「バリー・シール アメリカをはめた男」を観てきました。
ストーリーは、
敏腕パイロットとして民間航空会社に勤務するバリー・シールのもとに、ある日CIAのエージェントがやってくる。CIAのスカウトを受けたバリーは、偵察機のパイロットとしてCIAの極秘作戦に参加。作戦の過程で伝説的な麻薬王パブロ・エスコバルらと接触し、バリーは麻薬の運び屋としても天才的な才能を開花させる。エージェントとしてホワイトハウスやCIAの命令に従いながら、同時に違法な麻薬密輸ビジネスで数十億円の荒稼ぎをする破天荒な動きをするバリー。そんな彼にとんでもない危険が迫っていた・・・。
というお話です。
民間航空会社に勤めるバリー・シールは、乗務員の特権を使って、キューバから葉巻を密輸していた。冷戦時代にキューバからの輸入は禁止だったが、バリーは乗務員なので荷物検査が無いのだ。そんな彼の密輸をかぎつけたCIAは、バリーをスカウトし、最速の偵察機を当てがって、南米の偵察をさせ始める。南米に飛び、上空から写真を撮って戻ってくるのだが、その仕事の途中で、麻薬王のパブロと知り合い、最初は脅されて、麻薬の運び屋をさせられる。偵察をしながら、麻薬の密輸をし、ビジネスとして上手く周り始める。
バリーは味をしめて、麻薬ビジネスを展開しはじめ、1機の偵察機だけではなく、田舎町の広い土地を買い込み、飛行場を作り、銀行に金を預け、投資をして、と幅広く事業をし始めたため、その田舎町が突然に潤ってしまう。何かあると感じたFBIは、バリー・シールをマークし始め、地元警察も目を光らせ始める。
あまりに一気に荒稼ぎをしてしまった為、どう考えても違法な事をしていると思われ、地方警察に踏み込まれ、その上、連邦捜査局、FBIまでもが踏み込んできて、身動きが取れなり、CIAに助けを求めるが、知らんぷりを決め込まれてしまう。しかし、政府に南米の情報を流していたことを隠蔽する為に、政府から保釈命令が下され、警察もFBIも手だしが出来なくなる。
外に出れたと喜ぶのもつかの間、今度は麻薬王から恨まれてしまい、彼らから命を狙われることに。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、面白いんだけど、実在の人物の歴史だから、ぶつっぶつっと話しが続いていて、流れるような感じじゃないんです。だから、どーも、気持ち良く観れなかったんですよねぇ。CIAと仲良くなったな、写真を撮ったなと思ったら、次は麻薬王との駆け引きと、話がブツブツで、CIAさんの方は、今、どうなっているわけ?って思ってしまうの。まぁ、それも継続されていたからこその密輸だったんだと思うけど、どーも、上手く繋がらないのよね。
地元警察も、連邦捜査局も、FBIも、そちらも、誰がどこまで知っていて、何を根拠に捕まえようとしているのか、はっきり明示されないんです。ハッキリ言って、証拠は無かったと思うんだけど、どうして逮捕につながったのか、それもみんな一緒に踏み込んでくるなんて、不思議でした。
まぁ、トムちゃんの映画だから、そんな細かい事はどーでもイイんだって言われてしまえば、まぁ、そうですねって言っちゃうんだけど、この作品だと、どーも彼がヒーローじゃなかったから、それがスッキリしないのよね。ヒーローなら、みんなを助ける為なんだから、細かい事は仕方ないよって言えるけど、ただ、自分の為に仕事をしていた訳だから、同情出来ないんです。これ、完璧に悪い人だから。
だから、何か、悪い人を描いているんだけど、悪い事やっている風に描かれていないので、イマイチ、本当にこれでイイのかなぁって思いました。この映画観ていると、やったもん勝ちでしょって感じなの。性善説なんてクソくらえって感じで、いくらトムちゃんの映画で、ハリウッド大作なのかも知れないけど、私は、あまり気に入りませんでした。面白くない訳じゃないんだけど、面白がって言い訳?
この映画、私は、まぁ、お薦めしても良いんじゃないかなっていうくらいです。良識がある人間が観る分には、こんな悪い奴がいたんだねって思って終わるけど、考えようによっては、どーせならやるだけやって、勝ち組に一時でもなった方が良いよねって思う人も出てくるんじゃないかと思って、ちょっとなぁ。まぁ、気になったら、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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