イタリア映画祭1作目「君が望むものはすべて」を観ました。
ストーリーは、
ローマの下町で定職にもつかず、仲間たちと無軌道な生活を送る22歳の若者アレッサンドロ。かつては数々の文学賞を受賞し、大きな名声を博しながら、今は忘れ去られた85歳の老詩人ジョルジョ。近所に住みながら、何一つ接点のないふたりに訪れた出会い。それは、ある日、喧嘩騒ぎで警察の厄介になったアレッサンドロに、父親は老詩人の午後の散歩の相手をする仕事を見つけてくる。アルツハイマー病の少女を呈する老人の相手をいやいや始めたアレッサンドロだったが、やがてジョルジョの詩とその人柄に惹かれて行く。
世話を続けていたアレッサンドロは、使われていない部屋の壁一面にジョルジョが書いた詩と十字架の絵を見つけます。それを手掛かりに、従軍兵士時代に何か大切なものを十字架の下に埋めたのではないかと考えたアレッサンドロは、ジョルジョと共に宝物探し(?)の旅を決行。詩人の家にたむろするようになったアレッサンドロの遊び仲間らも加わり、一行はトスカーナの小さな村オスペダーレへと向かいます。そして・・・。
というお話です。
映画祭の1作目の上映だったのですが、それが、凄く良かったんです。アルツハイマー病のジョルジョは、直ぐに色々な事を忘れてしまうし、話している事も辻褄が合わなくなったりすることもあるんだけど、凄くステキな男性なんです。女性には優しく、正義感を持っていながらユーモアのセンスもあって、大人の素晴らしい男性なんです。
そんな彼を、最初はボケたジジイとしか思っていなかったアレッサンドロが、段々と認めて行くんです。そして、今まで、周りから理解して貰えなかった自分を助けてくれる存在となっていき、それまでの苦しかった思いが爆発して、ジョルジョの膝の上で泣きじゃくるアレッサンドロを観て、泣きそうになってしまいました。理解して貰えないから突っ張っていて、生活が荒れてしまう事って、若い子に多いでしょ。そのまま、誰にも助けて貰えないと、きっと、何か不安定なまま大人になっちゃって、安定しない生き方になってしまうんだけど、きっと、このアレッサンドロは、ジョルジョに会えた事で、心の拠り所を見つけて、前を向いて歩いて行けるようになるんだと思うんですよ。これ、本当に、良く解かるなぁって思っちゃいました。
出来れば、自分を守って理解してくれるのは、親じゃないといけないんだけど、アレッサンドロの母親は、2歳の頃に亡くなったようで、今は、父親に恋人が居て、一緒に住んでいるんです。それも、アレッサンドロには気分が悪いんですよね。
この感じというか、こういう心の動きを描いてくれる作品を待っていたんです。いやぁ、1作目で観れるとは、嬉しい驚きでした。これを観て思ったんだけど、今時、共働きだったり、片親だったりすると、親と一緒に居られない子供が多いでしょ。そういう子供と老人って、繋げられないのかしら。大切な事を、お年寄りから子供に伝えられたら、そんな良い事って他に無いと思うんですけどねぇ。難しいのかなぁ。こんな温かい交流が出来たら、乾いた心の人間も減って行くのではないかと思いました。
私は、この映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。と言っても、映画祭の作品なので、まだ、日本公開が決まっていません。もう一度、映画祭での上映があるので、もし、チャンスがあれば、観て欲しい!これは万人にお薦めしたい作品です。ぜひ、観てみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。![]()
イタリア映画祭 http://www.asahi.com/italia/2017/




