ゆきがめのシネマ。試写と劇場に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。


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「三度目の殺人」を観てきました。今回、最後の2センテンスくらいでネタバレをさせていただきます。もし、ネタバレが嫌な方は、最後まで読まないでください。鑑賞後に見て下さいね。何故なら、犯人は誰なのか的な感想が多いけど、この映画は犯人当ての作品では無いからです。真実なんて求めている作品では無いんです。

 

ストーリーは、

勝つことにこだわる弁護士・重盛は、殺人の前科がある男・三隅の弁護を仕方なく担当することに。解雇された工場の社長を殺害して死体に火をつけた容疑で起訴されている三隅は犯行を自供しており、このままだと死刑は免れない。しかし三隅の動機はいまいち釈然とせず、重盛は面会を重ねるたびに、本当に彼が殺したのか確信が持てなくなっていく。

というお話です。

 

 

弁護士の重盛は、同僚が受けていた殺人事件の弁護を引き受ける事となる。犯人の男は三隅と言い、殺人の前科があり、その前科の判決を出した裁判官が重盛の父親だったのだ。不思議な巡り合わせだと思いながら、三隅に接見に訪れる重盛。今回の殺人は、勤めていた工場の社長を殺害しており、少し前に解雇され金に困っていたから強盗殺人をしたのだろうという事件だった。

 

接見すると、社長を殺したことは認めており、殺した後に石油をかけて燃やしたと言う。財布を盗んでおり、これは強盗殺人で決まりだが、死刑ではな情状酌量で無期懲役に持ち込もうという作戦を重盛は立てていた。そして、三隅の周りを探っていくと、被害者の妻から給料とは別に50万円の振込みがあり、被害者の娘との交流も確認されます。どういうことだと驚いていると、朝、週刊誌に”殺人犯の告白”という内容で社長の妻と三隅の不倫が告白文として書かれており、妻に頼まれて社長を殺したと三隅が告白したらしいのです。

 

 

三隅に確認すると、確かにそう告白したと話し、それが真実だと話します。そして依頼する内容のメールと振り込まれたお金が一致し、強盗殺人という内容が一変します。そうなると死刑判決も無くなり、依頼された殺人であり主犯は社長の妻となるので、裁判に勝てると重盛は考えます。そして証人として社長の妻が出てくるのですが、彼女は知らぬ存ぜぬで、全く話になりません。これではダメだと考えていると、社長の娘が重盛の所にやってきて、自分は父親にレイプされていたので、それを止めさせるために三隅さんが殺してくれたと告白します。

 

またも展開が変わってしまい、今度は、社長の娘が法廷で告白しますと話し、その準備を進めて、三隅に娘の話をすると、今度は、三隅が、自分は殺人をしていない、河原にも行っていないと、完璧に殺人を否認し始めます。何が何だか分からなくなってきた重盛は、本当の事を話して欲しいと三隅に掛け合うのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、賛否両論でしょうね。うん、解かります。これ、言葉のトリックで、勝ちにこだわる弁護士とか、強盗殺人とか、それに惑わされてしまうと、本当に映画が言っている事に辿り着けないんです。裁判とか、法廷とか、そんな事は関係無く、これ、人の考え方は人それぞれなんだって事なんですよ。裁判で被告となる男の真実なんて関係無いんです。その周りに居る人々や、それを外から見ているマスコミや、マスコミを通して見ている一般の人々が、どう考えるかによって、全く見方が違うんだよっていう事なんです。真実はどうだって良い。殺してようが、殺していまいが、どーでも良いんです。

 

そして、三隅は「生きる価値の無い人間がいる」と言いますが、それって、誰でもない、自分の事なんです。それは、酷い罪を犯した人間だというだけでは無く、自分で自分として生きられない、人の器となるばかりで自分の意志で生きてくることが出来なかった男の悲しい訴えなんです。本当は娘と暮したかっただろうし、幸せに生きたかったんです。

 

 

殺された社長は、家族も居て、会社も経営して、表向きは素晴らしい人間に見えたかもしれないけど、食品偽装はしているし、前科者を雇って経費を浮かし、娘を欲望のはけ口にして、社長の妻は、そんな夫の罪を見て見ぬふりをしている。

 

法廷では、三隅が罪人ですが、本当は誰が罪人なんでしょう。手を下した人間か、見て見ぬふりをした人間か。そしてそれを勝手に解釈して、1つの事件だからと受け流している裁判関係者か。そうです、誰も、三隅の真実なんてどーでも良いんです。辻褄を合わせて、自分の思い通りの物語が作れれば良い。誰もが、三隅なんて人間を必要としない、生きている価値の無い人間とみなしているんです。

 

 

凄い映画だと思いませんか?三度目の殺人は、裁判を見ている人々が犯している罪なんです。三隅は、自分でその方向に結末を向けさせたけど、手を下したのは、裁判官であり、検察であり、弁護士であり、証人であり、マスコミであり、その裁判を見ていた一般人なんです。真実など関係無い。誰もが利己的であり、そこに愛なんて無いんです。

 

社長の娘だけが、無垢な心で真実を話そうとするのですが、三隅はそれを望みません。ここから本当のネタバレになります。

 

 

三隅は社長を殺したと思います。もちろん、娘がレイプを受けていたからです。その上、前科者を雇って利益をむさぼり、食品偽装を行っていて、何処までも自分の欲望だけを追求した人間だったからです。妻に頼まれたと話したのは、娘がレイプされているのを知っているにも関わらず、見ない振りをしていたからです。十字架なのは、裁きです。そして、最後に自分は殺人をしていないと言ったのは、娘を助ける為と、自分が死ぬため。娘がレイプを告白してしまったら、その後の社会生活が出来なくなるでしょ。

 

三隅は、もう、死にたかったのだと思います。誰かの器として、周りの人間の勝手な考え方で理解されたと思われるのにうんざりして、疲れたのだと思います。最初の殺人だって、結局、酷い取り立て屋を殺したのは、みんなが苦しめられていたから、その為に代表で殺したみたいな思われ方をして、情状酌量で懲役刑になった訳でしょ。真実は、違ったかも知れないのに、勝手な思い込みで減刑されて生きている。きっと、三隅の真実の言葉なんて誰も聞かなかったのだと思います。

 

 

そんな社会に絶望して、死を望み、そうなるようにワザと殺人を否認に転じて、情状酌量の余地を持たせなくしたのだと思いました。

 

おおー、ガッツリ、ネタバレを書いてしまった。だって、殺人犯の話じゃないのに、犯人は誰とかって話になっていて、イヤになっちゃったんだもん。こんなにスゴイ内容を訴えているのに、理解してあげなかったら勿体無い。凄い社会問題でしょ。人間の根本に関わる話なのに、惑わされないで欲しい。

 

ちなみに、勝ちにこだわる弁護士って、悪い事じゃないですよ。仕事なんだから、勝ちにこだわるのは当たり前。こだわらない弁護士なんて必要ありません。重盛は素晴らしい弁護士です。でもね、この三隅に関しては、関わってはいけない人だった。三隅を切り捨てられる、機械的な弁護士でないと、彼に飲み込まれて、この後、弁護の仕事が怖くなるかも知れない。途中で助けてあげたくなりました。

 

 

福山さんも、役所さんも、マジで凄かった。その他の共演者の方々も、凄かったですよ。やっぱり是枝監督作品、スゴいわぁ~。好きだわぁ~。グイグイ来るもんね。邦画としては、ここ最近では一番かな。これはシンドイ映画でした。でも、凄いです。これ、出来るだけ、皆さんに理解して欲しいなぁ。理解出来ると、TVでやっている事件全てが、違って見えて来ると思います。あ、不倫問題もね。ゴメン、一言、斉藤由貴さん、不倫で叩かれているけど、演技は上手いと思いました。悪い事をしたかも知れないけど、彼女の仕事まで酷いと言わないで欲しい。勿体無いです。もっと良い演技を見せて欲しい。

 

 

私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。賛否が分かれていて、深い理解が出来ない方もいらっしゃるかも知れませんが、少しでも、理解してくださったら嬉しいです。人間とは、社会とは、と考えてみて欲しいです。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

三度目の殺人|映画情報のぴあ映画生活

 

 

 

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