「散歩する侵略者」劇団イキウメの舞台を映画化。どっちが良いかなぁ。舞台も観に行ってきます。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

「散歩する侵略者」を観てきました。

 

ストーリーは、

数日にわたって行方がわからなくなっていた夫・真治が、まるで別人のように優しくなって帰ってきたことに戸惑う妻・鳴海。それ以来、真治は毎日どこかへ散歩に出かけるようになる。同じ頃、町で一家惨殺事件が発生し、不可解な現象が続発。取材を進めるジャーナリストの桜井は、ある事実に気づく。不穏な空気が町中を覆う中、鳴海は真治から「地球を侵略しに来た」という衝撃的な告白を受ける。

というお話です。

 

 

ある日、行方不明になっていた夫・真治が戻ってくるも、記憶を無くし、まるで別人になって帰ってくる。戸惑う妻・鳴海でしたが、それでも思い出させようと、それまでにあった出来事を話し始めますが、全く思い出しません。真治は仕事を続けることも出来ず、毎日、散歩に出かけて、帰ってくるという日常を過ごし始めます。

 

同じ頃、同じ町で一家惨殺事件が起こります。その惨殺事件で一人生き残った少女が失踪します。その少女を追うジャーナリストの桜井は、現場近くで天野という若い男に声をかけられる。天野も少女を追っているらしく、一緒に探したいと話し、一緒に車に乗り込んでくる。

 

 

仕方なく天野を連れて少女を探す桜井は、天野に何故少女を探しているのかと聞くと、自分たちは侵略者であり、少女と協力して通信機を作って連絡をしなければならないと話します。何をバカな事を言っているのかと思う桜井でしたが、そこで怒っては大人げないと思い、それ程、その事に触れずに、少女を探します。

 

少女と合流した天野は、もう一人、侵略者仲間を探さなければならないと話し、追ってきた厚生省の殺し屋に襲われながらも、街を探し回ります。

 

 

侵略者の真治は、妻の鳴海に全てを話し、自分たちは「概念」を奪って、それを通信機で宇宙に送り、地球侵略をすると言う。侵略が終われば、人間は居なくなるらしい。滅亡の危機を知った鳴海だが、今一つ、実感が湧かず、街を歩いていると、とうとう他の侵略者に会い、3人の侵略者が頭を揃える事になる。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

この映画、劇団イキウメの舞台を映画化したものなのですが、この原作者の前川さんの作品は、このちょっとSFっぽいモノが多いんです。吸血鬼的な感じとか、色々ね。だから、この内容も、全然、不思議ではないのですが、映画でやられると、イマイチ、この淡々とした部分が、恐怖に変わらないんだよなぁ。

 

 

何故なんだろう。「散歩する侵略者」は、来月くらいに舞台を観に行く予定なのですが、舞台だと、この内容、シックリくるような気がするんですよね。でも、映画になっちゃうと、動く範囲が大きくなるからなのか、舞台が大きくなるからなのか、イマイチ、恐怖心が大きくならないんです。銃で撃たれたり、ドローンで爆撃されたりって、舞台だと派手に見えないと思うけど、映画だと、凄い迫力でしょ。それが、淡々と侵略してくる侵略者に合わないんですよねぇ。淡々と地球側が攻撃して、侵略者たちも、適当にあしらっていくようなら、このタイプのエイリアンにも合ってると思うんですけどね。

 

 

内容としては、面白いと思います。突然に現れる侵略者と、それに対処しきれない人間たち。そして概念というものを失くした人間が、どんな状態になるのかという姿が、とても面白いんです。そもそも、”概念”って難しいですよね。人が、ある事を”認識”している内容だと思うのですが、一般常識的なものがあるモノなら良いのですが、”仕事”の概念とか、”愛”の概念とかって言われると、人それぞれだと思うんですよ。それを、一人の人から取って、納得しちゃうって、どーなんだろう。人間は、エイリアンに舐められているのかな。本当は、概念なんてどーでもイイんじゃないだろうか。ま、滅ぼしちゃう訳だし、なんで概念が欲しいのかも良く分からないしね。

 

 

もし、夫がエイリアンに乗っ取られたらどうしようかなぁ。違う人になっていても、仕方なく面倒を見るのかなぁ。この奥さんの鳴海さん、良く夫を受容れたと思って驚きました。まぁ、変わる前の夫が浮気していたらしいくだりがあったので、変わった方が良かったのかも知れないけど、それでもイヤじゃないのかしら。普通ならキモち悪いでしょ。

 

ジャーナリストの桜井という人物なのですが、これ、ちょっとネタバレになってしまうので、もし、まだ観ていないかたは、この部分を読まないで頂きたいのですが、ドローンに爆撃されて吹き飛んでいたのは、天野が死んで、天野の中に居たエイリアンが桜井に移っていたのか、それとも本来の桜井の意志でエイリアンに加担していたのか、イマイチ、納得が出来ていないんです。私は、きっと桜井は自分の意志で手助けをしたのだと思うのですが、それって、人類に対する、凄い裏切りでしょ。人類を滅ぼすほど人間を憎んでいたのか、それとも天野に同情したからなのか、この辺りはイマイチでした。

 

 

何とも、まだ、スッキリはしていませんが、私は、この映画、お薦めしたいと思います。全体的に観ると、確かに面白いんです。でも、細かく観て行くと、あれ?と思う部分が出てきて、ちょっと悩んじゃう感じかな。私は、舞台版「散歩する侵略者」を観る予定なので、そちらを観てから、比較しながら、また、感想を書きたいと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

散歩する侵略者|映画情報のぴあ映画生活