イタリア映画祭13作目「歓びのトスカーナ」を観てきました。
ストーリーは、
精神を病む女性たちが共同生活を送るビオンディ荘。患者のベアトリーチェはセレブ気取りで周囲から浮いているが、固く心を閉ざす新参の若いドナテッラに関心を持ち、何かと世話を焼いている。
ある日、施設外の作業場への送迎車が遅れた為、市営バスに乗り込んだふたりは、郊外のショッピングモールで束の間の自由を謳歌する。施設の職員が探す中、ふたりは車を奪い、大胆なベアトリーチェのリードで逃走を続ける。薬の禁断症状に悩まされながらクラブにたどり着くが、そこでトラブルを起こしたドナテッラは司法精神科病院に再び収容されてしまう。彼女には、クラブのオーナーとの間に息子を設け、男の行動に失望して幼い息子と無理心中を図った過去があった。
ベアトリーチェは著名弁護士の元夫を訪ね、ドナテッラの過去を探り出して、彼女を病院から脱走させる。ベアトリーチェの実家の豪邸で撮影中の映画のエキストラに扮して逃げ出したふたりは、養父母の元で暮らすドナテッラの息子に会いに、再び車を走らせる。
というお話です。
精神を病んでいる女性を収容する施設・ビオンディ荘には沢山の女性が収容されているのですが、その精神の状態は、人それぞれ。ベアトリーチェは、結構、イッちゃっているようでしたが、状況や人の話は理解出来るようで、だからこそ、彼女に騙されたり、出し抜かれたりして、職員は大変な事になるんです。
そんな彼女が、次に目を付けたのは、若いドナテッラ。美しいドナテッラは、他の患者とは違い、精神を病んでいるというか、悩んで鬱になっているように見えました。何も分からない患者が多いなか、ベアトリーチェとドナテッラだけ、まるで色が付いているように浮いて見えました。きっと、ベアトリーチェは、彼女なら私を理解し、友達になれると思ったのだと思います。

ドナテッラは、複雑な家庭環境に育ち、愛を知らなかったけど、働いていたクラブのオーナーを好きになって、子供を産んだんです。でも、オーナーには妻も子供も居て、ドナテッラは何の保証もされずに放り出されて、経済的にも苦しいドナテッラは、暫くして、息子と無理心中をしたところを保護され、息子は養子に、彼女は精神疾患として病院に収容されたんです。

そんな彼女の過去を、ベアトリーチェは、施設の病院のカルテを盗んで知って、ドナテッラを息子に会わせてあげようと奔走します。元夫の弁護士に頼んだり、嘘を重ねて電話をしたりと、他の人なら面倒で絶対にしてあげないような事を、一生懸命やるんです。このベアトリーチェって、ネジが外れているけど、友達になりたい奴です。一度、この人を助けると思ったら、最後までやり遂げようとする女なんですもん。普通なら、警察に捕まるかもとか、自分の身を案じてやらないような事も、平気なんです。ステキでしょ。

そんな彼女のおかげで、ドナテッラは、きっと、これから落ち着いて、普通に戻って行くんじゃないかな。きっと、普通に戻っても、このベアトリーチェとの友情は、決して忘れないと思います。ここまで友達の為に出来る奴って居ないもん。絶対に忘れないよ。

私は、この映画、とってもお薦めしたいと思います。これ、良かったです。特に、女性には観て欲しいな。日本公開は、7月上旬らしいので、ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
イタリア映画祭 http://www.asahi.com/italia/2017/