「汚れたミルク あるセールスマンの告発」確かに酷い話とは思うけど企業に責任を問えるの? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「汚れたミルク あるセールスマンの告発」を観てきました。

 

ストーリーは、

あるグローバル企業がパキスタンで粉ミルクを強引に販売したため、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児の死亡率が増加してしまう。自分の販売した粉ミルクが子どもたちの命を脅かしていることを知ったセールスマンのアヤンは、企業を訴えようとするが……。

というお話です。

 

 

パキスタンに住むアヤンは、自国製品の薬を販売するセールスマンでしたが、誰もが自国の製品を信用しておらず、海外からの輸入品が良いものだと思って購入するので、全く商売になりません。結婚もしたし、家族の為に稼がなければならないので、大手グローバル企業の面接試験を受ける事にします。

 

 

大卒でないと受からないと言われていた企業に採用され、頑張って成績を上げろと言われて、それまでに回っていた病院に周り、医者に海外企業の粉ミルクはとっても良い物だからと言いながら、謝礼や優遇措置をし、素晴らしいセールスの成績を上げて行きます。

 

その地域でのトップセールスマンとなったアヤンは、以前から付き合いのあった医者が研修を終えて、元の病院に戻ってきたので、粉ミルクの販売に訪ねて行くと、その医者に、自分が売った粉ミルクが不衛生な水で溶かされ、乳幼児に与えられて、栄養が足りずに死んでいる例が多々出ていると聞かされます。

 

 

アヤンは、安全な粉ミルクなので、喜ばれていると思い込んでいたのに、死亡事故が起きている現実に触れ、驚いて、企業を訴えようとするのですが、誰も取り合ってくれず、企業も事実を知っていながら、知らない振りをして販売を続けています。人権団体などに訴えて、運動を起こすものの、大きく取り上げてもらえず・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、衝撃的なのですが、ただ映画を観て、企業が悪いと決めつけて良いのかと考えてしまいました。だって、確かに強引に粉ミルクを販売したと言われればそうだけど、医者や看護婦、母親たちに教育があれば、こんな問題になっていないハズですよね。要は、汚い水で溶かない事。水の量を規定通りに使う事って事でしょ。それを、貧困だから、凄く薄めて使ったり、汚い水を使っているから、子供たちに栄養失調が増えて死んで行くんです。うーん、一概に企業が悪いと言って良いのか。

 

 

アヤンが訴えるのも良いと思うけど、これ、訴えても企業が負けるとは思えないんですよね。企業は、悪魔でも母親からの母乳が出なかったり、栄養不足の場合に、補助食品として粉ミルクを使ってくださいっていう事で販売しているんでしょ。まして、分量もキッチリ書いてあるハズだし、清潔な水を使えって書いてあると思うんです。だから、文字が読めて、その通りに使える人ならば、何の問題も無いんだけど、パキスタンの貧困層に販売して、医者に進めて欲しいと強く言ったから問題なんです。そうなると、販売員の責任になるから、企業は全く傷を負わないと思うんですよねぇ。うーん。

 

 

これだけ問題になれば、パキスタン政府だって、考えて、医者たちに教育したんじゃないかと思うのですが、その後、どうなんですかね。ちゃんと、こうやって、こういう場合のみ粉ミルクを飲ませなさいって教育するようになっていれば良いんだけど、そのままだったら、問題だと思います。

 

でもね、何処まで行っても、企業は責任を取らないと思いますよ。というか、責任は無いからね。無理に販売をした販売店と販売員は悪いかも知れないけど、粉ミルクの缶に注意書きがあるハズだから、企業は、何処までも逃げますよ。だって、書いてあるんだもん。これが大企業のズルいところなんです。でも、営利目的の会社なんだから、当たり前なんです。自分たちの身は自分たちで守らなければ。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。大企業に責任はあるのかも知れないけど、それは問う事が出来ないという典型的な例ですね。世界はこんなもんなんです。自分の身は自分で守りましょ。ぜひ、観てみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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