「人生フルーツ」いい時代の建築士だから、こんな穏やかな生活が出来たのでしょう。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「人生フルーツ」を観てきました。

 

ドキュメンタリーなので内容は、

自身が設計を任された名古屋近郊のベッドタウン、高蔵寺ニュータウンに夫婦で50年間暮らす90歳の夫・修一さんと、敷地内の雑木林で育てた野菜や果物で得意の料理を手がける87歳の妻・英子さんの津端夫婦。敗戦から高度成長期を経て、現在に至るまでの津端夫婦の生活から、日本人があきらめてしまった、本当の豊かさを見つめなおす。

というお話です。

 

 

ドキュメンタリー映画なので、直ぐに感想に行きますね。

 

建築のランドスケープから設計に携わる建築士の津端さん。この年齢の方だと、建築士の試験なんて受けないで免許を貰っている人でしょう。まして、焼けてしまった広い土地に建築を計画出来るなんて、そんな幸せなことをやっていた方なら、これ程に余裕のある生活が出来るようになるのだと思いました。

 

 

もちろん、自然と共に生きる事が出来たら、そんな幸せな事はありません。もし、戦後の彼らが、野山を切り崩して開発をしなければ、今、野生動物の生息地が失われ、絶滅危惧種が増えてなんてことは起こらなかったんです。日本が復興する為には仕方が無かったと言われるかも知れませんが、それは人間のエゴでしょ。それで、自分の家には自然をとか、色々な施設には樹を植えてとか、それは、慰めにしかなってない。手を入れてしまったら、そこに動物は住めないんです。

 

 

お年寄りの夫婦が、自然を大切にして、穏やかに暮らしているドキュメンタリーなので、建築の仕事を指して文句を言うべきではないかも知れませんが、やっぱり、同じ建築をやるものとして、彼らの時代が全て壊してしまったと言う事を判っていて欲しい。こんな日本に誰がしたって、彼らの時代でしょ。ワイロが横行して、建築会社から政治家に金が流れて、税金が垂れ流されるのは、この時代の名残です。

 

 

話戻して、この奥さん・英子さん、とても夫・修一さんに依存しているんですね。何をするにも、”お父さんが”って話していて、この時代の人ってこういう風なのかしらと思いました。私の義父母が、ちょっとこんな感じで、お父さんが亡くなったら、どうして良いのか解らなくなってしまったようで、何かを見つけさせるまで大変でした。まぁ、年齢が津端夫妻よりも若いので何とかなりましたが。これ程に夫に依存するって、自分の事を考えると、あり得ないと思っちゃいました。

 

 

300坪の土地を買って、平屋の家を建てるなんて、そんな贅沢な生活、羨ましいです。団地というと、ほとんどが公社、公団ですよね。税金投入で、凄く潤っていたはずだから、凄いお給料を貰っていたんでしょうね。今のサラリーマンなんて足元にも及ばないと思います。それなら悠悠自適に生活が出来るよね。今のサラリーマン、大変だなぁ。

 

なんか、とっても良いドキュメンタリー映画で、何か賞まで貰っているそうなのですが、ゴメンナサイ、私、酷い事しか書けませんでした。もちろん、ステキな御夫婦だし、自然を大切に生きるという気持ちは解りましたが、その基盤は、戦後の良い時代に、税金絡みの仕事で多くのお給料を貰った人の隠居生活と見えてしまいました。

 

 

今、この厳しい時代に、自然をと言われても、30坪くらいの小さな家に住んでいる人達が、どうやって庭に樹を植えるんでしょ。枯葉が落ちれば汚れるからと文句を言われ、たき火は出来ず、肥料のたい肥を入れれば臭いと言われ、竹なんて植えたら根が道路のアスファルトを持ち上げてしまい損害賠償を求められなんて事が起きる時代なんです。かと言って、都会を離れ、田舎に行くと仕事が無くなってしまう。八方塞がりですね。

 

こんな事を、真剣に考えさせてくれた映画だと思うと、良い映画なんだろうと思います。驚いたことに、映画館は満員でした。この映画で、世のオバサマ方がこんな二人に憧れるのかしら。頑張っても、彼らの様には生活は出来ませんから。でも、夫婦仲良くはなれるかも知れませんね。それは、とっても良い事だと思います。

 

 

この映画、私は、お薦めしたいと思います。素直に観ると、穏やかな自然と生きる夫婦の生活を楽しめると思います。私のように、ハスから観ないでくださいね。(笑)でも、目に見えるものと真実は違います。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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