【演劇】「オーランドー」300年以上生きたオーランドーは、何を手に入れて何を失くしたのか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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舞台「オーランドー」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

「第一部」

 

十六世紀、エリザベス一世統治下のイングランド。何世紀も続く貴族の家系に生まれたオーランドー。16歳の彼は、目に映るものすべてに胸をときめかせた。壮大な詩を書こう、この樫の木の詩を書こう。美貌に恵まれた彼は、女王をも虜にし、広大な領地と壮大な邸宅を賜る。成長するにつれ、その美しさはますます輝き、ロンドン中の貴婦人が彼に恋い焦がれた。成人したオーランドーは、女王との生活にも飽き、言い寄る女性たちにも愛想を尽かしていた。

 

十七世紀、ロンドンを大寒波が襲う。寒波と共に現れたのは、ロシアのミステリアスな姫君サーシャ。オーランドーとサーシャはたちまち恋に落ち、凍ったテムズ川でスケートを楽しむなど大胆な行動で宮中の話題の的となる。ところがサーシャはオーランドーを裏切って、ロシアに帰国。傷心のオーランドーは、詩がうまく綴れない。そして、トルコ大使としてコンスタンチノーブルに渡る事を願い出た。コンスタンチノーブルでもオーランドーは人々の心を掻き立て、目を釘付けにする。

 

数多の女性と浮名を流すオーランドーも30歳。

ところがある晩、眠ったっきり目を覚まさなくなる。6日目に民衆の暴動が起こり、町は大混乱に陥るが、それでも眠りから覚めないオーランドー。そしてついに7日目の朝、ぐうっと伸びをして目覚めたオーランドーはなんと、女性になっていた!

帰りたい。イングランドに。

 

 

「第二部」

 

十八世紀、オーランドーは女性としてドレスや宝飾品を身に着け、船に乗ってロンドンに帰還、屋敷に戻った。ふたたび詩を綴り始めたオーランドー。ルーマニアからの客人と戯れるうち、十九世紀を迎えた。ひとり所在なさを抱えた彼女は、運命の人マーマデュークに出会う。そして2秒で恋に落ち、数分後に婚約した。

 

時は巡り、二十世紀。時代は大きく変わった。36歳のオーランドーは、見知らぬ光景に不安を抱く。

そうだ、書こう。詩を書こう。

三百年近くも綴ってきた「樫の木の詩」のために、彼女はまたペンを執り、そして考えた。

人生って何だろう?

 

というお話です。

 

 

この作品、「ヴァージニア・ウルフ」の小説です。彼女の作品はとても独特で、良く映画にもなっていますが、私は、とても理解に苦しみます。このお話は、何世代にも渡って、人間として自由に生きるとはと訴えているのですが、どーも、納得出来る答えは出たんだか、出てないんだか、難しいんです。

 

オーランドーは、男性として生まれ、容姿が良かったことから、誰からもちやほやされて、良い待遇を受けて行くんです。生きる事って楽ちんだなぁみたいに思っているのですが、段々と、周りでちやほやするオバサンたちにうんざりして行きます。エリザベス女王もその一人で、とっても可愛がってくれるのは良かったけど、あまりにも度が過ぎて、嫌になるんです。自由に好きな事をして生きたいと思い始めます。

 

それからしばらくして、サーシャという女性に恋をしますが、フラれてしまい、自分の思い通りにならないことに怒りを覚えて、知る人の居ないトルコに逃れます。しかし、トルコでもちやほやされて、また適当に遊んで暮らすのですが、ある日、眠ったきり7日間起きず、目を覚ましたら女になっています。

 

直ぐにイギリスに戻り、今度は、女として生活を始めますが、男としての権利は無くなり、とても不自由な生活となります。その時代、女は男の付属品くらいの地位しか無かったんです。男の時も息苦しいと思ったけど、女の方が、もっと不自由な事を知り、詩でも書いて浮名を流していると、ある男性と出会い、婚約。女性としての幸せを手に入れたと思うのですが、ふと、目の前を見て、私はこの何世代もの時代を生きて、何をしてきたんだろうと考えてしまうというお話なんです。

 

そ、何も残してないですよね。流されて来ただけ。必死で自由を探して、面白おかしく生きてきたと思っていたけど、何も残ってないよって思うんですよねぇ。確かに、人生って何だろうって私も思いますもん。その場、その場は、色々考えて、良い選択をして生きてきているつもりなんだけど、それが今の自分に関係あるのかって言うと、何も無かったりするんですよね。

 

 

そんな難しい事を考えさせてくれて、ありがとうと言って欲しいのかも知れないけど、本心は、考えさせないでよって言いたくなりました。だって、考えたって仕方ないでしょ。今を走るのに必死なんだから、何かの役に立ってるとか、私の生きる意味はとか、そんな事、どーでもイイっつーの。必死に走って生きて、はぁ~、何も残らなかった、良かったって言って死にたいです。何も残さないのが一番。後腐れ無く、消えてしまうのが一番良い人生だと思います。それが人生ってもんでしょ。

 

こんな事言ってたら、ヴァージニア・ウルフに怒られちゃいますね。でもね、織田信長が”人生50年”って言っているんだから、今の人間だと、50歳から後の人生なんて、付けたしでしょ。好きに生きて、綺麗に死んで行くのが美学ってもんじゃないですか。100年の半分は努力して自分を高め、後の半分は、惰性で人に迷惑をかけないで生きていればいいと思うけどなぁ。そう思いませんか?

 

あ、オーランドーの言いたい事と違っちゃったかな。まぁ、いいか。この舞台、6人の俳優さんでやっているのですが、オーランドーを多部未華子さん、他、小日向文世さん、野間口徹さん、池田鉄洋さん、戸次重幸さん、小芝風香さん、が、何役も入れ替わり立ち代わり、オーランドーを取り巻く人々をやっています。面白かったですよ。

 

内容としては、ちょっと難しいけど、舞台としては、とても楽しくて、色々な役を色々な人が演じるので、本当に笑えて、楽しくて、目が釘付けでした。入れ替わりなので、目が離せないんです。とっても楽しめました。

 

 

私は、この舞台、超!お薦めしたいと思います。上手い方ばかりが出演されているので、本当に満足が出来る舞台というのは、こういうのだと思います。あまり内容の難しい事は考えず、舞台を楽しむことが一番だと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

オーランドー

http://www.parco-play.com/web/program/orlando/