「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」戦争が狂わせた人々の人生の責任は誰が取るの? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦」を観てきました。

 

ストーリーは、

第2次世界大戦直下、占拠地域をヨーロッパのほぼ全土に広げていたナチスで、ヒトラーの後継者と呼ばれたナチス高官ラインハルト・ハイドリヒは、ユダヤ人大量虐殺の実権を握っていた。ハイドリヒ暗殺計画を企てたイギリス政府とチェコスロバキア亡命政府は、ヨゼフ、ヤンら7人の暗殺部隊をパラシュートによってチェコ領内に送り込む。プラハの反ナチス組織や家族との接触など計画は進み、不可能に思われた暗殺のミッションは成功。しかし、ハイドリヒへの襲撃に憤慨したナチスは、常軌を逸した報復を展開する。

というお話です。

 

 

第二次世界大戦時、ナチスの高官ラインハルト・ハイドリヒは「ユダヤ人問題の最終的解決」を1941年7月にゲーリングより委任され、1942年1月にヴァンゼー会議を主宰し、ユダヤ人絶滅作戦をアイヒマンに依頼し策定した。これによりユダヤ人の虐殺が加速していく。

 

既にヨーロッパに勢力を伸ばしていたナチスは、チェコ・プラハにおいてハイドリヒの命令により、大量の人々を逮捕、処刑を行っており、ハイドリヒは「プラハの虐殺者」として知られていた。そんなチェコの状況を知り、ユダヤ人の危機を感じた英国首相チャーチルと在英チェコ亡命政府は、密かにハイドリヒの暗殺を計画(エンスラポイド作戦)する。そして軍人のヨーゼフやヤンなど10人を選抜し、パラシュート部隊としてイギリス軍機から投下させる。

 

 

プラハ市内に入ったヨーゼフたちは、協力者の情報をもとにハイドリヒの予定を手に入れ、1942年5月27日早朝からトロヤ橋手前のホレショヴィチェ通りにあるカーブの前でプラハ城へ出勤するハイドリヒの車両を待ち受けた。午前10時半頃、ハイドリヒのメルセデス・ベンツのオープンカーが近づき、カーブでスピードを落とした車の前に一人が飛び出し、徐行させ、そこへヨーゼフが前に出て銃で撃とうとするのだが銃が撃てずに失敗する。そこへヤンが飛び込み、車の下へ爆弾を投げ込み、車は爆発。ハイドリヒは怪我をしたが殺す事は出来ず、ヨーゼフとヤンは追われるが逃げ切ります。

 

逃亡した二人と仲間は、プラハの人々の協力を受けて隠れるのですが・・・。そして、ハイドリヒは・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、凄い迫力で、いつ捕まるかとずーっとドキドキしっぱなしでした。誰が敵で、誰が味方か、本当に解らないんです。味方だと思っていると裏切られたり、もう、本当に人間不信になりそうな映画でした。

 

いつもナチス関係の映画を観る時は、出来るだけ冷静に、どちらにも肩入れしないようにして観ているのですが、この映画ばかりは、やっぱり冷静には観れませんでした。どう考えても、ハイドリヒの考え方はおかしいし、間違っているとしか思えなかったんです。チェコの人々は自分たちの国に住んでいて、いつもの生活をしたいと思って、出来るだけナチスに関わらないように、イヤだけど協力的に生活をしているのに、どう見ても言いがかりを付けて逮捕したり、処刑しているようにしか見えないんですもん。理由があって、証拠もあるなら解るけど、見せしめの為の拷問や処刑ばかりで、これは許せないですよ。

 

 

だから、チャーチルが暗殺に協力して、彼らを英雄視したのも解るんです。でもね、どちらにしろ殺人です。殺されるから殺すというやり方を選ぶしか無かった彼らは、本当に気の毒だったと思いました。仕方ない事なんだけど、やっぱり戦争が起きてしまった事が、彼らを狂わせて行ったのだと思うと、怖ろしいと思いました。

 

 

ハイドリヒが悪い奴だって事は、十分に解ったし、ナチスが残虐な事も解りましたよ。酷い状況が描かれていますから。それでも、暗殺かぁ~と思ったら、相手にも家族が居たんだろうし、家族はハイドリヒを優しいパパと思っていたのかも知れない。父親を殺された子供たちは、やっぱりチェコ人を殺したいと思っただろうし、許せないと思ったんじゃないかな。そう思うと、もう、誰が悪いとか、そういう問題じゃなくなって行くんですよね。戦争の悲劇は味わいたくないと思いました。

 

 

でも、今、北朝鮮がミサイルを撃ったりしていて、もし、日本に落ちたら、その町の人は全滅ですよね。たまたま、落ちていないけど、そんなの分からないでしょ。そうしたら、撃たれる前に撃っちゃおうっていう気持ちにもなってしまうし、もし、撃ったら、あちらも沢山の人が死ぬ訳で、収拾がつかなくなってしまいます。そうなると、一番悪い奴を一人殺せば解決かなーって思うと、このハイドリヒの暗殺と一緒なんですよね。ああー、もう、何処まで行っても、収拾なんてつかないって思っちゃう。困ったもんだ。

 

 

そんな事を考えてしまう映画でした。迫力と緊迫感はハンパ無くて、凄い映画でしたよ。私は、この映画、お薦めしたいと思います。色々な事を考える上で、凄く良い映画だと思いました。ただ、残酷な拷問場面などがあるので、そういうのが苦手な方は辞めた方が良いかな。私は、凄く良く出来た映画だと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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