【TIFF2017】「怪怪怪怪物!」(ワールド・フォーカス部門)本当の怪物は誰なのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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第30回東京国際映画祭の4作目、「怪怪怪怪物!」を観てきました。

 

ストーリーは、

リン・シューウェイはいつも級友たちにからかわれ、イジメられている。ある日、問題を起こしたシューウェイは、いじめっ子3人とともに奉仕活動を命じられる。独居老人の手伝いをするはずの彼らは、夜中に老人の家で2匹のモンスターに遭遇する。小さなモンスターを捕まえて独自の「調査」と「実験」を始めるが、やがてモンスターは彼らの手に負えなくなっていく。

というお話です。

 

 

リンは、学校でいつも虐められていて、特に男子3人と女子1人の4人組にからかわれている。リンは先生に、彼らが自分にしている仕打ちを告発するのですが、先生は一切取り合わず、やったと認めて、それにより彼らと仲良くなれば良いと言い、男子3人とリンと一緒に、奉仕活動をする事を提案します。

 

仕方なく、リンは、3人と一緒に、暗い貧困層の住むマンションに行き、奉仕活動をしているのですが、そこでは、人がどんどん消えてゆき、どうも何かに襲われているのではないかと思われています。リンたちは、幽霊なんか怖くないと言い、リンを殺したら幽霊になって出て来いよとからかいます。

 

 

そんな彼らの前に、壁を這って行く怪物が現れます。怪物は人を襲い、食べているんです。驚いた4人は、直ぐに逃げるのですが、突然、怪物に襲い掛かり、怪物を捕獲する事に成功します。捕獲した怪物を、リンと4人組で虐め始めます。それは、どんどんエスカレートしていくのですが、怪物は簡単には死にません。そして、色々実験した結果、日光に弱い事と、血液に白血球が無いと言う事が解ります。リンが調べた結果、何か、゛蟲毒”というものに取りつかれているのではないかと分かってきます。

 

リンたちが捕獲した怪物は2匹の内の1匹で、もう一匹の怪物が探しているようです。2匹は姉妹だったらしく、元は人間らしい。姉は、夜になると妹を探して人々を殺している。リンたちは、姉を誘き出し、妹と一緒に殺してしまおうという計画を立てるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、面白かったぁ~!実は、全然、期待していなくて、というか、たまたま、空いた時間にこの映画があったので、入れてみたのですが、台湾の人気監督らしく、この作品も、とても面白く見せて頂きました。

 

まず、虐めの問題が描かれていて、虐められる方と虐める方。最初虐められていたリンは、怪物を捕まえた事により、虐めが怪物に移り、自分が虐める方に周ります。他の仲間に言われて、恐々虐めるのですが、怪物が死なない為、虐めはエスカレートしていき、既に拷問になってしまいますが、それでも彼らは止めません。これ、暴力をしてしまう人間の姿をとても良く捉えていると思いました。暴力って止まらなくなるのよね。歴史的にもそれは実証されていますもんね。

 

 

リンは、怪物を可哀想という気持ちを持っていて、正しい事をする為に助けたいと思うんだけど、勇気が無くて出来ないんです。もし助けたら、仲間に自分がリンチされるのが分り切っているから。どうしても逃れられない自分に、段々と耐えられなくなっていきます。

 

そして怪物の姉妹なのですが、人間を食べるように変異してしまい、残酷な事をする怪物なのですが、姉妹の愛は残っているんです。お互いの為に生きている感じなんです。だから、見た目はこの姉妹が怪物なんだけど、内容から行くと、リンたち学生たちの方が恐ろしい怪物で、この姉妹は被害者なんです。これ、凄く解るなぁと思いました。イマドキの若者って恐いモノ。加減ってものを知らないでしょ。痛みを知らない人間は困ります。

 

 

リンの虐め被害を無かった事にする先生は、マジで許せない教師でした。こういう教師、多いんです。だから、先生と呼ばれる人間は、決して信用出来ないし、許さない。必ず突き落としてやるから待ってろという気持ちでいつも接しております。もちろんにこやかな笑顔でね。

 

そして、衝撃の結末へとドドーッと進んで行くのですが、まぁ、凄い展開でした。そこに行き着くかぁ~って感じの終わり方で、ちょっと感動してしまった。やはり、人間は、「てめぇのケツはてめぇで拭く」っつーことを実践するべきですよ。私は、いつもこの言葉を心に秘めています。下品だけど、ワザと下品な言葉で持っています。綺麗ごとだけじゃ、世の中渡って行けないからね。

 

 

この作品、超!お薦めしたいと思います。日本で公開してくれるかなぁ。これ、全国ロードショーには残酷すぎて難しいかも知れないけど、単館系で全国を回って欲しい。面白いんですもん、皆さんに観て欲しい。もう一度、映画祭で上映があるから、ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「怪怪怪怪物!」http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=155