舞台「関数ドミノ」を観てきました。
ストーリーは、
ある地方都市で奇妙な交通事故が起こる。見晴らしの悪い交差点、車の運転手は路上に歩行者を発見するが、既に停止できる距離ではない。しかし、車は歩行者の数センチ手前で、まるで透明な壁に衝突するように大破した。歩行者は無傷。幸い運転手は軽傷だったが、助手席の同乗者は重傷。
保険調査員の横道は、この不可解な事故の再調査を依頼され、改めて当事者と目撃者が集められた。するとそのうちの一人が、ある仮設をたてるのだった。彼の発言は荒唐無稽なものだったが、次第にその考えを裏付けるような出来事が起こり始める。
というお話です。
劇団イキウメで上演されたものの、再演です。前川さん作の寺十吾さん演出でした。前川さんの作品は、どこかSF的で、不思議な作品が多く、「散歩する侵略者」でもそうでしたが、日常生活を普通にしている中に、何かおかしなものが見えてきて、それ、普通じゃないよねと気が付かせてくることが多いんです。
この作品も、日常に良く起こっているような交通事故なのに、決定的におかしな部分があるんです。それは、どんなに説明をしても、納得できるものでは無くて、誰かが不思議な力を使って起こしたといえば納得が出来るんです。
ここで、”ドミノ”という力が出てくるのですが、この世界には、ドミノという力があって、誰かが一定時期、そのドミノの力を持つらしいんです。”ドミノ”とは、自分が望んだことが全て叶ってしまう、意識していなくても、無意識に望んでしまうとそうなってしまうらしいんです。だから、本人に”ドミノ”という自覚は無いけれど、その人の願いは叶えられてしまう。そして、周りにいる人間たちは、その人の影響を受けて、不幸になったりするらしいんです。
うーん、まぁ、そんな力があったら、それはそれで面白いけど、まず、何もかもが上手く行っている人って、あまりいないですよね。何かが成功すれば、その反動で、何処かに歪みが出来て、失敗したり、不幸になったりするでしょ。だから、私は、プラスマイナス0になると思っています。
でも、どんな事も心の持ちようだから、自分は成功しっぱなしだと思っていれば、それで幸せなのよ。別に、自分で不幸だなんて思う必要も無いし、失敗したり、苦しくなったら、それも含めて、ドンッと返ってくると思っていれば、なんてことないでしょ。
この主人公は、”ドミノ”の力を持っている人物を見つけて、その力を解明してやろうとするのですが、何故かと言うと、自分は不幸だから、”ドミノ”の力で幸せにしている奴を羨んで、妬んで、苦しめてやりたいと思ったんだと思うんです。でも、どんでん返しが来るんですけどね。
無い物強請りをする人間って、たとえ、それが手に入っても、また他の物が欲しくなるよね。欲求が止まらない人なんだと思うんです。今持っている力を存分に利用し、屈指してみたら、何も必要なんて無いと思うんですけど。今持っている力で、きっと、誰よりも幸せになれると思うんです。気が付かないだけなの。早く自分の力に気が付いて欲しい。
瀬戸くん、柄本くん、勝村さん、他が出演していました。良かったですよ。瀬戸さんが人気だったのかな。若い女性が多かったです。
私は、この舞台、超!お薦めしたいと思います。でも、もう終わっちゃったかな。これから地方を周ると思うので、もし、機会があったら、観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
関数ドミノ http://kansu-domino.westage.jp/
![]() |
舞台『関数ドミノ』 [DVD]
6,480円
Amazon |