「嘆きの王冠 ホロウ・クラウン ヘンリー五世」

「嘆きの王冠　ホロウ・クラウン　ヘンリー五世」を観てきました。

ストーリーは、

あまりの放蕩ぶりで父親・ヘンリー四世を心配させていたハル王子も、父親の死に直面し、ヘンリー五世を引継いで、王としての自覚と風格を備え、その頭脳を存分に発揮して、良い王として成長を遂げて行きます。

母方の血統から、フランスにおいても王位継承権があるとフランス側に主張していたヘンリー五世に対し、フランス皇太子からヘンリーに宛てて「ノー」の返事と共に、テニスボールが送られてきます。”王には戦争よりも遊興の方が適しているのでは？”という放蕩時代を皮肉ったメッセージであり、激怒したヘンリー五世は、軍を率いてフランスに侵攻する事を決意します。

王の軍に参加し、フランスへ向かう事になったバードルフとピストルとニム。彼らは、ヘンリー五世が放蕩時代に共にいたフォルスタッフの友人であり、彼が死んだのはヘンリーが冷たくしたせいだと思っています。

その頃、フランス国王は、かつて因果ランド黒太子に大敗した過去を思い出しながら、イングランド軍を警戒していた。しかし皇太子はヘンリーを軽薄で気紛れだと呼び、恐れるに足らずと言い放つ。そこへヘンリーの叔父・エクセター公が使者として現れ「王国と王位の返還を求める。さもなくば血が流れる」という要求を突きつける。

フランス王は「王女キャサリンをヘンリーに嫁がせ、持参金としてわずかな公爵領を与える」と返答します。納得のいかないヘンリーは、フランスに侵攻を始めます。彼の素晴らしい采配によりハーフラー町の陥落に成功。そのまま進軍するヘンリーに対し、フランス軍は５倍の兵力を持って待ち構えます。既にイギリス軍は飢えや病で衰弱していたのですが、ヘンリーは一兵卒になりすまし、兵士たちの元を回り、士気を高めようとします。

そして、決戦当日、熱の籠った演説をするヘンリーに兵士たちも呼応し、士気が高まり、逆境の中、善戦します。ヨーク公など貴族たちの戦死の報に悲しむヘンリーでしたが、そこへ、フランス軍の降伏を告げる使者がやってきて、ようやく戦いが終わります。

ヘンリーは一度イギリスに戻り、和平交渉の為にフランスへ再度渡ります。そしてフランスの王女キャサリンとの婚姻を決め、フランスの正当な王位継承者であることを認められ、二国間の和平が実現する。しかし･･･。後は、映画を観て下さいね。

この時代の王としては、賢明で勇敢な王として誰からも慕われたヘンリー五世のお話です。王子の頃は、遊びまくっていて、父親王に酷く心配されていたハル王子でしたが、ヘンリー四世と共に反乱軍と戦った後、王としての自覚をもって、素晴らしい王となったようです。

頭脳明晰で、思慮深くて、なんたってトム・ヒドルストンが演じているので、とっても優しい魅力的な王様でした。カッコいい王様で頭も良くて、政治に長けていて、国民に愛されるなんて、完璧な王様じゃないですか。正に、キング・オブ・キングスです。

でもねー、良い王様は、何故か短命なんですよ。悲しいかな、酷い話です。素晴らしい時代を作ったヘンリー五世は、大きな嵐を起こして、直ぐに去って行ってしまうんです。なんか、ここら辺は、とってもシェイクスピアっぽいと思いませんか？彼の小説って、ハッピーエンドって聞いたこと無いもんね。意地悪よねぇ。

でも、シェイクスピアのお話の中では、このヘンリー五世は、マトモな方じゃないかなと思います。だって、捻くれた性格の主人公、多いじゃないですか。そんな中でも、彼はまともな王様だったと思います。

私は、この映画、お薦めしたいと思います。このシリーズの中で、唯一、狂った姿を見なくて済む内容だと思いますよ。だって、リチャード二世は幽閉されて狂ったし、ヘンリー四世も死ぬ間際、おかしくなっていたし、この先のお話だって･･･。真ん中の話としては、十分に楽しめて、一息つける映画だと思います。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

・劇場版 嘆きの王冠 ～ホロウ・クラウン～／ヘンリー五世|映画情報のぴあ映画生活

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