【フランス映画祭】「The Midwife(ルージュの手紙)」血は繋がらなくても家族だったんです | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭 オープニング「The Midwife」を観てきました。今年も「フランス映画祭」が始まりました。今年は全作行きたいと思い、チケットを購入いたしましたが、あと2日、仕事が入らない事を祈ってます。(笑)これからしばらく映画祭作品の感想が続きます。今年の上映作品は日本公開が決まっているようですので、お楽しみに。星

 

ストーリーは、

実直な性格の助産師・クレールは、亡き父親の元妻で30年間姿を消していたべアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)からの電話を受け、重要で急を要する知らせがあるので会いたいとせがまれる。真面目すぎるクレールと自由奔放なべアトリス。正反対の性格の二人だったが、お互いの古い秘密が明らかになるにつれ、失われた年月が埋まっていく。べアトリスが余命僅かであることが判明し、クレールは彼女の介護をすることに。やがて、家族としての絆が生まれる。

というお話です。

 

 

助産婦のクレールが勤めている病院は、経営難の為に閉鎖される事になります。それでも患者が居る内はと助産婦の仕事に手抜かりはありません。ある日、家に帰って留守電を聞くと、亡き父親の後妻になり、姿を消したベアトリスからの連絡が入っています。30年も経った今更と思いますが、一緒に居た頃は仲が良かったので、一応、連絡をしてみます。

 

ベアトリスは自由奔放で、周りが自分に合わせるのが当たり前くらいに思っている女性。今も美しく、とても魅力的です。彼女は、脳の腫瘍で、もしかしたら長くは無いかも知れないから電話をかけてきたそうなんです。彼女はクレールの父親がどうしているかと聞き、クレールは「貴方が出て行った直ぐ後に銃で自殺をした」と告げます。驚いて声が出ないベアトリスに「何で出て行ったの?」と聞くクレールですが、ベアトリスは最後まで答えを話しません。もう二度と会わないと言ってクレールは帰ります。

 

 

その後、何度となく電話をかけてきて、会う事になる二人。性格の全く違う二人ですが、ベアトリスが住んでいたアパートが売りに出される事になり、住むところが無くなり、クレールの家に転がり込みます。ベアトリスは目眩で倒れるようになり、クレールは付き合い始めた男性に、自分が居ない間、見ていてくれないかと頼みます。クレールが居ない間に意気投合する二人を見て、ついカッとなってしまうクレール。

 

自分が悪かったと思ったクレールは、ベアトリスに父親の写真は無いのかと聞かれ、スライドならあると話して、二人で父親の古いスライドを見始めます。懐かしい夫=父親の姿に涙する二人は、家族なんだと気が付き、クレールはベアトリスの面倒を見ようと思うのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、良かったなぁ。大女優のドヌーブとやはり大御所と言って良いカトリーヌ・フロの共演作なのですが、この二人が素敵なのよ。ドヌーブは本当にベアトリスだし、フロは完璧にクレールなんです。まるで太陽と月のような二人の役柄を、この二人が演じるので、もう、完璧と言って良いほどなんです。

 

クレールの一時的な義母だったベアトリス。きっと、それはもう、美しくて明るくて、太陽のような人だったと思います。そんな彼女が父親の元を去って、太陽を失った父親は亡くなり、一人になったクレールは、きっとベアトリスを恨んだでしょうね。当たり前だと思います。でも、逢ってみようと思ったのだから、楽しく過ごした時間もあったのだと思います。

 

 

30年振りに会うのに、久しぶり~みたいに軽く話しかけるベアトリスは、ドヌーブさん、ピッタリでした。それに対して、いつも硬くて真面目なクレールをフロさん、完璧でしたねぇ。「偉大なるマルグリット」の時の美しく華やかな女性像は全く見られず、上手いなぁと思いました。

 

クレールは助産婦なので、命を生み出す手助けをする人ですよね。誕生なんです。そしてベアトリスは、死に向かっています。生まれ来る者と消えて行く者、それを手助けするクレール。彼女は、一方で生み出し、一方で見送る役目なんです。人間って、産まれたら死に向かって突き進むだけ。だけど、その人生の中で素晴らしい出会いがあり、想いがあり、何一つ、無駄だった事なんて無いんだって教えてくれているようで、感動しちゃいました。素晴らしい映画でした。

 

 

最後に一つ。カトリーヌ・ドヌーブさん、本当に美しいと思いました。彼女は、今の自分の年齢に合った役を演じるんですよね。若作りをする訳でもなく、偉そうに前に出る訳でもなく、そこに、その年齢の女性が立っていて、違和感が全く無いんです。こういう人が大女優なんですよね。日本の女優さんにも見習って欲しい。お婆ちゃんの年齢なら、お婆ちゃんの役をやって欲しい。若作りで母親役を若い男優とやるのは無理があるので考えて欲しいです。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。この映画は、本当に良かったなぁ。日本では冬に公開予定のようで邦題が「ルージュの手紙」だそうです。これは、誰が観ても感動出来るんじゃないかな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

フランス映画祭「The Midwife」http://unifrance.jp/festival/2017/films/sage-femme

 

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