「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を観てきました。
ストーリーは、
2012年。養護施設出身の敦也は、幼なじみの翔太や幸平と悪事を働いて1軒の廃屋に逃げ込む。そこは、かつて町の人々から悩み相談を受けていた「ナミヤ雑貨店」だった。現在はもう廃業しているはずの店内で一夜を過ごすことに決める3人だったが、深夜、シャッターの郵便受けに何かが投げ込まれたことに気づく。投げ込まれていたのは1980年に書かれた悩み相談の手紙で、敦也たちは戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くことに。やがて、この雑貨店と浪矢の意外な秘密が明らかになり・・・。
というお話です。
ある家に入り、強盗をしてきた3人の青年。敦也、翔太、幸平は、車で逃げようとするのですがエンストしてしまい、仕方なく、その街の空家に入り込みます。空家には「ナミヤ雑貨店」と書いてあり、家の中で何かないかと漁っていると、古い雑誌に「ナミヤ雑貨店のお悩み相談」という記事が載っています。すると、正面シャッターのポストから手紙が投函されてきます。
驚いた3人は、その手紙を読んでみると、魚屋ミュージシャンからの手紙で、このままミュージシャンを続けて良いのかという悩みでした。ミュージシャンを続けるべきだと言う返事を書いて牛乳箱に入れ、返事をしたのでした。
その手紙を貰ったミュージシャンの松岡は、魚屋を継がずにミュージシャンを続け、ある孤児院に行き、慰問をした日の夜、孤児院の火事で亡くなってしまいます。しかし、その歌は引き継がれて、その孤児院出身のミュージシャン”セリ”を誕生させることになります。セリは人々に受け容れられ、素晴らしいミュージシャンとして成功を収めます。
時は1980年、ナミヤ雑貨店の主人・浪矢雄次は、ガンに侵されて余命宣告されていました。それまでに相談に乗って来た人々の事が気掛かりだった彼は息子に遺言で、自分の33回忌に相談窓口を1日だけ開くという伝言を広げて欲しいと頼みます。きっと、その未来に出された相談は、今生きている浪矢に届くのではないかと、何となく感じたのかも知れません。
そして、もう長くないと解った浪矢は、息子に自宅に1晩だけ戻して欲しいと頼み、手紙を受取る為に慣れ親しんだ店で夜を明かしながら、未来から届く手紙を受取ります。
一方、時は2012年、”迷える子犬”からの手紙で、昼は事務員、夜はホステスで働いているが、ある理由でお金が欲しくて、飲み屋に来ている客から愛人になれば月々まとまったお金を払ってくれると言われ、その話に乗ろうか悩んでいるというものでした。3人は、この人に幸せになって欲しいと思い、どうしたら幸せにしてあげられるのか悩み、地道に事務員をしながら言う通りにして欲しいと未来のヒントを与えます。もし、信じてくれたら、きっと幸せになると願いながら。しかし、未来の2012年では、自分たち3人の出た孤児院が潰れそうになっており・・・。後は、映画を観て下さいね。
あらすじを書いていても、上手く伝えられません。とっても時間が入り組みまして、上手く説明が付かないんです。でも、整理が出来れば、とっても楽しめる映画でしたよ。私は、原作を読んでいないのだけれど、これ、原作通りなのかしら。小説の方が、伝わりやすいかも知れません。だって、忘れたら、ページを戻れば良いんですから。でも、映画だと戻れないので、観ながら、過去のあの人の時間は、ここに差し込まれるのねとか、考えながら観て行かないと、ちょっとあれ??ってなるかも知れません。
3人の孤児院を出た青年が、ある資産家の家に強盗に入り、金品を盗んで出てきたところから始まります。その時は、資産家は、全く誰なのかわからないんですけど、これが、段々、繋がって行って、最後に誰か解るのですが、途中で、予想は付きましたね。この人なんだろうなって。
この3人の青年が主役かと思うのですが、浪矢さん役の西田さんの印象が強くて、ついそちらに目が行ってしまい、未来の出来事を忘れてしまうと、あれ?どうだったっけってなってしまうので、必死で思い出しながら観ていました。3人も良かったのですが、あまりにも西田さんの表情が良くて、つい引き込まれてしまって。
山田くんは、ジャニ系の中では上手いと思っているんです。悪役も出来るし、優しい役も出来て、表情が柔らかいので、良いなぁと思うんですよね。私、山田くんに「アルジャーノンに花束を」をやって欲しいなぁと思っているんです。あの役は、発達障害を持った男性が、突然、天才に豹変し、そしてまた色々な事が解らなくなって行くという難しい役で、その上、恋愛も描いているから、実力が無いと出来ないんです。山田くんだったら、優しい役も、天才になり厭らしく変貌する役も出来るのではないかと思って。ぜひ、観てみたいと思っています。
村上くんは、既に舞台でバリバリに叩き上げてきているから、表情が良いですよね。好きです。これからも期待しています。寛一郎くんは、これからですね。まだ、ちょっと硬い所があるようでしたが、デビューしたところだし、これから揉まれて良い役者になって行くんじゃないかな。楽しみです。
この映画、ぼんやり観ている方には、ちょっとバラバラしていて解り難いのではないかなと思いました。実は、全ての人物が繋がっていたのですが、それを時系列順に並べられないと、最後の感動が上手く込み上がってこないんじゃないかと思います。でも、私は、全部解っても、それ程、感動は無かったかなぁ。だって、繋がっているだけで、本当に助けたのって”迷える子犬”さんだけなんですもん。あ、浪矢さんは助けていたかも知れませんが、3人がって事です。確かにミュージシャンは繋がったけど、どうせなら火事から救ってあげて欲しかった。
浪矢さんの悩み相談は、良い方に考えれば良いけど、全然考えてないじゃんって思えばそれ切りなんですよね。100点を取りたいって、そりゃ、その答えなら私でも書きますよ。雑貨店の店主という人物の答えだから許されるけど、それカウンセラーとかが言ったら、はぁ?って言われそう。
こういう可愛い相談なら良いけど、子供を産むかどうかの相談は、結構、辛い返事だと思いました。責任が取れるかどうかを悩んでいるのに、責任が取れるなら産めと言われると、そこが問題なんじゃんって思っちゃう。そう簡単に責任なんて言われても、難しいですよね。産みたいのは当たり前なんです。自分のお腹の中の命なんですから。でもね、一人で育てるって本当に大変だし、責任が取れると思っても、途中でどうしようもなくなっちゃうから、孤児院に預ける訳でしょ。辛い答えだと思いました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い役者さんが出ているし、話しの構成は、ちょっと辛いかも知れないけど、内容が解ると、感動出来る人もいると思います。私のように、ちょっと批判的になっちゃう人もいるかも知れませんが。でも、楽しめると思いますよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S : 山下達郎さんの曲がとっても良いです。
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