでいると思うんです。でも、そのプログラムは、人間が反省して、許しを請わない限り、発動する事は無いんだと思いました。地球が、人間が助かる為には、何をすべきなのか、良く考えて行動しなければね。

 

 

モノクロフィルムなのですが、その理由として、監督は、色々な国、地域で撮影をした為、一貫性を持たせるために、モノクロとしたそうです。それが成功し、雰囲気の違う建物、空気感のある地域が、同じ世界であるということを訴えるのに成功しています。

 

一見、良くあるような普通の建物や内部なのに、映し方と色の加減で、これ程に近未来的に見えるのかなって感じました。不思議な映像でしたよ。私は、とても気に入りました。

 

主演は、グランブルーのジャック・マイヨールを演じたジャン=マルク・バールさんです。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。この映画は、私は好きかな。だって、本当に遺伝子組み換えは問題だと思いますもん。それに、温暖化とか。地球は、今、大変な局面にあると思うのですが、誰も、それをどうにも動かす事が出来ないなんて、やっぱり人間は滅びるべきなのかしら。悲しいです。もし、お時間があったら、もう一度、上映があると思うので、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「グレイン」http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=9