「花戦さ」の完成披露上映会に連れて行って貰いました。
ストーリーは、
織田信長が本能寺で倒れ、天下人が豊臣秀吉へと引き継がれた16世紀後半。戦乱の時代は終わりを告げようとしていたが、秀吉による圧政は次第に人々を苦しめていた。そんな中、町衆の先頭に立った花僧の池坊専好は、花の美しさを武器に秀吉に戦いを挑んでいった。
というお話です。
寺で花を活けて暮らしている池坊専好の所に、織田信長から花を活けろとの申し出が来る。世間に疎く、織田を知らなかった専好でしたが、大好きな”松”が生けれると言われ、喜んで赴きます。織田信長に”登り竜”をイメージした松を披露し認められた専好。
それからしばらくして、織田信長は亡くなり、世は豊臣の時代となります。ある日、専好に声を掛ける人物がいて、振り向くと、相手は自分を知っている様子。人を覚えるのが苦手な専好ですが、”織田様の所で会いました。”と言われ、はぁ~と返事をする。彼は千利休であり、専好を好ましく思い、お茶を振る舞ってくれます。専好も千利休と親交を深めて行き、良い友人となって行きます。
戦乱の時代は終わりに近づき、良い時代になるかと思われたが、秀吉の政治は人々を苦しめ、沢山の人が命を落としていった。そんな世の中を嘆き、河川敷で花を活けて歩く専好でしたが、世の中は良くならず、等々、千利休までもが、秀吉の犠牲となり命を落とす事になってしまいます。
随分と我慢をしてきた専好ですが、もう許せないと思い、秀吉に花を献上するという名目で戦いを挑みに向かいます。そして・・・。後は、映画を観て下さいね。
生け花の流派で”池坊”ってあるでしょ。その最初の方のお話だと思います。あの時代、戦乱が収まって、良い時代になると思われたけど、秀吉の政治手法は酷かったようですね。まぁ、当たり前ですよね。一番上に立つことを学習してきていないんですから。口が上手いだけじゃ、人は動かせないですもん。
この映画の中では、秀吉の気に入らない人は、ほとんどが殺されて首を切られたようで、酷かったです。気に入らないからって、首切られたんじゃたまんないですよ。でも、そういう時代だったんです。千利休も、全く理不尽な理由で殺されてしまいました。それに怒ったのが、この専好さんです。で、秀吉に物申すってするんですけどね。
生け花で戦うなんて、アホじゃんって思っていたのですが、活けられた花を見ていたら、ああー、これなら心が動くかもって思いました。やっぱり、日本の生け花って、フラワーアレンジメントとは違う、何か、そこに心が籠っているんですよね。何なんだろう。大きな舞台の上で、舞っているような、そんな風に花たちが見えるんです。美しいと思いました。
私、母親が池坊をやっておりまして、実家に帰ると花が活けてあることが多いんです。時々ですが、そんな生け花と向き合うと落ち着くんです。ま、向き合っていると、我が家のフェレットが水盤の中に首を突っ込んで大喜びしちゃうので、直ぐにその部屋からは退散しますが、何か、花にはあるのだと思っています。
いつも思うのですが、もう少し、この生け花というのが、庶民の生活に入り込んでくれないかなと思うんです。映画の中では、町民も楽しく花を活けているんですよ。流派とか難しい事を言わないで「真副体(しんそえたい)」という3つの点さえ押さえて、気持ち良く活ければ良いとか教えてくれれば、もっと末端まで広がって、心のある花が溢れて行くのではないかと思うんですけどね。
フラワーアレンジメントより、生け花の方が、命が宿るし、訴える事も多いし、もっと和というものが伝えていけると思うんですけど、もっと上手くいかないのかなぁ。花を活けるほど、贅沢な事って他に無いでしょ。あっという間に枯れちゃうんだから。ブランド品や宝石なんて、花の美しさに比べたら、何の命も無い。無駄なモノです。
この映画で、もう少し、人々も和の生け花というものに目を向けて欲しいし、池坊さんだけじゃなく、色々な流派の方々が、もう少し、庶民に身近になるような取り組みをしてくれないでしょうか。だって、千利休の茶室に椿が一枝指してあって、それだけでも素晴らしく凛としていて、美しいと感じられたんですよ。もっと人々の心が豊かになるべきなんです。そんな心遣いが出来るのは、日本人だけでしょ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっと池坊の宣伝っぽいかなとも思いましたが、観てみたら、歴史超大作になっていて、宣伝などは全くありませんでしたし、野村さんと佐藤さんの演技が素晴らしかったです。感動作でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
上映会での皆さんの挨拶です。素敵でしょ。
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