「ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男」を観てきました。
ストーリーは、
南北戦争で戦死した甥の遺体を故郷のミシシッピ州ジョーンズ郡に届けようと、南部軍を脱走したニュートン・ナイトは、故郷で農民から食糧を奪う軍と衝突し、追われる身となる。身を隠した湿原で黒人の逃亡奴隷たちと出会い、友情を築いたナイトは、白人と黒人がひとつになった反乱軍を結成し、自由のために立ち上がる。
というお話です。
ミシシッピーに住んでいたニュートン・ナイトは、普通の農民でしたが、南北戦争が始まり、無理矢理に戦争に従軍させられます。衛生兵として働いていたのですが、その内、奴隷を20人所有していれば、長男は兵役を免除されるという法律が出来、それは、金持ちなら従軍しなくても良いという事であり、こんな不公平な事と思い、軍から脱走します。
自宅に戻ったニュートンは、隠れながら暮らしていましたが、農民の家から軍の徴収だという名目で何もかも持って行く軍に反発し、彼らと戦ってしまいます。脱走兵であり、犯罪者になってしまったニュートンは、白人が行きたがらない湿地帯に逃げ込み、たくさんの黒人の逃亡奴隷と出会い、今の奴隷制度に立ち向かう為に軍を作り、南部軍からの独立を宣言して、戦い始める。
南北戦争後、リンカーンの奴隷解放により、自由になれると思っていたのだが、その後の大統領により、その宣言は継続されず、またも、黒人奴隷に対する人種差別が広まって行く。KKK(クー・クラックス・クラン)などの秘密結社により、黒人狩りが頻繁に起こるようになり、もう一度、選挙で奴隷たちにも選挙権が与えられるように活動を始めるのですが・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、とても衝撃的な内容で、アメリカが自由の国として設立されるまでの重要な歴史が描かれているのですが、あまり、歴史を知らないと、結構、一足飛びに行くので、解らなくなる方もいらっしゃるのではないかなと思いました。リンカーンの所なんて、あっと言う間に終わっちゃったもんね。ここだけで映画が1本作られた位なのに。(笑)でも、面白かったですよ。
ニュートン役をマシュー兄さんがやっておりまして、また、この汚いワイルドな感じがステキなのよ。埃だらけで、臭そうなんだけど、でも、ステキなの。信念を貫く男としての姿が、超!カッコいいんです。やっぱり、こういう役、合いますねぇ。
KKKって、アメリカ人にとって、結構、黒歴史らしく、あまり映画に描かれる事が無いんだけど、今回は、彼らがやった事を、分かり易く描いていましたね。もっと残虐だったらしいけど、まぁ、それにしても、映画の中でも、酷かったです。相手を人間と思っていないから、とんでもない事を平気でやるんですよね。でも、日本でもあった訳でしょ。士農工商の差別があった時代に、最下位の層の人間に対しての酷い仕打ちがあって、それが、今の”同和”問題に繋がっているって聞いたことがあります。学校では教えてくれない事って、結構、あるんですよ。どの国にも、黒歴史が埋まっているんです。
ニュートンの歴史を描きながら、それと並行して、彼の子孫が差別制度で苦しむ歴史も描いていて、それを描くことによって、いつまでも差別が無くならない事を描いていました。少し前に「ラビング」という映画が公開されて、今回のアカデミー賞でも話題になった作品ですが、あれと同じ問題が、この映画の中でも描かれていました。好きな人と、人種が違うから結婚が出来ないなんて、間違ってるのに、誰もそれを正そうとしてこなかったと言うのが驚きです。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。本当は、超!お薦めと書きたいのですが、これ、アメリカの歴史を勉強していないと、きっと、それ程、グッと来ないと思うんです。というか、早くて付いて行けないんじゃないかと思ったので、あえて、お薦めとしておきます。でもね、解かると、本当に面白いですよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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