舞台「令嬢ジュリー」を観てきました。
ストーリーは、
1880年6月。聖ヨハネの祝日前夜(夏至祭)。夏のクリスマスとも言われるこの日は、北欧の人々にとっては最も心華やぐ一夜である。この邸の気位が高い伯爵令嬢ジュリーは、母の手で男勝りに育てられ、つい2週間ほど前には婚約を解消したばかり。
夏至祭で高揚した気分のジュリーは台所に現れ、この邸の下男ジャンをダンスに誘う。躊躇するジャンに、「祭の日には、身分の上下は無い。」と強引に相手をさせ、徐々にその行動は大胆な誘惑へと変わって行く。下男のジャンは、年上の料理女クリスティンと婚約中の身であるのだが、その夜、クリスティンは既に休んでしまい、台所には誰も居ない。
最初はジュリーをいさめるジャンだったが、「子供の頃、あなたに恋をしていた。でも、あなたは、自分がこの貧しい身分から抜け出す事は絶望的だと思い知らされる象徴だった。」と打ち明ける。そして、2人の間を支配していた緊張感が、ほんの一瞬はじけた途端に、何かに取り憑かれたかのように激しく求めあう二人…。この瞬間から、この貴族と平民の男女関係の上下が逆転して行く。
というお話です。
傲慢なお嬢様ジュリーが、婚約者の居る使用人のジャンを誘惑し、自分勝手な言い分を言い放ち、ジャンをその気にさせて行き、自分の思い通りに動かそうとするのですが、ジャンが子供の頃、ジュリーに憧れて恋をしていたと告白した辺りから、段々と立場が逆転して行くんです。その告白をした事により、ジャンが、何となく自身を持ち始めて、外に出て行けば、夢が叶うかも知れないと言う希望を持ち、ジュリーを連れて逃げて、ホテルでも経営したら成功すると思ってしまうんです。
ジュリーは、自分はお嬢様だという立場でジャンを下に見ているんだけど、自分自身に自信は無いんです。先日、婚約者にも振られたようだし、プライドがズタズタ状態の時なんです。そんな時に、同じ部屋に2人きりで、ましてジュリーがジャンを誘惑しているんですから、ジャンは、自分にも魅力があるのかも知れないと勘違いしちゃうし、こんな女性に好かれるなら、自分は凄い才能の持ち主だったのかも知れないなんて思っちゃったのかも知れません。
で、海外に行って、ホテルでも建てたら、きっと大金持ちになれるから、ジュリーと身分も合うハズだと思っちゃうんです。でもね、それ、勘違いだから。この時代に、どんなに頑張ったって、お嬢様と使用人が上手く行く訳が無い。そりゃ、絶対に無い訳じゃないけど、まず、無いでしょ。
観ていると、どんどん、二人の立場が変わって行き、それまでジョンに我が儘を言って、従わせていたジュリーが、段々と、ジョンのいう事を聞き、頼り始めてしまうところが、とても面白いと思いました。二人は一晩を過ごし、ジュリーは従順な女性になってしまうんです。それまでは、ムチで婚約者を打ち据えるような女だったのにね。面白いです。
城田さん、ミュージカルでは観た事があるのですが、本格的な芝居では初めて観させていただいたので、楽しめました。声が聞き取りやすくて、男としての色気もあって、ジョン役、ステキでした。ジュリー役の小野さんは舞台「家庭内失踪」でも観ていたので、段々と娘から女の役になってきたなぁと思いました。良かったです。
私は、この舞台、とても楽しめました。既に終わってしまった演劇なのですが、この題材、これからも上演されると思うので、気になったら、ぜひ観てみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
令嬢ジュリー http://www.siscompany.com/sisw/gai.htm
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