「GOOD TIME グッドタイム」クライムムービーかと思いきや、深い愛が刻まれている。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「GOOD TIME グッドタイム」の試写会にご招待されて行ってきました。

 

ストーリーは、

ニューヨークの最下層で先の見えない生活を送る青年コニーと弟ニック。ある日2人は銀行強盗をしようとするが、ニックだけが逮捕され刑務所へ送られてしまう。ニックが刑務所内でいじめられ、暴れて病院へ移送されたことを知ったコニーは、弟を救うため病院へ忍び込むが・・・。

というお話です。

 

 

ニックは知的障害を持っており、カウンセラーの面接を受けている。障害の度数を図られ、施設に入れるかの審査をしているように見える。その部屋に突然、怒鳴り込むコニー。コニーはニックの兄であり、ニックを障がい者施設などに入れるつもりは無い。自分が面倒を見るつもりでいるからだ。しかし、2人はとても貧困で、祖母たちはコニーにニックを早く施設に入れろと言うばかり。

 

コニーは、生活の為に銀行強盗をする事にし、ニックと共に、覆面を手に入れ、銀行に強盗に入る。何とかお金を手に入れることに成功するのだが、逃げる途中の車の中でお金に紛れ込ませた防犯スモークをニックが開けてしまい、身体中にマーカーが付いてしまい、それを落とす為にトイレに逃げ込むのだが、警察に通報され、コニーは何とか逃げることに成功するが、ニックは捕まってしまう。

 

 

ニックは、知的障害があるにも関わらず普通の刑務所入れられてしまい、周りから虐めを受け、暴れてしまい、病院に入院する事になる。コニーは、病院ならニックを連れだせるかもと思い、病院に忍び込み、ニックを連れだしたと安心するのだが、ハッと見ると、そこにはニックではない怪我人の男が寝ている。間違えた~!と驚くも、後の祭り。病院にもう一度戻ろうと思うコニーだが、連れて来た男が、強盗をして、お金を遊園地に隠したという話をした事から、そのお金を手に入れようと、コニーと男は動き出す。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、面白かった!というか、笑える面白さではなく、どんなに抗っても、自分の思い通りの方向に動かない人生のもどかしさのような、そんな事が描かれていて、そのジレンマが良かったんです。その上、兄弟の愛が深くて、感動でした。そう、まるで「ギルバート・クレイブ」の大人現代版を見せられているようで、良かったんです。

 

 

コニーがニックを愛する気持ちは、本当に深いのだと思いました。きっと、コニーはニックを障がい者として孤立させるのではなく、自分と一緒に、兄弟として、人間として生きて欲しいと思っていたと思うんです。それにはお金が必要だし、周りの人達にも協力して欲しかったと思うけど、周りは施設に入れろの一点張り。ニックを一人の人間として、男性として受け入れるのを、誰もが諦めているんです。そんな中で、一人、コニーだけは、弟を大切に思っている。それがひしひしと伝わってくるんだけど、世の中、そんなに上手く行く訳が無い。何をやっても、上手く行かないんです。

 

そんな上手く行かない人生を、力とゴリ押しで良い方向に持って行こうとするのがコニーです。彼は、ニックとの生活を続けるために強引に事を進めますが、強盗してもダメ、病院から逃がそうとしてもダメ、ダメダメ尽くしなんですよ。何処まで運が悪いんだよって言いたくなるほど、ダメダメなの。観ていて、可哀想になっちゃいました。普通なら、どこかで成功するわよね。まず、病院で間違えないっしょ。(笑)

 

 

きっと、もう一人助けが居て、冷静に見てくれていれば、間違いに気が付いたんだろうけど、この慌てぶりは、やっぱり最下層に住む人間だからかなと思いました。いつも劣等感を抱いていて、自分に自信が無い人間だと、極限状態になった時に勝つという強い意志が持てないから、気負ってしまって、間違えたり、事故ったりするのよね。劣等感というのは人間にとっての”悪魔の足枷”のような気がしました。もし、彼らがもう少し裕福だったなら、こんなに失敗は重ならなかったと思います。

 

 

この映画、超!音楽が良かったです。観ていて、映像と一緒に、身体に衝撃を与えてくれるような音楽でした。気持ち良くて、サントラを予約しました。サントラのディレクターズカット版が出るとの事で、そちらを予約したんです。"Good Time・・・Row"というやつです。OPN(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー)が音楽を担当していて、本当に良いです。低音でズンズンとお腹に響くような音楽で、心地が良いんです。

 

2014年の東京国際映画祭のコンペ作品「神さまなんかくそくらえ」の監督・サフディ兄弟が監督をしていて、あの作品と同じように、なんか、終わった後にモヤモヤして、しばらく考えていると、ドドーッ!と感動が盛り上がってくるような作品でした。ロバート・パティンソンが、荒々しい兄・コニーを演じていて、カッコいいです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは良いでしょう。私、もう一度、観たら、超!超!ってなりそうです。あのね、音楽がこんなに良いと思わないで観始めたので、音楽にも注目して、最初から観ていたら、もっと感動したかも。後半は、音の使い方が良いなぁと注目出来たんだけど、前半は、それに気が付かずに、聞き逃しちゃったんです。もっかい観たいね。それくらい、良い面白い映画です。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

グッド・タイム|映画情報のぴあ映画生活

このサントラは買いでしょ!すごいっす。