「ノー・エスケープ 自由への国境」アメリカに渡りたい気持ちも阻止したい気持ちも解るなぁ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ノー・エスケープ 自由への国境」を観てきました。

ストーリーは、
メキシコとアメリカの間に広がる砂漠の国境地帯を、モイセスら15人の不法移民たちが越えようとしていた。そこへ突如として銃弾が撃ち込まれ、仲間の1人が犠牲になってしまう。摂氏50度という過酷な状況の中、水分も武器も通信手段も持たない彼らは、生き残りをかけて壮絶な逃走劇を繰り広げる。
というお話です。



メキシコからアメリカへ国境を越える移民が増えている昨今。 不法移民だったモイセスは、家族を残して、アメリカで不法滞在者として逮捕され、メキシコへ強制送還されてしまう。家族に会う為には、何とかしてアメリカへ帰らなければならず、仕方なく、国境付近の違法ガイドを頼み、メキシコからアメリカへの不法入国をするためにトラックで輸送されることになる。


砂漠の中で、車がエンストしてしまい、国境近くの砂漠を歩いて、アメリカの町へ移動しなければならないのだが、ガイドたちは、砂漠を歩いて渡るのは危ないと警告する。しかし、その場から移動するには、砂漠を渡るしか手立てがなく、仕方ないので、一人のガイドが砂漠の経路を案内しながら、メキシコ国境を越えて、アメリカの砂漠へ出て、町まで案内しようとする。



砂漠を渡っていると、どこからかライフルの音がして、一人づつ殺されてしまう。ガイドまで殺されてしまうが、ガイドの歩く速さに付いて行けなかった落ちこぼれグループの何人かが、ライフルの洗礼から逃れ、逃げることに成功します。

ライフルで不法移民を撃っているのはアメリカ市民。不法に入ってくるメキシコ人を排除するべく、一人とパートナー犬で、国境付近を周りながら、獲物を狙っています。彼は、メキシコ人に恨みがある訳では無いようですが、不法に入ってくる移民を、自分の狩猟の獲物として狙っているようでした。その理由は深くは暴かれません。

狩猟の獲物として狙われるメキシコ人のモイセス他何人かは、彼から逃げながら砂漠を抜けてアメリカの街へ逃げ込もうとしますが、一人また一人と、撃たれて命を落としていきます。最後にモイセスと女性が残るのですが、モイセスは、彼女を助けるために、狙撃者をおびき寄せ、砂漠の高台にて、彼と対決することを決意します。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。



この映画、ゾンビに追われる人間のホラーよりも怖いと思いました。ま、そりゃ、生身の人間同士の殺し合いだから、恐ろしいわな。今、トランプ政権になって、メキシコとの国境に壁を造るやらという話が出ているからこそ、すごく考えさせられる映画でした。


主人公のモイセスは、もちろん不法移民ではあるけど、アメリカで家庭まで持って、生活をしていたんです。子供も生まれて、このままアメリカで生活が出来ると思っていたのに、強制送還され、家族とは一生会えないかもという状態でしたが、会いたいが為に、国境を渡ってアメリカへ不法入国しようとしている訳です。



でもね、考えてみれば、アメリカ人からしてみれば、不法なんですよ。自分たちの市民権を脅かす存在なんです。だからね、移民を撃っている彼の気持ちも分からないではないんです。恐ろしい事だけど、でも、自分たちは、アメリカの市民であり、税金も払っている。それなのに、不法に入ってきた人間が、仕事を得て、彼らの生活を脅かし始める。だって、アメリカ人を雇うよりも安く雇えるわけでしょ。日本でも一緒ですよね。コンビニに行くと、韓国人や中国人、南米人、東南アジア人など、たくさんの人種の方が働いている。日本人が働くはずだったところのバイトに外国人がいるのなら、日本人の仕事は無くなっているという事でしょ。それは、仕事を奪われていると言って良いのかも知れない。



仕事を奪われた人々は、誰かを恨みますよね。それが、この映画の狩る方と狩られる方の話になると思うんです。日本は銃の所持は出来ないけど、アメリカは出来るから、こんな事も起こり得るという訳です。私は、どちらのいう事も、間違ってはいないように思えて、責めることが出来ません。普通なら、残酷に殺す方が悪いと決めつけるのでしょうけど、不法移民の為に、自分が生活出来なくなった方だったとしたら、どうでしょ。お金も無くなって、そのまま野垂れ死にするしかないとなったら、その恨みで殺したくなるかも知れない。そんな気持ちも解らないではないと思い、考えてしまいました。



トランプ大統領の言う事は確かに過激だけど、当事者たちにしてみれば、何とかして、移民を止めたいというのが本音だと思うんです。自分たちの生活を守る為ですもんね。だから、一概に、この残酷な狩人を責められないと思いました。

日本は海があるから、これ程の問題は起きていないけど、やっぱり移民の問題は、日本人の誰もが考えなければならない問題だと思います。だって、犯罪が増えているのは本当だものね。外国人の常識がはびこると、日本人の持つ性善説が通らなくなり、日本人が日本人で無くなって行ってしまいます。外国人が日本人の常識に従わなければならないくらい、日本人が強くなる必要があるのかなと思いました。



移民の問題を考える上で、加害者被害者と簡単に考えるのではなく、どちらも被害者なのだと認識する為にも、この映画は、お薦めしたいと思います。見た目は、狩人のオッサンが悪そうに見えるけど、良く考えてみて欲しい。悪いのはどちらなのかという事を。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ


ノー・エスケープ 自由への国境|映画情報のぴあ映画生活


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