「マン・ダウン 戦士の約束」戦争によって壊れた心は、家族をも壊していく。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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「マン・ダウン 戦士の約束」を観てきました。

 

ストーリーは、

妻子を故郷に残してアフガニスタンの戦場へ旅立ったアメリカ海兵隊員ガブリエル・ドラマーは、過酷な任務を終えてアメリカに帰還する。しかし、故郷の街はまるで異世界のように荒廃しており、住人たちの姿も消えていた。ガブリエルは一緒に帰還した友人デビンと共に、行方のわからなくなった妻子を探すが……。

というお話です。

 

 

アメリカ海兵隊員のガブリエル・ドラマーは、アフガニスタンの戦場で任務に就いていました。ある日、市街地で襲撃され、戦闘状態に入ります。ガブリエルは、仲間と一緒に敵を制圧する為に、建物の中に入り、ゲリラが残っていないか確認をしていた直後、襲われて、仲間が撃たれてしまいます。そして、ある出来事がガブリエルに起こります。

 

 

基地に戻ったガブリエルは、仲間の死によるストレスにより心神喪失となり、上官・ペイトンの面接を受ける事になります。ペイトンは、ガブリエルの今の状況や、戦地で何が起こったのかなどを聞き、彼がPTSDであるだろうことを確認するのですが、それを治療する術はありません。そして、ガブリエルはアメリカに帰還する事になります。

 

 

アメリカに帰り、自宅にたどり着くのですが、街は荒廃し、人もほとんど見られず、何が起こったんだとガブリエルは思います。アメリカに帰ってきたのに、妻・ナタリーと息子・ジョナサンを探す為、戦闘準備をして、市街地を探りながら進みます。戦地で一緒だった友人も一緒に探してくれて、途中で見つけた人に、写真を見せて、妻と息子の事を訪ねるのですが、誰も知りません。

 

仕方なく街を友人と二人で探して歩いて行くと、見知った家で息子の姿を見つけ、手を引かれて連れていかれる様子を確認します。急いで息子を奪還する為に、その家に押し入り、銃を構えて息子を抱きしめるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。

 

 

この映画、最初は、何をやっているのか、どんな世界に落ちてしまったのか、分からないんですけど、話が進む内に、怖ろしい真実が見えて来るんです。戦争に行って、戦う気は無くても、襲われたら応戦しなくちゃいけないし、その戦闘で死ぬ人も出てきますよね。女性や子供を殺す気は無くても、仕方なく撃ってしまう事もあるだろうと思うんです。目の前で、自分の撃った銃で死んでいる人を見たら、やっぱり、おかしくなるだろうと思います。ずーっと、いつ襲って来るかも分からないゲリラを警戒しているストレスが溜まっているし、その上、目の前で死なれたら、そりゃ、PTSDになりますよ。

 

 

そんな帰還兵たちが、どんどん自殺しているという現実も良く解ります。その心の傷って、簡単には治る事は無いし、どんなに治療をしても、完璧になることってないらしいし、難しいですよね。本当に、アメリカにとって、大きな問題だと思います。だからね、トランプが日本にもっと金出せとか、文句を言うのも解らないでは無いんです。

 

だって、日本は危ない所に行かないし、戦わないって決まっているからね。嫌な事はアメリカ人に押し付けているって事でしょ。それなら、それに見合う事をして行く必要があって、もうお金じゃなくて、アメリカに工場とかつくってそういう人を雇用するとか、日本企業も帰還兵を優先的に雇用するとか、考えないのかな。何かやりがいの様なものを見つければ、少しは癒されるのではないかと思うのだけれど、どうなのかしら。

 

 

この映画を観て、本当に苦しいのだなと思いました。良い人であればあるほど、戦争から帰って来ると苦しむんですよね。ネットで帰還兵の記事を読んでいたら、ある帰還兵の女性は、イラクで子供を殺してしまい、帰って来てから普通に結婚して子供を産んだんだけど、自分の子供の姿が殺した子供と重なってしまい、どうしようも無くなって、病院に収容されたそうです。この映画のガブリエルや、このような女性を作らない為に、何か出来ないのかな。

 

そんな事を真剣に考えてしまうような内容の映画でした。娯楽映画というのとは、ちょっと違うような映画で、この映画は、そういう戦争に付随した沢山の問題を考える為の映画だと思います。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。出来れば、沢山の人が観るべき映画だと思うのですが、娯楽映画とは思いたくないので、出来れば、こういう問題を真剣に考える人に観て欲しいです。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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