「美しい星」三島のマジなギャグが炸裂!とても重要な事を訴えているんですよ、これ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「美しい星」の試写会に連れて行って貰いました。

 

ストーリーは、

予報が当たらないことで有名なお天気キャスター・大杉重一郎は、妻や2人の子どもたちとそれなりの暮らしを送っていた。そんなある日、重一郎は空飛ぶ円盤に遭遇したことをきっかけに、自分は地球を救うためにやって来た火星人であることを確信。さらに息子の一雄が水星人、娘の暁子が金星人として次々と覚醒し、それぞれの方法で世界を救うべく奔走するが…。

というお話です。

 

 

大杉重一郎は、妻と二人の子供を持つ、有名なお天気キャスターです。有名なので、もちろん寄って来る女も多く、目下、爆走不倫中!ある日、彼女とホテルの帰り道でUFOに出会い、意識を無くします。気が付くと、一人で、畑に車が突っ込んでいる状態でした。一緒にいた女に昨日の事を訊ねるのですが、普通に別れたと言われ、訳が分かりません。不安になっているのですが、ある時、突然、自分が火星人だった事を思い出します。

 

重一郎の息子・一雄は、自分が水星人だった事を思い出し、娘・暁子は金星人だった事を思い出します。一雄は、それまで、バイク便の仕事をしながら、何をやったら良いのか解らずにいましたが、ある政治家と出会い、その秘書として働くようになります。どうも、先輩の秘書も水星人らしいんです。

 

 

暁子は地球人の美の基準が歪んでいる事に気が付き、美の基準を正そうと、ミスコンに参加する事に決めて、自分が美の基準となるべく、奮闘しますが、地球人の美の感覚は正せません。そんな時、街中で歌を歌っている男性と出会い、彼が歌っていた金星という曲に惹かれます。そして、彼を追って北陸に向かいます。

 

重一郎の妻・伊余子は、家族に相手にされず孤独です。ある日、”おいしい水”を買わないかと言われ、水のねずみ講に引っかかってしまいます。どんどん水を買い、水を売り、周りの人達にちやほやされて、水の販売に夢中になってしまうのですが、その水が嘘だと解り・・・。。伊余子は地球人のようです。

 

 

重一郎は火星人だった事に気が付き、地球が直面している温暖化やエネルギー問題を解決しなければ、地球が滅亡してしまうという事に気が付き、地球人にそれを知らせる為に、自分のお天気番組で地球の危機を訴えるのですが、誰からも理解されず、あまりの異常さに番組を下ろされてしまいます。そして・・・。

 

家族は、自分たちがそれぞれ違う星の住民だという事を知り、今の地球の事を思うのですが、重一郎が突然に倒れてしまい・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

待望の三島由紀夫原作の映画化、嬉しいです。「美しい星」は、1960年代の三島さんが生きていた頃のお話であり、あの時代にロシアで巨大出力の水素爆弾が開発されていたそうで、核戦争が起きたらと考え、この小説は書かれたのかなと思いますが、映画では、それを現代に置き換えて、温暖化やエネルギー問題で地球が滅亡してしまう事を危惧した火星人が騒ぐって事になっています。

 

原作がある話でも、上手く合わせて変えて行けば、とっても上手くまとまるのにね。私は、この変更、上手かったと思います。話自体が軽くなり、とても観やすくなっていると思いました。三島フリークの私が言うんだから間違いないと思います。あ、反対の方、ゴメンナサイ。

 

 

三島さんの小説は、本当に繊細な人間の心を描いているものが多くて、好きな人には解るけど、その繊細過ぎてちょっと変態っぽい感じを理解してくれない方もいらっしゃるので、難しいんですよね。それを、この映画では、とても大衆的というか、解りやすく砕いてくれていて、良かったんです。

 

今回は、キャスティングが良かったですね。リリーさん、ピッタリじゃないですかっ!!あの手を広げたキメポーズ、最高ですっ!誰か、お天気キャスターさん、やってくれないかな。そらジロー先生、やってくれないかしら。あ、手があんなに上がらないか。(笑)そらジローって、鶏?魚?

 

 

それにしても、三島さんって、あの時代に、このSFを書くってスゴイですよね。SFと言ったら、真面目なジャンルだったのに、こんなに笑える小説になっているんですもん。原作は、一応、真面目そうに書いてあるんだけど、笑えるんですよ。不思議なユーモアのある方だったんだろうなぁ。会いたかった。

 

三島と聞いただけで、書きたい事が山ほど出て来ちゃうんだけど、映画の感想だけで止めなくちゃ。

 

 

私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。三島さんが好きな私も、この脚本は上手いと思いました。上手く変更し、良く練ってあると思います。これなら笑いながらでも、地球の危機的状況を考えられるし、今、一番取り組まなくちゃいけない問題も良く解かると思いました。難しい事を考えず、リリーさんを観て、大笑いするだけでも、十分に楽しめると思います。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。

 

 

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