ストーリーは、
バルト海に面した高級ホテルで開かれるG8の財務相会議。そこでは、特に発展途上国の経済に大きな影響を与えかねない重大な決定が下されようとしている。その会議の前夜、国連通貨基金のダニエル・ロシェ専務理事は、各国の財務相に加えて、世界的なポップスター、絵本シリーズで有名な女性作家クレール・セス、そしてイタリア人修道士ロベルト・サルスを招いて自身の誕生祝の夕食会を催します。
夕食後、サルスはロシェから部屋に呼び出され、懺悔がしたいと告げられる。懺悔を聞いたサルスが部屋に戻った翌朝、ロシェがビニール袋をかぶってしんでいるのが発見される。自殺か、他殺か?警察の極秘捜査が続けられる中、間近に迫る記者会見の場で発表すべき決定をめぐり、そもそも一枚岩ではなかった各国の財務相の間で政治的駆け引きが始まる。ロシェの懺悔の内容を巡り、彼らの駆け引きに巻き込まれたサルスは、関係者たちの前で自らの思いを語り始める。
というお話です。
G8の財務相会議って、裕福な国の人々が経済を考えて動かすものだから、貧困国を助けようなんて思いはサラサラ無いんですよね。これ、一般の人々がそう思うなら当たり前だと思うんです。各個人が何かしようとしても、貧困国が裕福になる訳では無いから。でもね、大きな国の財務相がそれを考えちゃダメでしょ。そりゃ、神様も怒るわよ。
今回は、最初に怒ったのは通貨基金のロシェさんだったんだけどね。こんな事、やってちゃダメだって思ったから、こういう行動に出たんだと思うんだけど、その行動だって、サルスが動かなかったら、只の犬死だったんだと思うんです。酷い話よ。
でもね、きっとサルスも、ロシェの事件があって、財務相たちが心を入れ替えるかと期待していたんだと思うけど、そんな事、一切無かったですね。それでサルスが切り札を出すんだけど、これ、本当は、何の効力も無かったんだと思うんですけど、それを深読みした外務相たちが、考えを翻る様は、大笑いでした。自分の首が危なくなるような事は決してしない人達なんですよね。最悪です。
キーとなるアルゴリズムが出てくるんだけど、見た目、とっても綺麗な数式なんです。うん、ステキよね。数式って、パッと見がとても重要で、ただ、答えが出せれば良いというもんじゃないのよ。出来るだけ簡素で、難しい文字が少ないほど美しいと思うのは私だけかしら。私は、ピタゴラスの定理が一番好き。シンプルで良くこれ考えついたよなぁと思う程、何にでも転用出来るし、とても役に立つし、誰にでも解りやすい。これが王道よね。あ、話がズレちゃった。

きっと本当のG8も、こんなもんなんだろうなぁ。貧困国の事なんて、知ったこっちゃ無いって言っているんだろうなぁ。特に、今、こんなに経済が不安定で、シリアを爆撃したり、北朝鮮と戦争になるかもなんて言っているから、どの国も自分の国を守る為の体制に入っているだろうから、そうなっていそうな気がします。
でもさ、貧困国も他国に頼るばかりじゃなくて、自分たちでも行動して欲しいよ。経済で返せないんだから、せめて気持ちで返して欲しいよなぁ。そうすれば、経済協力する意味もあるけど、何も無いんじゃ、人の為に必死で経済を立て直している国からしたら、ムカつくよね。こんな頑張ってんのに、その見返りがこれかよっ!って思ったら、やっぱり、この映画のG8のように、自分たちの利益だけを追求したくなるよ。

人間は基本は同じなんだから、平等というなら、なんで努力する人間としない人間を同じようにしようと思うのかしら。努力した方が楽になるのは当たり前で、しなければ苦しくなるのは当たり前でしょ。自分の首を絞めてるんだから。だから、私は、このG8の財務相の事を責められないし、でも、貧困国を切り捨てようというのも許せないと思う。どっちもって、調子が良いかもしれないけど、どうしようもありません。
神様が見ているなら、悪い事は止めて欲しいけど、努力した者には褒美をあげて欲しい。それが平等って事でしょ。贔屓はダメですよ。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。政治色の強い映画なので、ちょっと眠くなるかな。でも、サスペンス仕立てなので、楽しめると思います。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
イタリア映画祭 http://www.asahi.com/italia/2017/