イタリア映画祭14作目「カテリーナ、都会へ行く」を観てきました。
ストーリーは、
カテリーナは合唱を愛する13歳。高校教師の父の転任で、田舎町からローマに住む事になった。転校先のクラスは左派の文化人を両親に持つマルゲリータ派と、右派の政治家の父を持つダニエーラ派が対立している。都会の同級生に付いて行けないカテリーナだが、マルゲリータに気にいられ、彼女と行動を共にするようになる。
一方、うだつの上がらぬ父親は、娘の同級生の親を頼りに、作家としての足掛かりを得ようとする。刺青を入れ、酒を飲んでいるところを父親にみとがめられ、マルゲリータとの交際を禁じられたカテリーナに、今度はダニエーラが近づき、ローマの街で繰り広げられるセレブのパーティーに連れ出す。
ダニエーラとも訣別したカテリーナは、同じアパートに住むオーストラリア人少年エドワードと知り合い、本来の自分を取り戻そうとするが、社会に失望し、母の浮気を知った父が失踪してしまう。中学を卒業し、帰国するエドワードとの別れを経て、数年後、カテリーナは音楽院で歌を学ぶ夢を叶えていた。
というお話です。
カテリーナは、田舎でゆったりとした暮らしをしていたのに、突然、父親の転勤で都会に出て来てしまったから、そのスピードに付いて行けないし、とにかく、周りに振り回されっ放し。仕方ないけど、可哀想でした。でも、中学生くらいだと、こんな感じなんでしょうね。それでも、容姿は可愛かったから、クラスのボス的な存在に可愛がられて、なんとか生活をしていたと言う感じ。
そんな大変な思いをカテリーナがしているのに、父親はやりたい放題で、娘の友人が有力者の娘だからって、そのコネを利用して、自分の小説を売ろうとか、名前を上げて貰おうとか、そんな事ばっかりなんです。マジでダメ男ってこういう奴だよねっていうような父親でした。そんな父親に失望して、段々とストレスが溜まって、精神的に追い詰められていく母親。家庭崩壊直前でしたね。
やっぱり、田舎と都会じゃ、過ぎて行く時間の速さが違うような気がします。田舎で、穏やかな自然の中にいると、時間がゆったり流れているような気持ちがするもん。ちょっと移動するだけでも違いが分かります。だから、カテリーナが戸惑ったのも、良く解かるんです。それなのに、このバカ親父ったら許せんっ!周りの状況を見ろっつーの!
そんな都会で揉まれたけど、カテリーナは、自分がやるべき事を見つけて、きっと、これからは周りに左右される事無く、頑張って行くんじゃないかな。そんな未来が見えるような映画でした。
子供は親を選べないから、本当に困るわよね。この親、ダメだなって思ったら、子供でも駆込めるような「子供駆け込み寺」みたいのがあれば良いのに。いつも思うんだけど、子供はどうしても親に左右されちゃうでしょ。どうしても嫌なら、助けてあげられる場所を、もっと世間にアピールして、子供たちにも色々な選択肢を与えてあげたいよなぁと思います。行政が動かないと、こればかりは民間だけでは出来ないでしょ。犯罪になっちゃうもんね。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。親の都合で振り回されてしまう子供の姿を、良く描いているなと思いました。でも、ちゃんと彼女が成長しているから、嬉しくなったけどね。ぜひ、観る機会があったら、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。